株式会社コアネクスト

主に資産運用会社向けにシステム開発を手掛けている、株式会社コアネクスト。
国内の投資顧問会社・投資信託会社等の資産運用大手を直取引のクライアントとして、次のようなシステムの構築および運用・保守に携わってきた実績がある。

・投資顧問資産管理システム構築
・運用会社向け統合銘柄マスタ構築
・運用会社向けDWH構築及び管理
・運用会社周辺システム構築（投資顧問料算出システム、外国株式/外国債券指図書発行システム、IPO注文システム、為替管理システム、外国債券格付け情報システム、投資顧問キャッシュ管理システム、投信基準価額チェックシステム等）
・フロントシステム勘定系接続開発
・フロントシステム周辺開発
・フロントシステム導入支援 及び 周辺開発
・投信ディスクロレポーティングシステム構築（運用報告書・月次レポート等）
・投信文書（目論見書、届出書等）スケジュール管理システム構築
・保振決済照合システム連携構築
・信託照合システム構築
・運用会社向けバーゼルIIシステム導入
・国内株式投資シミュレーションシステム構築
・資金繰り管理システム開発
・投資顧問勘定系システムデータ移行
・投信計理システムDWHデータ移行
・資産運用会社BCP対応

証券取引の中でも、資産運用というバイサイドに特化した専門性が高い領域であり、参入障壁も高い。この領域で20年以上、技術を蓄積してきた同社は“ニッチトップ”クラスの存在と言えるだろう。
「メインクライアントとは創業期から直接のお付き合いがあり、その信頼性と歴史は大きな武器と自負しています」と取締役社長の増田博安氏は胸を張る。

資産運用会社向け以外では、自社開発による通販連携システム『CoreBridge』も提供。通販基幹パッケージに不足している機能を外付けツールとして提供することで、カスタマイズすることなく個別ニーズに応えられるようにしたプロダクトだ。WMS（倉庫管理ステム）との連携機能等を搭載している。

さらに、同社ではローコードツール『GeneXus』を活用した高品質・高生産性のシステム開発も手掛けており、当該案件を扱うSIerを経由してエンドユーザーのニーズに応えている。
「堅実さを重視する金融系は、どうしても“枯れた技術”を採用します。そこで、エンジニアとして最先端分野にタッチできる領域をつくろうと、『GeneXus』や『CoreBridge』をはじめ、幅広い業務ができるソリューション部門を設けています」と増田氏は強調する。

同社の設立は、2009年12月。地方の通販大手のシステム子会社における一ユニットの10名がスピンアウトし、システム開発会社である株式会社ソルクシーズ（1981年設立）の100%出資によるグループ企業として設立された。その経緯を、当時プロジェクトマネージャーを務めていた増田氏は次のように説明する。

「2000年頃、我々のユニットでは通販の需要予測／受注予測システム開発を手掛けていました。その仕事はSASというアナリティクス向けツールを使って行っていたのですが、その当時、東京のある資産運用会社が債券のシミュレーションシステムを開発するのにSASを使える会社を探していたのです。そこで、SAS社の仲介でその仕事を請けることにしたのが始まりです」
その資産運用会社は、増田氏らを社員代替的に迎え入れてくれ、内部に入り込んで専門性を深めることができた。
ところが、所属先の通販大手システム子会社は、流通系システムに専念する方針を決める。そこで、東京に出て金融系の仕事に特化する形となっていた増田氏らのユニットは、転出を迫られた。
「その際に、会社からは『（金融系は）コアではないから』と言われたのです。その言葉に反発し、スピンアウトを決めました」

たまたま通販大手とソルクシーズの主要株主が同一企業だった縁で、業容を拡大したいソルクシーズグループに迎え入れられる形となった。
「設立当時、ソルクシーズはJASDAQ上場企業であり、2016年には東証一部（現・プライム）に上場しています。設立当初から親会社の信用力をバックにスタートできたことは大きかったですね」（増田氏）。
社名は自由に付けていいと言われた増田氏は、「コアではない」との言葉を逆手に取って「コアネクスト」と命名。「“コア”なだけで立ち止まっていてはいけないと、“ネクスト”を付けた」と言う。

国内の資産運用会社は、銀行系や証券系、保険系、独立系等に分かれて50社近くが存在している。中でも大手の信託銀行系や保険系等の未取引企業を顧客とし、この業界でシェアを広げていくことが今後の最たる課題だ。
「そのためにも、まずは陣容を拡充させることが不可欠です。この『Green』でエンジニアを増強し、攻勢に出ていきたいと考えています。ぜひアクセスしてください！」と増田氏は呼び掛ける。

会社づくりの指針として、増田氏は「社員が幸せを感じられる会社」を掲げている。その思いについて、増田氏は次のように話す。
「人は、目標を持ち達成に向けて努力し、実現することに喜びを感じると思います。会社としては、これを全力で支援しています」

エンジニアとしてより高い次元の仕事ができるためのスキルアップ支援としては、新技術の講習会やヒューマンスキル講座等を設けているほか、ソルクシーズグループ10社の人材交流等が挙げられる。「ソルクシーズにも金融向け部門があり、エンジニアの貸し借りがよく行われている」と増田氏。

働き方としては、月間平均残業時間が16時間ほどと少ない。「勤務時間中はきっちりと仕事をこなし、定時になったら帰る」という意識が定着している。これには、取引先である資産運用会社が残業を「生産性が低い証拠」と見なして撲滅を図っている影響も大きい。このため、ワークライフバランスの取りやすい環境がある。

待遇や勤務制度等の人事規程は、東証プライム上場企業であるソルクシーズに準じる形を採っている。差が付いていると、人事交流がしにくくなるためだ。
福利厚生制度も、ソルクシーズ並み。コアネクストの社員数は40名程度であるが、この規模で退職金制度はもちろん、社員持ち株制度や財形貯蓄制度、社宅完備等が整っている企業はあまりないだろう。

社内コミュニケーション基盤づくりにも力を入れ、部署や開発部門全体、さらには管理部門も含めた全社ミーティングも月1回のペースで行っている。加えて、毎年1回、社員旅行を実施（コロナ禍の間は中止）。1泊2日で、1日目は新メンバーが自己紹介のプレゼンテーションを行うのが習わしで、その後は親睦会となる。このプログラムの企画・運営は若手社員が行うのが決まりで、企画力や交渉力等を養う恰好の機会にしているのが特徴的だ。社員旅行自体は自由参加であるが、毎回ほぼ全員が楽しみに参加している。これ以外にも、いろいろな単位での飲み会も活発に行われている。
「こうした機会で私以下、あらゆる階層の社員がフランクな関係となって、縦横の意思疎通がしやすい風土を形成できていると自負しています。ピリピリしたところがなく、私をはじめ誰にでも話しやすい雰囲気があるのは、当社のいいところではないでしょうか」（増田氏）。

そんな同社が求める人材は、自ら情報を発信し周囲に好影響を与えられるような存在。
「当社は基本的にチームで仕事をしています。チームワークやお客様の信頼向上のためにもコミュニケーション力は必須。それがある方に、ぜひお越しいただきたいと願っています」と増田氏は期待を込める。