株式会社ユニックス

静岡に本社を構える株式会社ユニックスは、Web型小売業向け基幹業務パッケージ「WebTAURUS」・総合EDIソリューション「EDIOUS」・総合情報分析ツール「R-Intelligence」などの流通小売業界向けパッケージソフトの開発・販売を手がける企業だ。
北は北海道、南は沖縄まで全国規模で事業展開する同社。ドラッグストア、スーパーマーケットを中心にソリューションを提供し、特にドラッグストアへの導入実績においては国内トップクラスを誇る。誰もが知る大手小売りチェーンをクライアントとして抱えるほか、同社サービスの導入数は着実に増え続けている。

数あるシステム開発会社のなかで同社のシステムが選ばれる理由、それは30年前から他に先駆けて流通小売業界に特化したシステム開発に取り組んできた実績と、流通小売ビジネスへの深い理解・知見にほかならない。
同社が設立された1984年当時は、スーパーマーケットやコンビニエンスストア等の欧米の小売業ビジネスモデルが日本においても大きく普及し始めた頃である。同社が設立直後に構築に携わった地域流通VAN「オリオン」は、地域の小売業と卸売業の受発注をオンラインデータで仲介する日本初のサービスとなり、流通業界における情報ネットワークの確立に大きく寄与した。
それ以来、同社は小売業務や経営に関するノウハウをシステムやサービス品質に反映させる力を強みとし、先進的なサービスをいち早く市場に提供し続けてきた。

流通小売業界は世の中の動きや消費者の志向の変化に最も強く影響される業界だ。消費者の購買スタイルや物流スピード、決済手段が大きく変化し、日々新たなサービスが生まれるなか、流通小売業のシステムは四六時中改善を求められるといっても過言ではない。
そんな厳しい業界に身を置く同社が最も大切にしているのが、クライアントとの対話である。「業務の全体像やシステム化の目的を理解せずして開発することは一切ない」と断言する同社。
プロジェクトマネージャーのみならず、開発者自身もクライアントのエンドユーザーと直接議論し、共に仕様を検討しながらシステム開発を進めているという。顧客の細かなニーズを丁寧に受け止めつつ、時には時流を先読みしたIT戦略を提案する姿勢が、同社の大きな信頼へとつながっているのだ。

設立から30年。堅実な成長を続ける同社が次の一手として力を入れているのは「ビッグデータ活用」をベースとしたソリューション開発だ。
今、流通小売業界ではリアル店舗とインターネット通販、さらにはスマートデバイスなどの新たな情報端末を含めたサービスの連携・統合戦略が非常に重要になっている。特に同社が得意とするドラッグストア業界では、2009年に施行された薬事法規制緩和により他業種の医薬品市場参入が可能になったほか、一般用医薬品（市販薬）のインターネット販売も解禁されるなど競争は激化する一方だ。
「営業時間が長ければ売れる」、「品揃えが豊富であれば売れる」という時代は終わりを迎え、いかに消費者の欲求を先読みし、品揃えやサービスを充実させていくか、またそれらのきめ細やかなサービスをオンライン・オフライン含めた様々なチャネルで提供できるかが企業の生き残りの鍵となっている。

そんななか、同社はヘルス＆ビューティケア分野を中心にマーチャンダイジング支援などのサービスを提供するネットパイロティング社と共同で、ドラッグストアチェーンを対象にしたレコメンドエンジン「ReNU（レニュー）」とそのデータを活用したレコメンドクーポンサービス「ER-CRM」を2013年8月に発表した。

