Cotofure株式会社

Cotofure（コトフューレ）株式会社は、少子高齢化・生産労働人口の減少という社会課題に対して、AIを用いたプロダクトやソリューションで社会貢献を目指す、AIソリューションカンパニーだ。画像認識と動画解析に強みを持ち、今後は研究開発中の音声・話者認識等、AI活用の領域を画像以外にも広げていく。AIの社会実装が進む中で、同社は「AI+α」によって、未来に繋がるビジネス展開を推し進める。
主力事業は、大手企業のプライムベンダーと自社プロダクトの二軸。
プライムベンダー事業では、大手通信グループや大手ヘルスケア企業等のプロジェクトを上流工程から下流工程まで一貫して手掛ける。
自社プロダクト事業では、保有するAIテクノロジーのノウハウを活かして、SaaSソリューションの本格展開に向けて動く。同社は原動力となる新たな人材を迎え入れて、成長速度を加速する。

代表取締役社長CEOの髙橋豊志氏は、モバイルコンテンツ事業会社や通信事業ベンチャー等で取締役を歴任した人物だ。豊富なビジネス経験を重ね、株式会社カタリナ（Cotofure株式会社の旧社名）の経営に参画した。2015年の設立当初は、音響通信サービスのアプリ・サーバー開発をはじめとしたシステム開発を行っていた。その中で映像AI技術に磨きをかけ、2018年にソフトバンク株式会社と業務提携契約を締結する。
その後、ソフトバンクのAIテクノロジーパートナーとして認定される等、映像・画像解析を得意とするAIソリューションカンパニーとしての地位を固めていった。
2020年にはサービス領域の拡大を目指し、ヘルスケア事業を展開するH.U.グループホールディングス株式会社と資本提携を結んだ。
同時に受託開発を通じて蓄積した知見と技術を活かして、自社AIプロダクト開発を開始。こうして、現在に繋がる事業ポートフォリオの基盤をつくり上げていった。

AIの技術が身近になりつつある今、同社はより多くの業界・業種・消費者へ向けて価値を届けていくため、開発体制の強化に努めている。
2022年10月にはConnect to the future（未来へつなぐ）に由来するCotofure株式会社へ社名を変更し、AIソリューションカンパニーとしての決意を新たにした。ミッションに「すべての人々に愛(AI)を。より豊かで便利な世界を提供し、人生が変わる瞬間をもたらす」を掲げ、IPOも視野に入れ第二の成長フェーズに突入した。

取締役COO田口英貴氏に話を聞いた。
「受託事業は大手企業のプライムベンダーとして、上流工程から下流工程まで一貫して請けています。例えば、大手ヘルスケア事業会社のプロジェクトでは、事業計画段階から参画し、サービス定義等のディスカッションを重ねていきました。そのようにして開発に携わったクリニック向けの業務効率化SaaSとパーソナルヘルスレコードアプリは、ユーザーの声を反映しながら日々ブラッシュアップに努めています」（田口氏）。
大手クライアントとの密接なリレーションを活かし、超上流である企画・構想フェーズから携わっている。PMやエンジニアにとって、クライアントと直接対話を重ねながらプロジェクトを進められる点は大きなやりがいだろう。

また強みである映像・画像解析AI技術を活かした受託開発も特徴だ。
「人気アニメのカプセルトイをスマホカメラでスキャンすると、アプリ内にコレクションできるという機能の開発に関わりました。これは当社のプロダクトであるAI顔ぼかし加工サービス『HiFacE(β)』の技術を転用した事例です。このように、受託開発で培った知見を自社プロダクト開発に活かし、自社プロダクトや保有テクノロジーを受託開発に転用するという良い循環ができています」（田口氏）。
現状では受託案件の比率が高いが、今後は自社プロダクト事業の比率を高めていく考えだ。同社のエンジニアは、受託と自社プロダクト両面に関わるため、幅広い業種や分野での知見・経験を得ることができる。

田口氏は「AIは技術調査やPoCフェーズから、社会実装が進み、一般化するフェーズに入りつつあります。当社も強みの映像・画像解析AIを世に出していくと共に、音声認識や対話エンジン、AIコア技術へと領域を広げるため研究開発を積極的に進めています。AIに付加価値をプラスしたコンシューマ向けのSaaSを展開していき、売上のトップラインを10倍・20倍へと高めることが目標です」と力を込める。
目指すのは「AIと言えばCotofure」と言われる、AIソリューションの代名詞となる会社。数年以内にはビジョンを実現し、多くの人の生活に豊かさをもたらす存在になりたいと話す。

開発体制は正社員をコアとして、内製化率を高く保つ。ただし、自社でノウハウを蓄積していきたい考えをベースに持ちつつ、プロジェクトに合わせてベトナムのLaboratory・フリーランス・副業人材を組み合わせてアサインすることも増えている。
働き方は、対面でのコミュニケーションを重視しつつも、リモートでの稼働を導入することにより、多様な選択ができるよう出社とリモートのハイブリッド。
田口氏は「コロナ禍で働き方が変わり、今は過渡期だと捉えています。今後のプロジェクトの形や働き方をどうするべきか検討中ですが、いずれにしても柔軟な仕組みを取り入れ、働きやすくスキルを磨ける環境づくりを進めます」と話す。

田口氏からは、自由と自律というフレーズが幾度となく聞かれた。細かいことは言わないので、自分で考えて決めたプランを実行して、伸び伸びと仕事してほしいという。積極的な提案を歓迎し、チームが同じゴールへ向かってディスカッションしながら進むアジャイルな組織だ。
「同じ釜の飯を食うという感覚で、一丸となり協力し合いながら進めています。そのため『自分の仕事の領域はここまで』というウォーターフォール的な思考の人だと合わないでしょう。各人を尊重して意見に耳を傾ける風土なので、どんどん意見を出してもらいたいです」（田口氏）。
活躍しているのは、何事もポジティブに捉えて、逆境も楽しめるタイプだ。活躍に対しては「利益分配金」という名目で、しっかり還元する仕組みを導入している。

責任者は定期的に、全社員と1on1を実施して、課題や不安等を吸い上げるよう努める。
「近い距離でのフラットな対話を通して、メンバーがモチベーションを維持できるよう気を配り、盛り上がる雰囲気づくりを心掛けています」との言葉通り、活気に満ちた社内の明るさが印象的だった。
社名変更の際は社員から新社名を募り、50～60近い候補の中から投票で決定した。経営陣に与えられたのも同等の一票だということからも、フラットな関係性がうかがえる。

田口氏は「IPOを目指しており、ストックオプション制度もあります。貢献に対して報いる仕組みを用意していますし、他にも入社を後悔させない取り組みを考えています。一緒に仕事を楽しんで、一緒に成長できる方。そして、目的意識を持った方が応募してくださると嬉しいです。お待ちしています」と応募を呼び掛ける。AIという成長領域において、最新技術やトレンド、エンタメ要素等を「+α」して独自性を発揮する同社。少しでも関心を抱いたならば、まずは話を聞いてみてはどうだろうか。