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株式会社三共

  • 不動産・建設系
  • 製造・メーカー系

IT化推進。建設足場資材の製造から施工まで。業界トップクラスの老舗企業

自社サービス製品あり
残業少なめ
カジュアル面談歓迎

企業について

株式会社三共は、建設業界の中で、足場に専門特化したビジネスを展開している会社である。

足場とは、建築工事の高所作業を行うために、作業員の足がかりとして仮設する構造物を指す。建築工事現場では不可欠なものだ。現在、建築工事現場で主に使用されている足場は、大きく分けると2つのタイプがある。1つは中高層建築物に適した“枠組足場”と呼ばれるタイプだ。予め決まった形に組み立てられた足場材を縦に積み上げたり、横に繋げたりして、組み立てていくものだ。クレーンで吊り上げて作業をするため、高層ビル等、巨大な建造物の建築現場では効率良く設置ができる。もう1つは、低層住宅の建築現場で使われる“くさび緊結式足場”と呼ばれるタイプだ。鉄パイプの支柱に設えられた、ポケットと呼ぶ緊結部品に、手すりや筋交い等を、ハンマーで打ち込んで組み立てていく。柔軟に形状を組み換えられるため、ひとつとして同じデザインのない低層住宅の建築現場には最適な足場資材である。

同社は、この主要2種類の足場のうち、後者の“くさび緊結式足場”のパイオニア的な存在である。国内で“くさび緊結式足場”が普及していなかった1984年に、足場仮設材の販売を開始。現在は、『TOBILINE』を軸に、製品開発販売と、施工サービス、2つの領域で事業を展開している。建設業界では、資材のメーカー機能と、施工会社としての機能を持つ会社は珍しい。“くさび緊結式足場”を扱う企業の中でも、メーカー業と施工サービス業の2事業を、一気通貫で展開している企業は限られている。特に全国規模で事業を展開しているのは、同社を含めた複数社のみだ(2023年4月現在)。いずれも同じ1980年代に“くさび緊結式足場”の生産を開始しており、それぞれの特長を伸ばしながら発展してきた。

その中で、同社の特徴は、建築現場の職人(“職方”と呼ばれる建築作業員)を優先的に考える事業方針だ。特に製品開発では、現場で働く職人の視点に立った安全性と使いやすさを追求している。執行役員・勝元剛氏が、自社製品のこだわりを語る。

「通常、足場材は職人がトラックに積んで現場へ向かいます。家1軒を建てられる量の足場材を4.5tトラックに積むと、荷台からはみ出し、過積載になてしまいます。弊社は、他社製品と比べるとコンパクトに積めるように荷姿を設計しています。同時に軽量化を実現し、職人の負担軽減、安全性の確保に努めています」

このような製品開発のヒントをもたらしているのが、もう1つの事業の柱、施工サービスだ。全国に専門工事営業拠点を24構え、大手ハウスメーカーを主要顧客層としてサービスを提供している。自らが施工サービスを行うことで、建築現場のニーズを汲み取り、製品開発やマーケティングに活かしているのである。

同社は1963年1月、大阪府内で創業した会社で、2023年1月、60周年を迎えた。足場材補修からスタートして、1972年には、業界に先駆けた足場用仮設機材のリース事業等を手掛け、着実に業容を拡大。1983年には東京営業所を開設し、全国展開の下地を固めていった。1984年に、くさび緊結式足場の製造・販売を開始した当初から、“職人目線”をコンセプトに製品開発を行っていたが、そのコンセプトをより深めるため、1996年にくさび緊結式足場架払レンタル事業を開始。それをきっかけとして、拠点展開を積極化し、現在のハイブリッド型の事業スタイルを完成させたのである。

この間、足場業界も技術革新が進み、中高層建築で用いられてきた“枠組足場”と、低層階住宅に適した“くさび緊結式足場”、それぞれの長所を利用して開発した次世代足場が登場している。中高層、低層住宅、どちらでも使えるというメリットがある。同社も、これまで足場仮設資材メーカーとして培った技術力を生かし、2018年には次世代新型足場『TOBILINE(トビライン)』を発売している。従来の『SEVEN ASHIBA』同様、職人の視点を取り入れ、軽量化と強度の両立を、独自の技術で実現した製品である。競合製品が48.6φの太さの鉄パイプを使用しているのに対し、同社は42.7φのパイプを使用している。当然、パイプの太さが変われば強度も変わるが、研究を重ねて、競合製品と比較しても遜色のない強度を実現し、グッドデザイン賞(2018年)を受賞している。

