株式会社プログライブコンサルティング | インタビュー

代表取締役社長中川暢也氏 ITコンサル会社の代表になった元インフラエンジニア。エンジニアのキャリアを順調に積み重ね、PMとして株式会社プログデンスで活躍。その後、社内でITコンサルにチャレンジし、新事業部の立ち上げ話が子会社設立に発展し、2023年10月に株式会社プログライブコンサルティングを設立。代表取締役社長に就任する。家族と一緒に世界中の「ディズニーパーク」を巡るのが趣味。

インフラエンジニアからITコンサルになった背景は？

私はインフラエンジニアとしてキャリアをスタートさせ、最初の5年間をサーバエンジニアとして過ごしました。その後、会社都合で所属先が変更となり、ネットワークエンジニアとして4年間の経験を積みました。「成長」や「チャレンジ」が好きな性格から、さらに上流工程を目指すべく、PM（プロジェクトマネージャー）としてステップアップする機会を求め、株式会社プログデンスへ移籍しました。移籍後は希望通りPMとしての経験を積むことができ、組織マネジメントも任されるようになり、インフラエンジニアとして着実にキャリアアップを実感していました。しかし、PMというキャリアの頂点に立ったことで、次の成長をどのように実現するかを深く考えるようになり、PMの枠を超えたキャリアを模索し始めました。管理職として後進を育成する選択肢もありましたが、それ以上に自分自身が成長できる新たな挑戦を求め、ITコンサルタントの道を目指す決断をしました。親会社がSIerであるため、社内にはITコンサルの業務は存在していませんでした。しかし、お客様がITシステムに関する課題を抱えていることを知っていたため、こちらから提案する形でITコンサルの事業を立ち上げるべく動き始めました。その決断と行動が、私のキャリアを新たなステージへと進めるきっかけになりました。

ITコンサルとして活動を始め、その後、プログライブコンサルティングを立ち上げた理由は？

2019年、私はプログデンスの社内でたった一人からITコンサル事業をスタートしました。お客様から高い評価を得ることができた結果、事業部を立ち上げる話が持ち上がりました。しかし、SIerとITコンサルでは仕事の進め方が全く異なるため、働き方やブランディングを考慮した上で、親会社であるプログデンスが経営判断を下し、別組織をつくることを決定しました。その際、子会社の設立と代表就任を打診していただき、これを受けることにしました。会社設立に当たり、取締役を務める小田やシニアコンサルタントの雨宮に声をかけました。彼らはインフラエンジニアとして非常にハイスキルであり、ITコンサルという肩書を持つことで、エンジニアからITコンサルへキャリアを広げる道筋を示せると考えました。また、技術力を強みにしたコンサルティングを実現したいという思いから、10年来の友人であり元Microsoftの社員でもある酒見にも参加を依頼しました。彼は当社が立ち上がった後の2024年に、Azure Network ConnectivityカテゴリーでMicrosoft MVPを受賞することになる技術者で、その技術力の高さは世界的にも認められています。2024年このカテゴリーでMicrosoft MVPを受賞した者は世界にわずか二人しかおらず、その一人が酒見です。

PMPの資格をお持ちだという話ですが、取得したのはなぜですか？

私の行動の原動力は「成長意欲」です。PMとして働く中で成長実感を得られなくなった時、PMP（プロジェクトマネジメントプロフェッショナル）資格の取得に挑戦しました。当時、仕事の稼働時間が長く、資格取得のための時間を捻出するのは容易ではありませんでした。それでも家族の支えと協力があったおかげで勉強を続けられ、無事に取得することができました。PMP資格を取得したことで自信が付き、PM業務で感覚的に理解していたことが体系化され、言語化による明確な仕事の解像度向上に繋がりました。 PMをエンジニアのキャリアのゴールだと思っていた私は、PM業務に慣れてきた頃、次にどのように成長すべきかについて深く悩みました。業務効率化を徹底することで仕事量を増やすという選択肢もありましたが、私は提供価値を高めるスキルアップを目指すべきだと考えました。私は挑戦することが好きですが、特に「失敗」から多くを学べると信じています。失敗は一時的に気分を落ち込ませるものですが、その中で得られる教訓は非常に大きいです。失敗を恐れるのではなく、そこから学びを得て次に繋げることが重要だと考えています。当社で働くメンバーにも、積極的にチャレンジし、失敗を糧に成長してほしいと願っています。

仕事をする上で、大切にしていることは？

本音を言える環境で働くことの重要性を痛感しています。私は自分の弱みを隠さず、正直に見せられる人間でありたいと常々考えています。ITコンサルの仕事に挑戦した際、最初は業務が上手くいかず、自信を失いメンタルが落ち込んだ経験があります。耐え抜いて時間が解決してくれたものの、停滞している自分を客観的に分析することが必要でした。その結果、自分ができないことや現状を相談する姿勢が欠けていることに気付きました。さらに掘り下げると、弱い自分を見せることで会社や周囲からの評価が下がるのを恐れていると判明しました。その恐れが、素直になれない原因であり、自分を追い詰めてしまう要因だったのです。コンサルタントという仕事は、結果が全てのシビアな世界です。お客様の期待を下回ると叱責を受けることもあります。その影響でメンタルが落ち込み、生産的な思考ができなくなってしまうこともありました。そんな時は、「できない自分」を受け入れることが必要だと考えるようになりました。気持ちが滅入っている状態で無理に考えを巡らせるよりも、一度開き直り、ありのままの自分を受け入れることで前向きな一歩を踏み出すことができると感じています。

AIを業務で積極的に活用しているというお話ですが、どんな使い方をしていますか？

ChatGPTを活用して効率的に壁打ちをし、アイデアを磨いていくのは素晴らしい体験です。評価制度の策定や提案依頼書の作成支援等で、AIを実践的に活用しています。AIとのやり取りを通じて思考が整理され、内容が精査されていく感覚は、多くの人にとってAIの活用の醍醐味と言えるでしょう。さらに、ChatGPTやGoogle Geminiの「Deep Research」を使い、知りたい情報を簡単かつ迅速に集めています。自分自身のPR手段を模索するというアプローチでもAIが相棒。セルフブランディングや会社の成長に非常に役立ちそうです。PRやブランディングは、一貫したメッセージや戦略が鍵になりますが、AIからの示唆を活用することで、より洗練された手法を編み出せるのではないかと思っています。 AI[活用は今後のビジネスでは、当たり前になります。ITコンサルでもAI活用の支援は人気なので、メンバー各自も積極的にAIを業務に取り入れてほしいです。