株式会社HR CAREER

看護・介護・栄養士等の人材紹介を手掛ける、株式会社HR CAREER。独自のサービスサイトやデジタルマーケティングも駆使しつつ、人と人とで“トコトン向き合う”ことをポリシーにするベンチャー企業だ。

そんな同社の根本思想を作り、社員からも厚い信頼を得ているのが、創業者であり代表取締役でもある森聡介氏。森氏は長きにわたり経験した接客業で、多種多様なバックグラウンドを持つ人々と出会ったという。そこから「誰かの人生をさらに支えられるような仕事がしたい」と一念発起、人材紹介会社へと転職した。

その時の部下であり、現在同社の人事・採用を務める後藤峻氏はこう話す。
「その会社で森は、人数・売上規模ともにトップクラスの部署を引っ張る存在でした。決断力もあり、仲間を心から大切にする森を、多くのメンバーが信頼していましたね。ですがその後、森は独立しました。当社を設立して間もない頃、『一緒に働かないか』と誘いを受けた時は嬉しかったですね。二つ返事で入社を決めました」

森氏が同社を興したのは、“人を大切にできる人材紹介会社を作りたい”という思いからだった。
「もちろん人材業界の役割は、誰かのキャリアを支えることと、採用を通じて企業成長を支えることです。しかし売上を重視し過ぎると、お金を頂く法人が“お客様”であり、求職者は“商品”だと捉えがちになってしまいます。そうなると、求職者がどんな悩みを抱えているか、どんなキャリアを歩みたいのか……、その重要な点と向き合うことができません。目の前にある成約に飛び付かず、本当の意味で求職者の人生を支える――。森はそんな会社を目指して独立したんです」（後藤氏）。

また、売上至上主義が行き過ぎると、社内の雰囲気にも影響するという。営業が一番偉い存在と捉えられ、営業の中でも「売上の高い者が上、低い者が下」という過度な上下関係ができてしまう。「社内で働く仲間にも“働く喜び”を思い切り味わってもらいたい。だから一人ひとりを大切にできる会社にしたい」という願いもあったようだ。

そんな森氏の人柄や理想の会社像に強く共感した人達が、続々とジョインしている。「面接で代表が自分としっかり向き合ってくれる姿を見て、ぜひ入社したいと思った」と話す社員がいることも、森氏が信頼されている証しだろう。

“人の人生を、働く喜びを支えたい”――森氏の思いは、そのまま同社の事業の大きな強みとなっている。

SNSや求人サイトでの発信だけでなく、『看護エール』『介護ギフト』といった各サービスのサイトも持つ同社。こういったデジタルマーケティングをメインに、転職やキャリアアップを考える求職者と出会っている。

しかし同社が何よりも大切にしているのは、“対面”で求職者や法人とやりとりすることだ。デジタルを駆使しつつ、何よりもアナログな“直接会って話す”ということには一切妥協しない。

同社は通話やオンライン会議も利用しているが、あくまで入り口に過ぎない。その後はできる限り全員と直接会って話している。

着々と進めている拠点拡大も、キャリアアドバイザーがきちんと求職者や法人の元に足を運ぶため。東京本社や大阪支社に留まらず、2023年4月には札幌支社もオープンした。今後も各地域の主要都市に展開していくという。

対面型の人材紹介で同社が成功しているカギは、“質の高い情報を提供できること”にある。五感で得られる情報は、直接会うことで圧倒的に多くなるからだ。例えば、求職者の何気ない立ち振る舞いやしぐさ等には、人柄がよく出る。また、お互い向かい合って話すことで心も開きやすくなる。これらは皆、対面だからこそ多く知れることだろう。

「分かりやすいのは、一見転職歴の多い求職者との面談ではないでしょうか。職務経歴書を見て『すぐに辞めてしまいそうだ』と切り捨てるのは非常にもったいないことです。アイスブレイクも挟みながら一緒に過去を振り返り、『どうして退職することになったのか』を紐解いていくと、自分ではどうしようもない人間関係や労働環境に悩んで転職している人も多いですね」（後藤氏）。

