株式会社レイミックス

美容系サロンを中心にWEBサイトやパンフレット等、広告媒体の制作を手掛ける株式会社レイミックスは、秀逸なデザイン力とビジネスモデルで確固たる経営基盤を築いている。
2006年の創業当初は、グラフィックデザインを得意とする美容系に特化した制作会社であり、そのデザイン性の高さから着実に顧客を増やしていった。設立7年ほど経った頃には社員数10名ほどの規模で、売上高2億円を上げるまでに成長。その後、美容系サロンもWEBサイトが主流になると、カスタム型WEBサイト『SMART FIT（スマートフィット）』事業を手掛けるようになる。

『SMART FIT』とは、ナチュラル系やスタイリッシュ系等、クオリティーの高いデザインの中からサロンの雰囲気やコンセプトに合わせたデザインをチョイスすることで、メニューやインフォメーション、SNSとのリンク、ヘアカタログ等、充実した機能を備えるWEBサイトを立ち上げることができるサービスだ。
「PCサイトだけでなく、スマホ向けのサイトも同時生成するので、スマホ向けサイトをわざわざつくる必要はありません。それに、サロンのイメージを訴求するための重要なコンテンツであるヘアカタログも、旬のトレンドを意識したものを、モデルからカメラマン、スタイリストまでレイミックスが手配して作成。3カ月ごとに配信しています」（代表取締役・奥本和裕氏）。
『SMART FIT』は、初期費用を低価格に設定したサブスクリプションモデルのサービス。月額費用も1万円に抑えており、手軽にデザイン性の高いサイトをつくれると、600件もの美容系サロンに利用されている。

カスタム型WEBサイトで「クオリティーの高いデザイン」といわれても疑問に思う人もいるかもしれない。
しかし、同社はグラフィックデザインで実績を積みつつ、美容業界で15年以上もの間、数々の制作物を形にしてきた。
さらに、ヘアケア商品・ヘアブランド等の広告媒体制作を通じたブランディング実績も有している。
そこで培ってきた感性から生まれるデザインがクライアントから高く評価されているからこそ、600件ものサロンで採用されているともいえるはずだ。

「レイミックスとしては15年ほどですが、起業前から美容業界で制作に携わっていたので、私個人としての経験は25年以上になります。これほど長く美容業界に特化して実績を積んでいる制作会社は他にほとんどありません。この経験をベースとした知見の奥行きと幅広さが、レイミックスの強みの一つです」（奥本氏）。

レイミックスの次なる一手は、美容室専用ECサイト『SMART CART』だ。
今更ECと思うなかれ。
美容業界には、美容室・サロンでしか購入できない「美容室専売品」というものがある。
美容師やメイクアップアーティストといった美容のプロフェッショナルが使用し、彼らのアドバイスにより、顧客がホームケア用に購入できる商品で、これまでは基本的にサロンに行かないと買うことはできなかった。
この専売品を、IDを発行したお客様しか利用できないサロン専用のECサイトで販売できるというサービスである。

「たまに専売品がECサイトやフリマサイトで売られていることがありますが、それらは転売品や横流し品がほとんどで、多くの場合、割増価格が設定されています。このような状況を是正して、サロンのお客様が適正な価格で専売品を購入でき、かつサロン様がきちんと利益を確保できるようにするためのサービスが、『SMART CART』です。サロンに商品を卸しているディーラーから購入者に商品を発送することもできるので、サロン様は在庫を抱えるリスクがないといったメリットも。これからスタートする事業ではありますが、いずれは『SMART FIT』と双璧をなすサービスへと育てていきたいと考えています」（奥本氏）。

レイミックスが、このようなビジネスモデルのサービスを立ち上げられる背景には、販売ディーラーとの強い結び付きがある。
美容業界は化粧品等の製品をつくるメーカーと美容室やネイルサロン等との間に、問屋のような役割を果たしている販売ディーラーが存在する。各メーカーは全国20万店あるといわれるサロンに製品を直接卸す流通網を持っていないため、販売ディーラーを介してサロンへ製品を届けているわけだ。
しかも、販売ディーラーは大手5社で市場のほとんどをカバーしており、レイミックスはその5社全てと繋がりがある。
そのため、営業スタイルも販売ディーラーからの紹介営業が中心であり、新規開拓の労力をサロンのニーズや要望を実現するためのクリエイティブに注ぐことが可能なわけだ。これが最初に説明した「ビジネスモデル」である。

「お客様の期待に応えるクオリティーの高いデザインとディーラー様との強い結び付き。この両輪があるおかげで、創業以来15期連続で黒字経営を維持しています。新しいビジネスに積極的に挑戦できるのも、この基盤があってこそです」（奥本氏）。

レイミックスは、『SMART FIT』、『SMART CART』の管理数2,000件＝全国2,000のサロンへの導入を目指している。
そのためには、「仕事に対してまじめに取り組める正直な人、自分で考えて動ける人」に加わってほしいと奥本氏は言う。
「私は、ああしなさい、こうしなさいというタイプではありません。経験上、役に立つと思ったことはアドバイスしますが、時代もビジネス環境も違う現在、同じことをして成功できるとも限りません。だから、自分が担当している仕事をきちんと理解して、どうすればお客様に満足してもらえるのか、会社としてどうやって利益を出すのか、自分の頭で考えて行動できることがとても大切なのです。イメージでいうと、“商人”ですね」

自主的に行動できる人でないと難しいというのは、レイミックスが社員の自主性を大切にしている会社だからだと説明するのは、管理部 ディレクターの奥本裕美氏だ。
「営業はほぼフルリモートで活動していますし、制作部門も現在は週2回出社するだけで、残りの日はリモートワークを導入しています。この決まりについても柔軟に考えていて、子供が熱を出したとか、事情があれば相談に乗っています。週休二日制で残業もほぼありませんし、仕事の都合でどうしても休日勤務しなければならなくなった場合は、必ず代休を取ってもらっています。代表がお酒を飲めないので、飲みニケーションも一切ない。つまり、会社として必要以上に管理する風土がないのです。その分、自己管理して期日までに成果を出すよう動ける人でないと務まらないと思います」

現在、社員数は営業や制作合わせて9名。足りないリソースは、プロジェクトの内容に応じて外部の優秀なパートナーとタッグを組んで進めている。
ただ、新たなサービスもスタートする上、商品ラインナップの充実や内製化も進めていかなければならない。
そのため、「制作スタッフは今後のレイミックスのWEB関連業務の軸になってくれる人材」を探しているとディレクターの奥本氏は続ける。
「フロントエンドエンジニアとして入社した社員もデザインに関心を示しているし、グラフィックデザインやブランディングに関われる環境もあります。だから、“自分はこれしかやらない”というのではなく、色々挑戦してみたいというベンチャー気質のある人に来てほしいですね」
「当社のメンバーや協力いただいている外部スタッフは、F1チームのように優秀な人材が何人もいます。そういう人達から刺激を受けながらやりたいことを見つけ、それを仕事にする。そんな自己実現のできる会社だと思っています。少しでも興味を持った方は、是非一度話をしましょう」（代表・奥本氏）。