以上のように建築の足場仮設に特化した事業展開を行い、全国で上位に名を連ねる同社だが、これまで貫いてきたのはシェアを意識しない事業展開である。基本的に足場業界は、地域密着型の小規模な事業者がひしめく業界だ。その中でシェアを意識した営業をし始めると、価格競争に陥る結果となる。そこで同社は、全国規模で事業を展開している顧客、または、コストよりも質を重視する顧客をターゲットとした営業展開を維持しているのである。

「価格競争になれば数をこなす必要が生まれ、事故を引き起こしたり、職人の労働環境が悪くなったり、社員の長時間労働になったりと、問題が出てくることはわかりきっています。そのためシェアは意識せず、確実に利益を取る経営方針を採っています」(勝元氏)。

同時に、特定の取引先に依存しない営業スタイルも貫いてきた。特に施工サービスの場合、大手住宅メーカーの案件を全て受けることは規模的にも不可能なこともあるが、複数の取引先にリソースを配分することで、リスクヘッジにも繋がっている。少子高齢化が進み、新築着工数が減る中で、これらの方針を維持することで、経済状況に左右されない経営の安定性を確保してきたのである。

さらに、2021年には土木分野にも進出している。現在、国内では高度成長時代に整備が進んだ社会資本のメンテナンス需要が拡大している。その中でも特に、同社が着目したのは河川に架かる橋や道路の高架橋である。これまでに培った足場技術を活かしパネル式システムユニット吊り足場工法『TOBISLIDE(トビスライド)』を開発し、本格展開を始めたところだ。

既存の事業に留まらず、新たな事業分野にも積極的にチャレンジする同社。社内に向けても、ITを活用し、業務改善に取り組んでいる。もともと設計用の図面や仕様書等、紙の文書を中心に業務が廻ってきた建築業界も、労働力不足やコスト削減といった課題からは逃れられない。同社は2010年代後半、情報システムチームを新設し、社内の業務を少しずつデジタルに置き換えてきた。現在は、営業社員から事務員までの従業員全員がスマートフォンとノートパソコンを持ち、営業支援ツール、グループウェア、Web勤怠管理等も導入してIT活用が始まっている。さらに、今後に向けては、本格的なペーパーレス化を目指し、全拠点のシステム化を推進しようとしている段階である。

「長期的には製品開発や製造、施工といった事業部門のDXに取り組むことも視野に入れています。例えば、基幹システムと連携する施工作業実績アプリ等は社内向けに開発して、将来は外部に展開することも考えています。まずは外部環境の変化に合わせ、スピード感を持ったシステム導入や改修をし、自社内で行える体制を構築し、次のステップを目指したいと考えています」(勝元氏)。

現在、情報システムチームは5名だが、プログラミングができるSEは不在で、開発自体は外部に委託している状況だ。今後は、よりタイムリーに計画を遂行していくため、内製化を目指した体制作りに注力中だ。

同社の魅力は、重層下請け構造の建築業界にありながら、元請け(発注者)に従属するのではなく、あくまでも対等な関係での取引を行っているところだ。単なる下請け事業者ではなく、言うべきことはしっかりと伝えることで、顧客との対等なパートナーシップを築きながら、信頼を獲得してきたのである。

それは外部に対してだけではない。社内の組織作りでも、指揮系統はしっかり定めつつ、複雑な重層構造や部門間の壁を作らずに、フラットかつオープンな関係を目指した組織作りを行っている。約300人の組織で、上司、部下の垣根を感じさせないコミュニケーションが実現している。

同社が職種を問わず社員に求める要素は、「自ら情報を収集できる」「質問ができる」「健康であることを大事にする」の3つだ。向上心と好奇心を持ち、新しい知識を身に着けることに貪欲に取り組むことを求めている。学習意欲を持ち、積極的に取り組もうとする人材に対しては、外部講習の受講や資格取得等の支援も惜しまない。

足場はニッチでありながら、建設業界では不可欠な専門業種であり、毎年60兆円の投資が行われている巨大かつ安定した市場である。その安定性の下、2人目までは1人1万円、3⼈⽬からは1人2万円が支給される子供手当、最大8割まで会社が負担する社宅制度等、充実した福利厚生制度を整備していることも同社の魅力だ。安定した事業環境を背景に、ICT化、DX等、新たな世代に向けたチャレンジを始めている同社。求められるのは、その取り組みの先頭に立って牽引していける人物である。

募集している求人

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企業情報

会社名

株式会社三共

業界

不動産・建設系 > 建築・土木・設計

製造・メーカー系 > その他メーカー系

不動産・建設系 > プラント・設備管理・建材

企業の特徴
カジュアル面談歓迎、自社サービス製品あり、残業少なめ
資本金

9,000万円

設立年月

1972年04月

代表者氏名

真田 孝範

事業内容

建設仮設機材の製造・販売及び賃貸

株式公開(証券取引所)

従業員数

290人

本社住所

大阪府大阪市北区西天満4-4-13 三共ビル梅新

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