株式会社ウイングプラス

株式会社ウイングプラスは、システム開発、セキュリティ基盤、インフラ構築を得意とする会社だ。SESを中心に受託開発も行い、20年にわたって着実に実績を積み上げてきた。

創業者であり代表取締役を務める赤羽俊春氏は、ミニコンピューター開発会社や外資系ソフトウェア会社等でキャリアを積み、長らく取引のあった大手通信会社の人から「小回りの利く会社を起業して、一緒に仕事をしていかないか」と声をかけられたことをきっかけに、2006年、同社を立ち上げた。
「設立当初は、高い技術を備えた少数精鋭のスペシャリスト集団としてスタートしました。しかし、おかげさまで多様な案件を数多くご依頼いただく中で、少数精鋭体制ではお客様の期待に応え切れないと気付き、技術力にこだわりつつも社員の増強にも力を入れるようになりました」（赤羽氏）。

赤羽氏が語る通り、同社が手掛けている案件は多種多様なものがある。大手通信会社との取引は今も継続しているほか、大手航空会社や大手化学メーカーの各種アプリケーション開発、流通系、運輸系、公共系アプリケーション開発、珍しいものでは特殊な用途で使用する車両の配車アプリケーションや、高齢者の安全を守ることに繋がるアプリケーション開発等、内容も種類も規模感もバリエーションに富んでいる。技術的な幅も広く、AIやクラウド等の先端技術を扱う案件もある。要件定義や基本設計等、上流工程から参画する案件もあれば、開発工程からリリース、その後の運用・保守まで担当する案件もある等、案件を通じて多様な経験を積めるところも同社の魅力の一つと言える。
「これだけ様々な案件を依頼していただけるのは、お客様との間に信頼関係が構築できているからです。当社は、社員に“人間力”を求めています。相手の立場から考え、何を欲しているのか察する力に磨きをかけており、真摯に仕事と向き合う社員が揃っています。その姿勢や仕事品質を評価していただいています」（赤羽氏）。

このバリエーションの豊富さが、社員の成長にも大きく貢献している。

四人でスタートした同社は、中途、新卒入社合わせて社員数が増え、現在では60名ほどになっている。ここまで人数が増えてきても1年以内に辞める社員はほぼゼロで、定着率も90%以上と非常に高い。長く働き続ける理由、入社を決めた理由について、多くの社員が口にするのが「成長機会に恵まれているから」、「社員が大切にされているから」という声だ。
「私は、社員みんな家族のように思っているので、ハッピーになってもらいたいと考えています。起業当初は、高度な技術を備えたスペシャリスト集団であることを大切にしていましたが、長く会社を経営する中で、本当に大事なものが分かってきたのが、現在のような会社にしようと思ったきっかけです。そして、経営者の使命とは、社員がハッピーに生きていけるよう環境を整えることだと考えています」（赤羽氏）。

赤羽氏が語る「環境整備」の一つが、成長できる会社であることだ。同社では、社員の希望に可能な限り沿う案件へアサインすることを大切にしている。もちろん、タイミングによって全ての希望が叶うわけではない。それでも、案件のバリエーションの豊富さを確保するよう心掛け、社員の希望に沿う案件がない場合は、営業が案件獲得のために動いてくれるそうだ。
「具体的な案件がイメージできていない場合は、どのような人材になりたいのかを確認して、そのために必要なスキルを学べる案件を勧めることもあります。運用・保守の経験しかなく、開発やさらに上流の工程にも対応できるエンジニアを目指したいというのであれば、開発としての経験を積んでもらった後、設計や要件定義を経験できる案件に入ってもらうといった具合です」（赤羽氏）。

社員が成長できる環境を今以上に整えていくため、また社員の成果を正当に評価して給料に反映していくためには、会社としての経営基盤を一層強固なものにしていく必要がある。そのためにも、さらなる人材の増強を図っていき、顧客との信頼関係を強めていくことを目指していると赤羽氏は続ける。
「クラウド等のインフラ案件を拡充していき、アプリケーション開発案件と同じくらいの売上になるよう育てていこうと考えています。既に生成AIでアプリケーション開発を行っている社員もいますが、その分野の案件も広げていこうと動いているところです。このように案件の拡充、バリエーションの充実と社員の増強をバランス良く上げていきながら、まずは社員数100名を目指していきます」（赤羽氏）。

SESをメイン事業にしている会社の場合、社員は客先常駐が多く、在籍している会社に行くことが少ない分、帰属意識が薄く、社員同士の交流もほとんどないというケースが少なくない。しかし、同社の社員同士は非常に仲が良いのが特徴だ。週に1回は会社へ行くという社員もおり、オフィスで社員が一緒になると笑い声が溢れる明るい雰囲気がある。
「社員同士だけでなく、経営陣とも気さくに会話できる雰囲気があります。私が古い人間ということもあって、社員のことはきちんと知っておきたいんです。だから、コロナ禍前までは、お客様先にいる社員一人ひとりを回って、お昼ご飯を食べながら現場の状況や悩んでいること、相談事はないか聞いていました。コロナで訪問できなくなってからも、リモートで30～40分、1対1で話す機会を設けるようにしています」（赤羽氏）。

社内の勉強会も定期的に開催し、興味のある社員が参加して知見を共有し合う機会を設けているほか、社外研修の費用も会社で負担。社員のスキルアップを支援する仕組みの整備も進めている。

このような社風の会社だけに、新たな仲間にも「素直な人がいい」と赤羽氏は言う。
「素直な人の方が何事も吸収が早いですから。それから、親切な人がいいですね。当社の社員は、隣で困っている人がいると手を差し伸べようとする人達ばかりです。そのため、周りの人を気にかけられる人の方が馴染めると思います」（赤羽氏）。
また、エンジニアは次々と現れる技術を習得し続けなければならないため、いろいろなことに興味を持って、世の中にアンテナを張り、自分に何が必要なのかを考えられることも大切だと話してくれた。
「当社は、人間味のある会社だと思っています。仕事をする時も一人ではなく、困った時にサポートしてくれる人達が周りにいてくれます。案件によっては、無茶なことを押し付けてくるお客様もいます。そんな時は、相談してください。私は社員の味方なのでお客様に話をしに行きますし、改善されなければお断りすることもあります。だから、安心して仕事に打ち込みたいという人は、当社に来ませんか。社内の雰囲気を見るくらいの気持ちで、一度話をしましょう。お待ちしています」（赤羽氏）。