株式会社サンストリーム

ブロードバンドインフラの急速な発展を背景に、通信と放送の融合が注目され、本格的な映像コミュニケーション時代が到来したといわれる昨今。通信サービスの低価格化と、PC/携帯電話など受信環境の多様化により、インターネットによる映像配信は、「好きな時に」「好きなところで」「好きな映像を」見ることを可能にした。こうしたVOD(Video on Demand)システムの発展に大きく寄与するのが、ストリーミング技術である。<br /><br />従来、動画像コンテンツを視聴するためには、すべてのデータを受信するまで待たねばならなかった(ダウンロード方式)。電話回線など、転送速度の低い回線が主流の時代は、ストリーミング技術で動画像コンテンツを視聴には回線速度が低すぎたためである。データを受信しながら同時に再生を行なう「ストリーミング方式」は、ブロードバンド化を背景に、大容量の映像データの逐次再生を可能にする技術。その「ストリーミング方式」において、世界最高水準の技術を持つベンチャーが、株式会社サンストリーム(SANSTREAM)なのだ。

インターネットでの映像配信は、放送事業にくらべ低コストでの導入が可能なため、エンターテイメント、物販、教育、広告、IR、セキュリティ、コミュニティ・・・など、これまでは高コストで実現できなかった新たな分野への展開が期待されているビジネス。同社の主力商品"SANSTREAM ACQULIA"は、これらの新しい映像配信ビジネスを、最高のクオリティとコストパフォーマンスで実現させる、究極のストリーミング配信ソリューションシステムといえる。<br /><br />同社のシステムの最大の特長は、世界初のH.264方式による独自のソリューションを有していること。「H.264」とは、超高圧縮ビデオ符号化規格のことで、従来の「MPEG2」の4倍、「MPEG4」の2倍以上の圧縮率を実現できる最先端の規格である。携帯向け地上波デジタル放送の「ワンセグ」に採用されたことで、今高い注目を浴びている。<br /><br />主力商品の"SANSTREAM ACQULIA VOD"は、その高い圧縮率に独自技術のエンコーディングを加え、自社開発の専用サーバソフトを通じて配信を行うことにより、低ビットレート配信でも「高画質かつ高速」な映像再生を可能にしたうえ、フルスクリーン再生やHi-Vision映像配信まで実現した。まさにこれは、通信と放送を融合させる技術といえる。<br /><br />その他、不正コピーなどに対するハイレベルな著作権保護(DRM)技術を標準装備、最大32倍速の早送り・巻き戻し機能や字幕・音声多重への対応など、様々な機能も充実、トータルなストリーミングソリューションを低コストで実現させているのだ。<br /><br />同社の技術は、現状ではWebサイト上から映像を配信し、PC(Windowsのみ)で閲覧する利用法がメイン。しかし今後は、Mac OSやLinuxといったマルチOS対応や、本格化が予想されるモバイル端末向けの映像配信や、大画面・薄型テレビ向けのHi-Visionコンテンツ配信への対応を予定、さまざまなマーケットへの浸透が期待できる。著作権法改正が待たれるものの、テレビ番組についても高画質のままインターネット配信が可能となり、例えば、ほんの10分前のニュースや数年前のドラマなどがいつどこにいても自在に視聴できるようになる。<br /><br />さらに、カメラの映像をリアルタイムで配信するライブシステム"SANSTREAM ACQULIA Live"も積極的に展開しており、防犯対策として遠隔監視やコンサートなどのイベント中継が、放送設備を持たなくても低コストで行えるようになる。

一般ユーザーがストリーミングに身近に触れる場といえば、例えば、映画の予告篇。最近は映画ごとにWEBサイトが開設され、そこから予告篇を楽しむことができることが一般的になってきた。また、メーカーによるTVCMのWEB配信も増えている。著作権保護の観点から、ストリーミング技術での配信が主流になってきた。現在は、マイクロソフト社やアップル社が、それぞれWindowsやMac OSに対応するためのストリーミングソフトを開発し、無償配布している。事実上、この2社にリアルネットワークス社を加えた3社のほぼ寡占状態といえるわけだが、サンストリームは、そこに大きな風穴を開けようとしている。<br /><br />例えば、ある菓子メーカーでは、そのホームページ上では、TVCMを同社、Windows Media、Quick Time、のそれぞれで見る事ができる。その中で、「フルスクリーン表示専用」としてユーザーに推奨されているのは、唯一ACQULIAのみ。見比べてみれば、同社の技術力の高さは一目瞭然。「大画面、高画質、高速レスポンス」で他の方式を圧倒している。まだまだ知名度の面での課題は残るものの、だからこそ今後の成長に可能性が見出せるともいえる。あくまで技術オリエンテッドなベンチャーとしてその技術力に磨きをかけるとともに、収益をあげるためのマーケティング戦略が今後は課題となる。<br /><br />つい最近までは、マンションの1室(正確には二部屋間借りしていたが)をオフィスとして活動していた同社。快適なオフィスビルに移転し、経営陣を増強するなど会社としての体制も整った現在、確実に大きな飛躍のときを迎えている。さらなる高みを目指す技術者にとっても、またセールスやマネジメントを目指す人材にとっても、成功する高い可能性と草創期ならではの大きなチャンスや裁量を併せ持つ、数少ない会社といえる。新たな時代のスタンダードは、今まさに急成長を始めたばかりだ。