これまでのキャリアについて教えてください。
高校時代に有機化学の勉強をしていたこともありJPS製薬という会社に入社したのですが、1年ほどで退職し、知り合いの紹介で東京工業大学の研究協力課という部署で働くことになりました。研究者の人たちの活動をサポートする業務で、そこで初めてコンピューターのプログラミングに出会ったのです。コンピューターの勉強をさせてもらいながら、アマチュア的なSEとして仕事を始めました。 結局、東京工業大学には4年ほど在籍したのですが、仕事を通じてコンピューターの世界に興味が増していく一方、あくまで研究者の仕事をサポートするのが自分の役割であり、ここでは自分自身が主役になれるような仕事はできないことにも気づきはじめました。人によって仕事の価値はさまざまだと思いますが、自分はそのような立場で仕事を続けることに満足を得られなかったのです。 そんなときに出会ったのが、後にカテナと合併することになる日本ソフトウエア開発という会社でした。本格的にプロのSEとして仕事を始めたのはそのころからですね。
キャリアの多くを占めるカテナ時代に得たことは?
金融機関向けの仕事などを担当させていただいたのですが、SEとしての具体的なスキルやノウハウ以上に、お客様から信頼されることの大切さを学びました。 最終的にお客様の業務を滞りなく動かすことが使命です。そのためには、出来るだけ早い時期にお客様から具体的な業務の内容について教えていただける関係を築き、そこから自分たちが何を提供できるのか考えていく姿勢なくして、お客様から信頼を得られないと思います。
将来的に実現したいアドバンスト・アプリケーションの「青写真」は?
青写真と言うと大袈裟かもしれませんが、2005年に当社幹部との話し合いにより経営理念を策定しました。この経営理念は「お客様志向」、「独自能力の追求」、「社員重視」、「社会との調和」の4点を謳っており、当社が経営を行う上での「座右の銘」となるものです。 当社が主軸とするシステム開発の仕事は、一歩間違うと自分たちの技術こそが絶対的であると過信し、お客様の存在を無視した自己満足の世界に陥りがちです。特に「お客様志向」を第一に掲げたのは、お客様の視点に立った品質と長期にわたり良好な関係を築くことにこだわり、単なる技術屋にならないようにとの戒めの意味が込められています。 経営理念の達成に向けては、現時点においてまだ道半ばという表現が正しいと思います。ただし、法令を遵守し、企業倫理を大切にする「社会との調和」については、不備があれば企業としての存続すら問われる事態になりますので、常に100%の達成度を追求していきます。
社員の方々に対する想いを教えてください。
私は当社の経営を行う上で、何よりも社員一人ひとりの力が一番のエネルギーになると考えています。経営理念の一つとして「社員重視」を掲げているのも、そうした気持ちの表れです。 当社は、社員数が200人規模の会社でありながら、外部の専門企業の助言を仰ぎつつ、大企業とそん色のない福利厚生制度などを整備しつつあります。特にSEの仕事は一般的に激務のイメージが定着しており、心身の健康維持は難しいと言われていますが、当社では最大限のサポート体制を作り上げようとしています。 当社には、社員一人ひとりが安心して働ける環境が整っていると自負していますので、臆することなく扉を叩いていただければと思います。
プライベートな時間はどのように過ごしていますか?
休日は、30代後半から始めたゴルフのほかに、パソコンを組み立てたり、写真の撮影を楽しんだりしています。 パソコンについては、それを使って何をするというわけではなく、組み立てること自体に楽しみを見出すタイプ。写真も被写体や構図へのこだわり以上にカメラそのものに興味が強いですね。メカ的なものに心が惹かれてしまうところは、長年SEとして仕事をしてきたことにも、どこか通じるかもしれません(笑)。