取締役社長　増田 博安氏

ご略歴をお教えください。

システム系の専門学校を卒業後、地元にあった通販会社のシステム部門に入りました。その会社を選んだのは、当時の東証一部上場企業だったからです。ところが、入社した年にシステム部門は分社化されてしまいました。 その会社では大手ITベンダーの販社として、共同開発した通販会社向けパッケージの販売もしていて、私はまずその部門に配属されました。そこで8年ほど全国の通販会社にパッケージの導入作業をして回る仕事をこなしました。その後、親会社である通販会社のシステム部門で、コールセンターシステムの開発を一から手掛けます。その中で、通販の需要予測／受注予測システムも開発しました。 その業務を終えた2000年の頃、需要予測／受注予測システム開発ツールのベンダーであるSAS社を介して、東京のある資産運用会社から同じツールを用いる債券シミュレーションシステム開発を要請されたのです。やってみようということになり、私が在籍していたユニットの10名で東京に行き、そのシステムを完成させました。これが高く評価されたことを機に、次々に資産運用会社の仕事を引き受けることになったわけです。 2009年に、在籍していた会社は通販等の流通系システムに専念する方針を決めました。そこで我々のユニットに対して、他社に転籍するか独立してほしいと申し渡されたのです。「（金融系は）コアではないから」と言われて反発心を覚え、スピンアウトを決めました。そんな我々を、親会社と主要株主が同じであった縁でソルクシーズが受け入れてくれることになり、100%出資によるコアネクストを設立した、という経緯です。

御社をどういう会社にしていこうと考えましたか？また、どの程度まで実現できていますか？

大きく二つあります。 一つ目は、社員が幸せになれる会社です。 東京に出てきた当時、資産運用会社の社員の皆さんは、地方の通販会社と違って高学歴で高収入の人ばかりであり、毎日のように高級レストランで食事をするといったライフスタイルを見て、我々とは生活感覚が全く違うと感じました。そんな人達と仕事を共にする会社を設立するのであれば、まずは標準より上のレベルにしたいと思いました。標準より上とは、待遇等がSIerの中間レベルより上のイメージです。そして、豊かな生活を送り、メンバーがお客様と対等に付き合える会社にしていく。これを“幸せになれる”と表現しています。 もう一つは、スピンアウトしてつくった会社だけに、絶対に負けたくない、ということです。元の通販系システム会社から飛び出て「よくやっている」と思われたい。そんな反骨精神でこの14年間、邁進してきたと思います。 現在まで達成できているのは、60%くらいでしょうか。これからも40%のクリアに向けて努力していきたいと思っています。

増田さんの仕事観をお聞かせください。

仕事は、目標を持ってやらないと意味がないと思っています。目標があるからこそやりがいも見えてくるだろうし、達成感を覚えることができるからです。 とはいえ、目標を持つことが難しい場合もあるかもしれません。そんな時でも、小さなことでもいいから目指すことを決めた方がいい。例えば「毎日違うことを必ず何か一つする」と決めて、駅まで歩く道のコースを変えてみるとか、食べたことのないメニューを頼んでみるとか。そうすれば、何かを感じることができ、次の一歩が見えてくるかもしれません。これを毎日続ければ、1年、5年、そして10年経った時にすごい成果になっているでしょう。 もう一つ。ニデックの永守重信会長の有名な言葉に「すぐやる、必ずやる、出来るまでやる」というのがあります。まさに仕事の基本だと思います。私も心に秘めて実践しています。

社員に対して、御社でどんな人生を過ごしてほしいかの思いをお聞かせください。

前述した通り、目標を持ち、達成感を覚え続けてほしいですね。それがないと、仕事が身に付かず、挫けてしまうでしょう。そして、自らの将来像もしっかり思い描いてほしい。思いがなければ実現もしませんが、思い続ければ叶えられると信じています。 私は人には限界はないと思っていますが、もし限界を感じたら周囲の人に頼ってほしい。そうすれば、有効なアドバイスが得られるはずです。当社には、それだけの環境があると自負しています。当社やグループ会社のメンバーはもちろん、メンバー以上に深く関わるようなお客様も、優秀な人材ばかり。自分一人の力だけでなく、そんな周囲の力も生かしてほしいと思っています。 求職者の方に対しては、ぜひ投資に関心を持ってほしいですね。銀行預金では増えない現状の中、国も投資行動を推奨し「NISA」等の制度を整えています。 当社では、資産運用会社のお客様との仕事の中で投資について学べる機会が潤沢にあります。難しい専門用語や金融工学に触れなければならない場合もありますが、関心があれば面白いはず。ですから、自分の生活をより充実させたい方は、ぜひ当社で投資に触れてほしいです。

オフタイムは、どういった過ごし方をしているのでしょうか？

以前は、妻とガラス工芸を楽しんでいました。溶けたガラスの玉を吹いて、グラスや皿等をつくることです。形のないものから形をつくっていくわけですが、自分の感覚で造形していく。自分の感情や気分でどんどん変わるのです。一度始めるとやり直しができず、二つと同じものはできません。そんなところが非常に面白いのです。 東京に来てからは、取り組む時間がなくなりましたが、時間を見つけてまたやりたいですね。老後の楽しみでもあります。