石澤 愛 代表取締役 1975年生まれ。工学部機械工学科を卒業後、大手機械メーカー企業に新卒入社し、開発部門で設計業務を担当する。その後、出産を機に退職。キャリアを再開した後に大手ゼネコン企業での業務を経て、2018年に同社を設立した。

ご自身の経歴について教えてください。

私は高校生の頃から物理が好きだったため、大学は地元の大学の工学部機械工学科に進学しました。大学時代はAIの研究室に所属し、大学で学んだ知識を実際の生活に活用したいという思いを持つようになり、新卒で機械メーカーに入社しました。その企業では開発部門に所属し、主にプリンターの設計を担う業務を担当しました。 その後、出産を機に退職し、一時期は専業主婦として生活していましたが、後にキャリアを再開、中小企業の開発設計や大手のゼネコン企業での業務、システム開発の業務も経験しました。企業を退職後、様々なご縁もあり自身の知見を生かした企業を設立したいと考えたことから、2018年に当社を設立しました。 また正社員から出産退職、専業主婦、派遣社員をしながら子育て、そしてまた正社員へと生活のシーンが変わる中で働く環境の大切さを痛感。社員に優しい働きやすい環境を提供することがまず一番の企業の責務であると考えています。

御社の事業の特徴はどのようなところにありますか？

企業ごとに異なる課題や要望に、柔軟に対応できる部分に強みがあると思います。また、メタバースやデジタルツインに関するソリューションは、シミュレーション環境にのみ対応する、というものが多いのですが、当社では実際の“モノ”と連携し、仕事に直接的に生かせる最新技術を提供しています。そこが強みになっているのではないでしょうか。 ロボティクス、自動運転等の課題を解決する開発企業では、開発済みのパッケージ化されたシステムを提供するケースが多いと思いますが、その際にはカスタマイズする幅が狭くなってしまうというデメリットが生まれてしまいます。当社では、クライアントの要望に応じてゼロからシステムを構築する、あるいはカスタマイズ性に優れた自社パッケージを提供するという形で、最適な課題解決を実現しています。そうしたフットワークの軽さも、当社の強みの1つだと思っています。

自社のマネジメントに関して、心がけていることはありますか？

メンバーたちに接する際に心がけているのは、個々の考えや発想を最大限に重視する、ということです。 技術職のメンバーだけではなく、事務職などほかの職種を担当するメンバーに対しても、その人自身の「こうしたい」という思いを尊重するようにしています。技術職に関しては、実際に開発に取り組む人の考え次第で成果も変わってくると思っていますので、現場で業務に直接関わる技術者の個人の発想、アイデアを大事にしています。 当社では、アジャイル型で開発に取り組んでいますので、開発者の自由度が高くないとスピーディな開発ができず、また新しい機能を追加する際の進捗が大きく影響を受けてしまいます。現場で業務に取り組む技術者の思いを優先することで、クライアントの希望や企業課題にマッチした解決策を提供できると考えています。

ご自身が業務に取り組む上で大切にしていることはありますか？

何よりも大切にしているのは、企業課題に沿ったシステムを構築できているか、クライアントが「欲しい」と思ったものを実現できているかを常に意識することです。 企業ごとに抱えている課題はさまざまなものがありますし、それに応じて要望も多様なものになりますが、それらに対して最適なソリューションを提供することが私たちの役割です。もちろん、要望に沿う既存の自社システムがなければゼロからの構築に取り組みますし、パッケージ化された自社のシステムが最適だと判断すればそれをご提供しています。 この考えは、当社のメンバーたちにも浸透しています。クライアントの要望をしっかりとヒアリングし、最適なソリューションを提供することを心がける。その提供に際して必要なことを常に考え業務に取り組む。そんな共通の姿勢が当社にはあると思っています。

今後、ソリッドシステムズをどのような企業にしていきたいですか？

メタバースやデジタルツイン、ロボティクスといった技術を駆使したシステム開発に関しては、これから一層必要とされる分野であり、同時に発展していく分野だと思っています。その便利さはもちろん、仕事に生かせるツールとしての魅力を途絶えさせることなく、さらに進化した形で提供していきたいです。 要望に対して柔軟に対応していくことは、社会にある業務はもちろん、人々の生活にも影響していくもの。その開発に関する対応を充実させることは、社会への貢献にもつながっていくのではないでしょうか。 またビジネスを運営していく上では、売上向上や規模拡大ありきではなく、働く社員の環境や気持ちを優先する企業でありたいと私は考えています。社員たちが心地よく働ける環境があることで、提供するサービスがより充実する。その結果、社員と企業の成長が両輪となって発展していく。そんな姿を、当社では目指したいと思っています。