代表取締役社長　竹内 次郎氏

ご略歴をお教えください。

1980年に東京の工業系専門学校を卒業し、コンピュータマインドに入社しました。私は富山県の出身ですが、当時本社があった東京の中目黒に憧れがあったことが、当社に興味を持つ契機となりました。 入社後は、SESのエンジニアとして大手電機メーカーやITベンダーで仕事をし、1984年に現在の主力事業となる新聞の組版システム開発の現場に入ったのです。 それまでの新聞は、活字を組む方式で製版、制作されていました。鉛を溶かして活字をつくるので「ホットタイプ」と呼ばれていました。その現場では、火傷を負ったり、輪転機に接触して大怪我が多い職場でした。そんな現場が、オフセット（平版）による「コールドタイプ」の印刷方式に置き換わるようになり、事故が急減します。私はそのためのシステム開発に就くことになったのです。新聞製作現場の環境改善に繋がるこの仕事に、個人的に非常にやりがいを感じました。また、漢字を画面に表示する制御システムも面白くてのめり込んだのです。その後、社長から別の現場に移ることを要請されたのですが、意地になって断り続けました。若造なりに、酷かった労働環境をなんとかしなければならないという直情的な問題意識があったと思います。 そして、気が付いたら1994年に二代目の社長に就任することになったという感じです。

社長就任時、御社をどういう会社にしていこうと考えていましたか？ また、どの程度実現できましたか？

大きく2つのテーマを考えました。自社の労働環境の改善と、プロとして技術力を高めることです。 それまで、逼迫するスケジュールに追い込まれ、エレベーターの中で寝てしまうといったこともあり、いくら何でもおかしいと。そこで、それまでのSESを止めて100％請負契約に切り替えました。客先常駐のSESでは時間管理ができないだけでなく、帰属意識が高まらず技術力も思ったように向上させられなかったからです。そこで、受託開発に変え、お客様にゆとりをもって開発できるスケジュールを交渉したのです。それ以来、主体的に業務を行い、技術力やサービス対応力を高めていけました。 今では、遅くとも19時には全員が仕事を切り上げて帰れていますし、プロ技術者集団という面では、主要取引先であるICTベンダーの責任者が社内に対し「困ったら竹内さんのところに相談しろ」と言われるような存在になることができています。 これまで、当社の社員の中にはエンドユーザーである新聞社に引き抜かれた者が何人もいます。当社としては痛いことですが、それだけの人材を育成したことの証として、お客様の信頼に繋がっているとも受け止めています。求職者の方には、当社はそうした人材になれる環境があると申し上げたいと思います。

そのために社員に対して期待することや、社員が御社でどんな人生を過ごしてほしいか、思いをお聞かせください。

これまでは、役員以下管理職に「俺を真似ろ」と言ってきました。やるべきことをやって早く帰るスタイルを身に着けてほしかったからです。社員に対する思いとしては、仕事とプライベートのメリハリをしっかり考えてほしいということがあります。プライベートの充実が、仕事で頑張れる糧になるからです。自分自身、プライベートで培った人脈が何かと仕事で生かせているという成功体験もあります。

竹内さんの仕事観をお聞かせください。

若い頃は“戦争”でした。忙しいということもありますが、いかに戦って勝つかということに集中していました。 今はゲームのような感覚があります。どこに資金や人材を投下し、事業を進めれば勝てるかを考える。そんなゲームを楽しんでいる感覚です。

オフタイムは、どういった過ごし方をしているのでしょうか？

高校時代までは“サッカー馬鹿”でした。サッカーのことしか頭になく、明け暮れていましたね。でもハイライトは県大会の準優勝で、全国大会へは行けませんでしたが。そして今でも自宅から遠い千葉県柏市の中高年サッカーチームに加わり、月2回ボールを蹴っています。ポジションはサイドバックで人一倍走ることが要求されますが、要領よくやっています。 私は今64歳ですが、そろそろ後継者への承継を意識し、思いを託す準備を始めているところです。そして、今後はオフタイムを増やしていきたいですね。