代表取締役 昆 佑大氏 キャリアを自らの努力で駆け上がってきた元エンジニアの経営者。アクログループ内の企業でテックリードとして活躍後、株式会社NextBitsの代表取締役に就任。グループのシナジーを高めるという方針に沿いつつも、「エンジニアがキャリアをデザインできる会社」という自らの思いを実現するために、独自色を前面に出した経営にチャレンジ中。趣味は「ボルダリング」と「謎解き」。

アクログループでエンジニアになるまでの経歴は？

当初は「レコーディングエンジニア」を志していましたが、キャリア形成の難しさを感じ、未経験ながらWeb制作の世界へ飛び込みました。 幼い頃から自宅にパソコンがあり、家族が使う様子を見て自然と触れるようになり、高校では情報処理科に進学してCOBOLを学ぶなど、コンピューターは常に身近な存在でした。 そうした環境のなかで、「ものづくり」と「コンピュータ」を組み合わせた表現手段として、Webの世界に惹かれていったのだと思います。 実際に制作へ取り組む中で、当時注目されていた「Flash」技術をいち早く習得し、動きのあるインタラクティブなコンテンツの制作に没頭しました。 その後、より本格的にシステム開発の領域に踏み込むべく、Javaやデータベース技術を学び、業務系システム開発エンジニアとしてSIerに転職しました。 映画配信プラットフォームの開発、ブロックチェーン技術を活用したサービス、EC関連システムの構築など、多彩なプロジェクトに携わり経験を重ねてきました。 長く受託開発を手がける中で、「新しい技術やアイデアに挑戦できるスタートアップ志向のプロジェクト」の存在を知り、自ら志願して参画。 そのプロジェクトをマネジメントしていたのが、アクログループの企業でした。

アクログループに入ったきっかけは？

共通の趣味を通じて営業担当者と意気投合し、これまでの経験を評価してもらったことがきっかけで移籍を決めました。最終的にはテックリードとしてエンジニアの育成にも携わることになりました。それ以前に所属していたSIerでも後輩の育成に関わっており、エンジニアのキャリア構築に関しては豊富な経験を持っています。私自身、大手SIerに所属した経験はありませんが、組織に頼らずキャリアを築き上げた背景があるため、エンジニアが独力でキャリアを形成するためのサポートができると自負しています。 大手企業に所属すると、キャリアに対する不安を感じることは少ないかもしれません。会社が安定していれば、一生安泰だと思うでしょう。しかし、変化の激しいIT業界では、たとえ大手企業に所属していても、実践的なスキルを持たないエンジニアは淘汰される可能性があります。だからこそ、企業はエンジニアが継続的にスキルアップできる環境を提供する必要があると考えています。

NextBitsの代表に就任した背景を教えてください

グループ会社に入社して約15年間、様々な業務を経験してきました。テックリードという立場でキャリアを歩んでいた頃、当社を立ち上げた西川さん（現アクロホールディングス代表）から会社を引き継いでほしいとの誘いを受けました。エンジニアとして現場に携わり続けたい思いもあり決断に迷いましたが、経営者としての新たなチャレンジに魅力を感じ、代表取締役を務めることを決意しました。 当社は、アクログループのシナジーを最大化するために設立された会社です。人材管理システム『Engine』の開発が主要な業務ですが、私の個人的な思いとして、「エンジニアがキャリアをデザインできる会社」にしたいと考えています。グループ全体としても柔軟なキャリアプランを用意し、エンジニアのキャリアアップをサポートしていますが、当社においても所属エンジニアのキャリア構築を積極的にバックアップしていきたいと思っています。 アクログループは「ゆるやかに連動するグループ経営」を実践しており、当社の経営も非常に自由度が高い環境で運営されています。私自身、未経験からテックリードまでキャリアアップしてきた経験があり、これまで培った知識やスキルを若手エンジニアに伝え、彼らの成長を支援していきたいという強い思いを持っています。

仕事をする上で、大切にしていることは？

信頼です。それに尽きます。仕事とは、究極的に言えば、信頼を築く行動そのものだと思っています。信頼を得ることも、信頼することも、どちらも重要です。信頼を得るには、何事もオープンにすることが欠かせません。自分の置かれている状況や考え方、価値観を積極的に伝えることで、周囲の人々が日々の行動を理解し、より円滑な関係を築くことができます。ビジネスの世界では「報・連・相」が重要だと言われますが、報告・連絡・相談を徹底することで、相手からの信頼を得ることができます。安心して仕事を任せてもらうには、自ら積極的に情報を共有し、信頼を築く姿勢が必要です。 リモートワークについても、この考え方は同じだと思います。エンジニアという職種はリモートワークとの親和性が高いとはいえ、リモートワークを選択することで会社やクライアントとの信頼関係が弱まったり、コミュニケーションに不安が生じたりするようでは、仕事として本末転倒です。当社ではリモートワークを「信頼に基づいた働き方」と捉えています。信頼を築くための努力を惜しまず、責任感を持って仕事に取り組むことで、一人ひとりが自由で柔軟な働き方を実現しています。

趣味は何ですか？

最近は「謎解き」にハマっています。休日には「脱出ゲーム」に参加したり、仲間とクイズに挑戦したりするのが楽しみの一つです。謎解きの魅力は、「発想の転換」を体験できることです。大抵の謎解きは正攻法では解けず、視点を変えて様々な角度からアプローチしないと答えにたどり着けません。どれだけ考えても分からない時、諦めて答えを見て「そうか！」となる瞬間があり、自分で正解を導き出す喜びはもちろん、分からなかったことがクリアになる瞬間も非常に楽しいです。 もう一つ、私が長年続けている趣味は「ボルダリング」です。始めてからもう14年ほどになりますが、今でも飽きることなく楽しんでいます。難しい課題に挑戦する際は、身体の使い方だけでなく、手順をロジカルに考える必要があり、程よく頭脳が刺激されます。まさにエンジニアに向いている趣味だと感じています。実際にアクログループのメンバーにもボルダリング好きが多く、グループ会社のメンバーが運営するジムを福利厚生の一環で利用できたりもします。好きすぎて社員を頻繁に「ボルダリングに行こうよ！」と誘ってしまうので、時々「ボルハラだ」と笑われることもあります。仕事も趣味も一緒に打ち込める仲間が増えると嬉しいですね。