「ReNU」は、ユニックス社が提供する売上情報管理システムのデータと細かな商品情報を掛け合わせることで、一人ひとりの消費者に最適化された“レコメンド情報”を出力するサービスだ。
まず店頭のPOSレジスターから、消費者ごとの売り上げ情報が、総合情報分析サービスに収集される。この情報は日次で商品情報データベースのデータと掛け合わされ、消費者にとって最適なレコメンド商品が選定される。例えば高級美白化粧品を購入する女性は、美容にお金をかけている可能性が高く、高級ヘアトリートメントなどを購入する可能性も高い。このようなレコメンドをクーポンとして提示し、ワントゥーワンの特別プロモーションを店頭のキオスク端末やスマートフォンで実施する。更にその情報を店員用タブレットに送ることで、店舗ではタブレット端末を活用しながら適切に接客できるようにするというソリューションだ。

関連特許も取得済みだという同サービスは既に250店舗以上での導入が成約されており、2017年までに3,000店舗での稼働が計画されている。今後はネット通販や問屋にまで適用範囲を広げていくことを考えている同社。最終的には消費者の購買志向を原料レベルにまで落としこみ、小売店はもちろんメーカーにまでフィードバックするシステムを目指しているという。

「ビッグデータ活用」はIT業界では非常に熱いキーワードとなっているが、膨大なデータを集めて分析すればすぐに成果につながるかというと決してそうではない。実際の業務プロセスに則した具体的な施策につなげることが何よりも重要だ。
先に述べたようにユニックス社は「業務の全体像やシステム化の目的を理解せずして開発することは一切ない」というポリシーをもつ。業界特有の業務プロセスに対する深い知見を持ち、顧客に寄り添いながらソリューションを提供することは、まさに同社が得意とするところ。これまで勝ち得てきた「信頼」を武器に、ドラッグストアを中心とした流通小売市場の拡大に貢献すべく、新たな挑戦を続けていく構えである。

「これからの流通業は情報と切り離しては考えられない。流通小売業を支援するシステムの開発・販売を通じて消費の活性化や経済の発展に貢献したい」--そんな志をもって設立された同社。創業者の想いは今も同社の基盤となっている。
2012年8月にはユニックス社100％出資の開発子会社をベトナムに設立。現地企業との提携ではなく100％子会社にしたのも「小売業務に精通したシステム作り」をオフショア先でも実現するためだという。
本社・子会社間での人材の相互出向も積極的に行っており、グローバルに活躍するチャンスにも恵まれている。

経営陣との距離も近く、役職に関係なく自分の意見を素直に主張できる風通しの良い社風をもつ同社。駿河湾と富士山を同時に望むことができる開放的なオフィスはとても居心地がよく、リラックスして仕事に取り組むことができる環境だ。
開発は全て自社内で行われているため、チームメンバーともコミュニケーションが取りやすく、わからないことは周囲に気軽に相談することができるのも大きな魅力である。

そんな同社が求める人材について、代表取締役社長の中田圭氏は次のように語る。
「国内の少子高齢化やアジア市場の重要性がクローズアップされる現代において、ビジネスパーソンには単純な『働き手』としてではなく、個性と付加価値が強く求められるようになっています。これからの社会を生き抜く上では、自分だけの武器を手に入れることが非常に重要です。ユニックスという組織に貢献していただきたいというのはもちろんですが、組織の枠を超えてこれからの社会に必要な人材に成長していきたいという意欲をお持ちの方に是非ご参画頂きたいと思います」

同社で働くうえでは、変化を恐れないチャレンジ精神と仮説・検証を繰り返す粘り強さが必要だという中田氏。決して楽ではないだろうが、消費者と接する最前線の流通小売業界は、今まさに「熱い」状態であり、ここでビッグデータ活用をはじめとする最先端のソリューション開発に携わることは、今後のキャリアにとって必ずや大きな糧となるだろう。

これまでの経験よりも「学習し、成長しつづけようとする姿勢」、「周囲の期待を超えようという気概」、「自分の存在意義を獲得しようというひたむきさ」を大切にしたいという同社。
市場価値の高い人材として成長したいという強い気持ちを持つ方、自分の個性と実力で流通小売業界に変革をもたらしたいという思いを持つ方に是非おすすめしたい企業である。