そんな情報をキャッチした上で、キャリアアドバイザーが面接にも同席する。書類ではキャッチし切れない求職者のパーソナリティを、きちんと説明するためだ。「今度こそ自分に合った職場を見つけたい……」そんな切実な思いを叶えるため、二人三脚していく頼もしい存在だ。

また、法人へ直接訪問するのも大切な情報収集。
「基本的な求人情報は、ホームページや求人サイトを見れば誰でも分かることです。しかし法人側もやはり、書面やネット上で掴みにくい情報があるんですよね。例えば一見月給が低いように見えても、子育て支援等の手当が充実している企業もあります。また介護施設や医療機関の場合、どんな利用者がいるのか、スタッフは笑顔で接しているのか……等も見ます。実際に入社した時のイメージを掴めるからこそ、その空気感にピッタリな求職者へ自信を持って紹介できるのです。もちろん弱みと思われる点も包み隠さず伝え、納得してもらった上で進んでもらっています」（後藤氏）。

求職者にも法人にも、お互いの魅力を解像度高く伝える。これが同社最大の介在価値だ。こうして同社の売上は右肩上がり。売上至上主義でなく、“トコトン向き合う”を至上主義にした結果、高い信頼を勝ち取っているのだ。

これまでは医療・福祉領域が主力サービスだったが、現在は栄養士や保育士、建設業界向けのサービスも展開。同社が求職者の頼れる味方になるフィールドは、どんどん広がっていきそうだ。

“トコトン向き合う”――この信念をバリューにも掲げている同社。入社時にはスキルや経験よりもマインドを重視している。

だからこそ、同社で活躍する社員の9割は人材業界未経験だ。それでもしっかりと結果を残している理由は、社内の充実した教育体制やフォロー体制にある。

どの職種で入社した社員にも、まずは座学を実施。人材紹介業界や医療・福祉等の同社が関わる領域について、そして同社の考え方や仕事の姿勢等を丁寧にレクチャーする。また入社3カ月頃までは、頻繁に定期面談も行う。不明点や不安、万が一ギャップを感じた時も、この場でなるべく解消している。

また同社は、“トコトン向き合う”というバリューを浸透させるための面白い取り組みも行っている。バリューの中には「相手を理解するところからはじめよう」等、11項目の姿勢がある。こちらの各項目を、月替わりで社内の強化バリューに設定。その姿勢を体現できた社員を社員同士で投票し、毎月上位10名を表彰している。自分でもバリューを意識できるのはもちろん、表彰された仲間に対して「あんな先輩になりたい」という憧れも持てそうだ。

「キャリアアップに向けた評価においても、このバリューに則った行いができるかが非常に重要なポイントです。成果が上がれば良いものではありません。“いかに周りが付いていこうと思える人材か”という点を重視していますね」（後藤氏）。

そのため、選考時に求めるマインドがある。「責任感」「相手や状況に応じた臨機応変さ」「変化や成長を楽しめる気持ち」だ。こういった人であれば、同社のバリューも全うできるだろう。

一方で後藤氏は、様々なパーソナリティの人に入社してもらいたいとも語る。同社はまだまだ成長フェーズにいる企業。いろいろなバックグラウンドや個性を持った人達で切磋琢磨し、化学反応も起こせる組織を目指しているからだ。

言ってみれば、1→10のフェーズである同社。どの職種においても、自分達が組織を作り上げながら成長を実感できそうだ。

「各部署の予算もどんどん増えており、裁量を持ちながら大きなスケール感で仕事をしています。私の担当する人事領域でもそうですね。社員の数はかなりのスピードで増えています。今年20人の新入社員へ研修やフォローを行ったとしても、来年入社する社員はその数では収まらないでしょう。そのため採用計画や研修内容も毎年ブラッシュアップする等、手応えのある仕事ができています」（後藤氏）。

このスピード感とスケール感で日々取り組めば、自分の成長も大きく感じられそうだ。

「誰かを強く支えられる仕事がしたい」「ベンチャー企業で切磋琢磨しながら成長したい」そんな方に、同社はピッタリな環境だ。大切なのは、人とトコトン向き合い、人にプラスを届けられるマインド。ぜひ、思い切って飛び込んでほしい。