ブライザ株式会社

技術者派遣・労働者派遣・職業紹介といった人材系事業のほか、請負・受託開発といった技術業務アウトソーシング事業を展開するブライザ株式会社は、約20年前の2003年3月に「株式会社オーエスピー」として設立された。その後、2004年にエンジニアリング領域へのビジネスにも進出。2018年11月に現社名に変更後、2020年12月には製造スタッフ派遣の事業をグループ会社として分離し、現在はエンジニア派遣を主力事業とするアウトソーシング専門企業となっている。

同社の事業展開における強みの一つが、自動車の領域にアドバンテージを有していること。特に車載バッテリー関連の業務についての専門的知見は他社の追随を許さず、国内大手自動車メーカーから直接受注する形で自社の力を発揮している状況にあるという。その同社が、将来を見据えたビジネス戦略として現在注力しているのが、IT分野でのエンジニア派遣という新たな事業である。同社の取締役である山下文寛氏は、その取り組みについて次のように説明してくれた。

「これまで当社では、基本的には機械・電気といった業務領域に関するビジネスを展開してきましたが、今後の日本における産業発展を見据えた結果、IT関連業務の領域にチャレンジすることになりました。実績として、当社には製造業を中心に約140社の企業を顧客としていますが、その多くからITエンジニアの派遣ニーズを頂いています。今後は、各企業がDXを推進していく状況もありますので、その声に広く答えていきたいというのが当社の考えなんです」（山下氏）。

これまでの実績から、同社はオーダーする側である顧客企業から高い評価を得ており、IT化やDX推進といった経営課題を解決するパートナーとしての高い期待が寄せられている状況だという。培った技術力をベースとしながら、新規事業としてIT領域に進出した同社に、数多くの依頼が寄せられるのは、いわば自然な流れと言えるだろう。

「当社には、長年の実績を基盤とした安定性だけではなく、様々な分野の領域を開拓してきた歴史があります。そのチャレンジ精神に加え、幅広いニーズにお応えすることができる“総合エンジニアリング企業”としての強みもあるので、その力をIT関連の開発業務でも発揮し、新たな自社の柱としながらさらなる安定を図りたいと、私達は考えているんです」（山下氏）。

今後の展開について、同社ではIT関連のエンジニア数を2024年には約2倍の規模に拡大することを目指しているという。そのエンジニアの派遣先となる企業への営業活動も、既存顧客である製造企業だけではなくSIer企業、そしてIT事業会社等も対象としながら、積極的な展開を始めているということだ。エンジニアに対する実際の案件アサインに関しては、「その技術者の成長を重視する」という考えを基に行っていると、山下氏は断言している。

「そのエンジニアの経歴を踏まえ、本人が目指す姿やキャリアの方向性を考えながらプロジェクトを選定しています。もちろん、経験が浅いエンジニアには段階的なステップアップが可能になるアサインを行いますし、成長する意欲をこちらに伝えてもらうことで、ベストなキャリアアップへの道筋を提示できると思っています」（山下氏）。

同社においてエンジニアとして働く上で、最大の魅力となるのは大手企業の情報システム部門等、ユーザーに近い現場での開発に取り組めるという部分だろう。実際の製造現場やサービスシステムを生み出すリアルな現場において、自らが開発したシステムが実際に使用される場面を見ながら業務に取り組めることは、成長を目指す技術者にとって大きな価値があると言える。そして、同社の環境にあるもう一つの魅力が、プロジェクトに関わる担当者、アサインを行う担当者達の、IT業務への理解の深さだと、山下氏は語っている。

「技術に関する知見がない人材や、業務理解の浅い人材を担当者として配置することがないため、 “話が通じない”“現場業務に関する悩みを理解してくれない”という不満を感じることが少ないと、当社のエンジニア達は実感しているようです。経験が豊富な営業や担当者と良好なコミュニケーションを交わすことができる環境があるため、エンジニア達が自身のキャリアパスや現場業務への理解を得ながら意欲的に働くことができる環境になっているということだと思います」（山下氏）。

自分なりのキャリアステップを描くエンジニアの思いに寄り添い、成長への道筋を理解できる担当者と共にプロジェクトに取り組めることは、技術者にとって大きな魅力になるはず。また、独自の教育研修プログラムも用意されている同社では、スキルの習熟度に合わせたカリキュラムを段階的に受講できるほか、豊富なメニューを揃えたeラーニング等の方法でステップアップを目指せるという。理解ある担当者と共に業務に取り組める喜び、そして自身の着実な成長を新たな事業部門の飛躍に繋げられる喜びが、同社の環境にはあるということだ。

エンジニアの成長を重視し、その活躍を自社の成長に繋げる。そんな思いを体現しながら、新たな事業分野に挑戦する同社には、どのような社風が根付いているのか。山下氏は、自社の掲げる行動指針、そしてその指針によって行動することで実現する社員の姿について、次のように語ってくれた。

「当社では、“探求心”“気づき力”“創造力”“適応力”“公正力”という、五つの項目からなる行動指針を掲げています。これらの指針に基づいて日々の業務に取り組むことで、質の高い成果を出すことができると考えていますし、その結果として社員達が“共に輝く”という社風を生み出しているということも実感しています。営業部門の社員、技術者、経営陣等、一部分の人間達だけが充実するのではなく、高い意識で事業を展開しながら、お互いがぶつかることなく一緒に幸せを感じる。そんな空気が、当社には存在していると思っています」（山下氏）。

現場の業務に取り組む中で成長意欲が高まり、より上のレベルの仕事を担当したいと考えるようになる。そんなエンジニアに対し、同社では希望する環境を手にするためのサポートを徹底して行い、時にはクライアントとの折衝に臨む営業がエンジニアを同席させながらその思いを伝えることもあるという。そんな一体感を支えるのが“共に輝く”という思いであり、その思いを社員が共有していることが同社の社風をつくり出しているということだろう。こうした特徴に加え、同社独自の理念や共通意識が、IT領域のビジネス展開という新たな挑戦を支えていると、山下氏は語ってくれた。

「当社では、『人と企業を信頼で結び、無限の可能性に挑戦する』という企業理念を掲げています。これまでにないIT事業を成功させるという現在は、まさに無限の可能性に挑戦している状況にあると思っていますので、そこにやりがいや喜びを感じていただきたい。長年の実績という“安定性”を基盤としながら、新たな“チャレンジ”に取り組む当社で力を発揮していただき、ご自身のステップアップや成長を実現していただきたいですね」（山下氏）。