代表取締役社長CEO　前田 章博氏

ご略歴をお教えください。

高校時代にインターネットが好きになり、趣味でホームページをつくるようになりました。そんな頃に、あるSIerがWebサイトをつくるアルバイトを募集しているのを見つけ、応募したのです。その仕事が非常に面白く、2000年に高校を卒業した後はそのまま正社員として入社しました。大学の夜間部に進学し、昼間働いて夜通学する生活を始めたのですが、仕事の面白さにハマって大学には通わなくなり、結果的に1年半で退学してしまいました。IT業界にあるあるのストーリーだと思います。仕事としては、当初はプログラミングもしていたのですが、緻密な作業が不得意で会社からは営業をやるように言われ、そのうちプロジェクトマネジメントも任されるようになりました。 仕事をしていく中で、ITの世界はWeb化が進展していくものの、企業の業務システムはまだまだ従来のクライアントサーバ型等が主流で、業界では「業務システムはネット上で動くことはない」という概念が支配的だったのです。しかし、Web化の潮流は業務システムでも間違いなく主流になると確信していた私は、そんな保守的な概念を打ち破りたいと思っていました。そんな思いが2008年3月に26歳で当社を創業したことに繋がったわけです。

創業当時、どんな会社をつくろうと思っていましたか？また、設立して15年経ち、どんなことを成し得ることができましたか？

創業したのはリーマン・ショックの直前で、既に数多く存在していたIT企業が最も元気な頃だったと思います。そんな群雄割拠するデジタルの世界でもひときわ輝く存在を目指そうと、「ビットスター」という社名を付けました。 一番やりたかったのは、ITインフラのライフタイムを一貫して提案・提供することを通じて、お客様の事業を継続的に支援すること。そんなサービスを提供するIT企業は、ありそうでなかったからです。現在の当社の事業そのものですが、これを実現させるには、インフラ構築や運用、アプリケーション開発、Webデザイン等、あらゆる領域のプロフェッショナルを一通り、最低でも30人ほどは抱える必要がありました。これを徐々に整えていき、丸5年経ったあたりでようやく最低限のパーツを揃えることができて、やりたかったビジネスモデルの端緒につくことができました。「さあ、これからグロースするぞ！」と気合を入れたことを覚えています。 そこから10年ほど経った今、社員数は100名まで増え、拠点も東京、大阪、福岡に展開させることができました。お客様に対して初期の構築や開発から保守運用までトータルにサービスを提供しているので、お客様が減ることはほぼなく、さらにお客様から他社をご紹介いただくので顧客数は増える一方です。当社は営業活動も特にしていません。それで100人の社員が十分生活していけるだけの仕事に恵まれているのは、評価されていることの証だと自負しています。

今後のビジョンをお教えください。

今考えているのは、当社は他の都市に拠点展開してはいますが、“北海道×デジタル”をテーマにできることを模索していきたいということです。地域固有の課題解決や、ロケーションの特性を生かしたライフ&ワークスタイルの追求といったことです。特にコロナ禍で鮮明になりましたが、生活の質を高めるには都会より地方の方がやりやすいように思います。好きな場所で働き、豊かに生活できる企業の姿を示すことで、既成概念に一石を投じたいという感じですね。実は現在、新卒採用のための動画を作成しているのですが、その中に北海道の地でのワーケーションのシーンも盛り込んでいます。そんなライフ&ワークスタイルの魅力を発信し、優秀な人材を集めてさらなる成長に繋げていきたいですね。

社員に対して、どういった存在になってほしいかの思いをお聞かせください。

ジョブポストに固執したり惑わされることなく、あくまでも “お客様起点” で仕事に取り組んでほしいと思っています。つまり、「自分は●●だからそれはできない」という自分起点の閉じた発想ではなく、「自分のジョブを手段として、お客様のために何ができるか」というポジティブな発想をしてほしいということです。 また、そういった仕事は大事ですが、プライベートはもっと大事です。介護や育児が必要であれば、そちらの方を優先すべきと考えるので会社は全面的に支援します。それがチームで補い合いながら働くことを重要性している要因にもなっています。また、最大限デジタルを活用して働くことで、時間や場所の制約をクリアさせていきたいですね。

前田さんの仕事観やオフについてお聞かせください。

自分にとっては生活の一部です。自分にできることとして、テクノロジーを使って社会をより良くすることへの貢献を常に意識しているつもりです。また、いい仕事をするためにも、いいオフタイムを過ごしたいと思っています。ちなみに私はテニスやゴルフ、登山等もっぱらアナログな趣味を満喫していますが、北海道中をハックしてやろうと思っているんです。妻と小学6年の娘ともよく出掛けますよ。娘も完璧なアウトドア派で、冬はスキーやスノボに連れ回されています。