株式会社SEEDATA

株式会社SEEDATAは、株式会社博報堂のベンチャープログラム「AD＋VENTURE」を勝ち抜いて設立された社内ベンチャーだ。設立は2015年10月で、東京都港区赤坂に本社を置く。主に「インテリジェンス事業」と「インキュベーション事業」の2つのアプローチから事業を展開し、クライアント企業のイノベーションを支援。先進的な生活者群（＝トライブ）の行動や発言の中に隠された心理や価値観を発見することを通じ、5年先の生活者ニーズを明らかにしていく。また、蓄積されたデータを使ってクライアント企業の新商品や新サービス、新規事業開発、オープンイノベーションをサポートしている。

代表取締役を務める宮井弘之氏は、慶應義塾大学商学部を卒業後、2002年に博報堂に新卒入社。博報堂全体の業務分析をするセクションに、3年半従事した。その後、希望するプランナー職へ配属され、アンケート調査の分析をメインに取り組んできた経歴を持つ。具体的には、調査データを分析して得られたマーケティング機会や商品開発アイデアなどを、2週間に1度のサイクルで顧客に提案するといった業務だ。その後、現在も深く関わっているブランドデザインや商品開発、イノベーション支援を行う部署に配属され、定量調査中心の分析から定性調査の分析へとシフトしていった。

これらの業務経験から、「徹底的に顧客心理を追求することを通してイノベーションを支援する」ことに"自分自身の軸"が定まった、と宮井氏は語る。事業のアイデアを2年ほど温め、社内起業制度「AD＋VENTURE」の応募締め切り45分前から企画書の作成を開始。
その企画書にはCOO藤井の名前を無断で記載され、本人も知らないうちにエントリーも完了。以前からビジネスアイデアを周囲に果たしていたこともあり、藤井氏自身も「いよいよ動き出したのか」と気持ちを引き締め、その後のプレゼンに臨んだ。

SEEDATAが得意としている「トライブリサーチ」とは、先進的な生活者群（＝トライブ）の調査と、それに基づく未来の消費行動や、社会の変化の洞察するアプローチだ。近い未来に起こりうるイノベーションのヒントとなる考え方を、現時点で示している「トライブ」にスポットを当て、トライブ独自の行動や価値観から5年後の消費がどう変化していくか、社会がどう変化するのかなど、未来を洞察していく。デプスインタビューをはじめとした調査から導き出された生活者のインサイトをクライアントに提供し、新商品開発や新規事業開発をサポートすることがSEEDATAの根幹だ。

さらに、トライブリサーチによって得られた生活者データや日々のリサーチに基づく未来の兆候から、大手企業からベンチャー企業まで新規事業提案や新商品・サービスの開発支援へとつなげていく。その他にも、企業の中長期経営計画のための未来の社会シナリオやプロダクト開発のサポート、企業ブランディング、マーケティング戦略に至るまで幅広く展開している。

未来の探索から事業創出に至るステップは以下の通り。

■未来探索／トライブリサーチを通じて近未来の社会・生活者動向をデータベース化
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■未来洞察／さまざまなジャンルの未来探索の観点を活用し、クライアント企業の関する未来洞察・ロードマップを作成
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■戦略立案／未来探索の知見やリサーチのスキルを活かし、プロダクト・サービスの成長戦略を立案
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■ブランディング／進化する生活者の行動を分析し、未来視点でブランドの価値を設計するブランド戦略を立案
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■意識変革／SEEDATAが普段から取り組んでいる未来探索をクライアントと実践し、ともに未来を洞察して創発に取り組む組織づくりに役立てていく
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■商品開発／先進的生活者群のリサーチから、アイデア発想のきっかけになる機会領域を発見し、商品開発プロジェクトを実施
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■事業創出／未来探索から見えてきたビジネスアイデアを活用し、非連続型の事業を創出していく

2018年2月時点のメンバーは約30名（役職者、業務委託アナリスト含む）で、その他に大勢のインターンが所属する若々しい社風だ。インターンを経て入社する人も多い。「クライアント企業のイノベーション創出を企画から実行までワンストップで支援し、"Game Changer"の誕生を早める」というミッションに向かって、意識を一つにして仕事をしている。これまで300を超えるプロジェクトでオリジナルの知見とネットワークをクライアント企業に提供。現在の先進的な生活者に、すでに現れている「5年先の生活者像」をいち早く感じ取り、21世紀の"Game Changer"となるコンパスとなっている。

また、未来を読み解く独自のデータベースの蓄積により、今までのマーケティングや商品開発の視点にはない、力強いヒントを提供できるのもSEEDATAならでは。強みとするデータや発想プロセス、そこにクライアント企業のリソースを組み合わせ、ユニークなアイデアの発想を支援している。これまでSEEDATAは、消費財からインフラ事業に至るさまざまなクライアント企業とユニークな新商品/新規事業アイデアを生み出してきた。これからも、革新的なサービスやプロダクトを世に出そうとする"Game Changer"にとって、最高のパートナーとなることを目指していく。

以上のことから、SEEDATAで活躍できる人材は「商品やサービス開発への強い興味」が大前提となる。また、戦略プランニングへの興味・関心も必要とされる。新規事業をつくることに大きな魅力を感じる人にとっては、またとない成長の場となるだろう。最近の流行を分析することや未来について考えるのが好きな人にとっても、面白いことは多い。学校でマーケティングや社会学、文化人類学、心理学などを学んできた人にとっては、それらをビジネスで実践できる場ともなる。スキルや職歴に制限を設けていないため、先進的な生活者群（＝トライブ）のリサーチから未来を洞察する仕事を、楽しみながら遂行できる好奇心旺盛な人が活躍できる職場だ。