株式会社ユニヴァ・ジャイロン

株式会社ユニヴァ・ジャイロンはデジタルマーケティング支援ツール群『Gyro-n（ジャイロン）』を提供する企業だ。SEO（検索エンジン最適化）・EFO（入力フォーム最適化）・MEO（マップエンジン最適化）をキーサービスにして、クライアントのウェブサイト流入や店舗情報へのアクセス向上等、コンバージョンの実現をサポートする。
営業やカスタマ―サクセスチームが吸い上げたクライアントの要望をスピーディーに機能へ反映するアジャイルな開発体制が強みだ。今後は新たにコンサルティングサービスを立ち上げて導入の前段階もカバーし、導入後のサポートまで一気通貫のサービスを提供する計画である。
デジタルマーケティングの黎明期から培ってきたノウハウを活かしてさらなる成長フェーズへ突入する同社は、核となる人材を求める。

同社の成り立ちは、1999年の前身企業の設立時に遡る。業務基幹システムの開発・運用や、オープンソースCMSの日本公式プロバイダとしてのサポート活動を主軸に事業展開した後、インターネット決済代行サービスを展開する企業と合併。株式会社ユニヴァ・ペイキャストが発足する。
展開していたEFOサービスを進化させて、2014年にはデジタルマーケティング支援ツール群『Gyro-n』のサービスを開始。続いて、データフィード広告運用・管理ツールの提供やローカルSEOへの対応、MEO機能の拡充等、時代の潮流に合わせてサービス範囲を広げていった。充実したツール展開で、導入実績は1,000社を超える。
成長著しいGyro-n事業をさらに伸ばすべく、2020年4月に事業部を分社化する。こうして誕生したのが同社だ。沿革をたどると柔軟に会社の形を変えながら、サービスラインナップの拡充と機能のブラッシュアップに努めてきたことが分かる。

またプロダクトの品質ばかりでなく、導入前後のサポート体制が充実しているのも特徴だ。今でこそSaaSビジネスにおいてカスタマーサクセスの重要性は認知されているが、同社がGyro-n事業を本格化させた2014年当時はそうした概念はなかった。
クライアントがビジネスで成功を収めるためには、導入がスムーズに進むことはもちろん、導入後の困りごとをすぐに解決することが重要である。そう考えた同社は、カスタマーサクセスの先駆けといえるサポート専任チームを立ち上げる。このようにしてクライアントからのフィードバックを得て改善を繰り返し、蓄積していった知見とノウハウは他社が一朝一夕で得られるものではない。

代表取締役社長の島津久厚氏と、取締役CMOの向井重文氏に話を聞いた。
「当社はクライアントのデジタルマーケティングをトータルでサポートするツールを提供し続けています。細やかに意見を吸い上げて、2週間に1度は機能のアップデートを行うスピード感が強み。ユーザーが行いたいことを確実に実現できるように、愚直に継続的にプロダクトを進化させることを大切にしています」と島津氏は話す。

多くのツールの中でも、近年特に注力しているのがローカルSEO/MEOだ。
ローカルビジネスの集客とマーケティングに欠かせないGoogleマップの最適化であるMEO対策。同社がMEO機能をリリースした2019年当時、巷ではGoogleガイドラインを無視したネガティブな施策で検索上位に表示させるような動きがあった。状況に懸念を抱き、正しい施策でツールを使ってもらいたいとの思いが同社のMEO機能提供の始まりだ。同社のSEOツール『Gyro-n SEO』のローカル最適化で気軽にMEO対策を始められることがポイントである。多くのユーザーに使ってもらいたいと、価格設定もリーズナブルだ。さらにGoogleマップの順位チェックばかりでなく、Googleビジネスプロフィールとの連携による管理・設定・分析まで一気通貫で行えるのは同社のMEOツールならではだ。
「1店舗のオーナーから1,000店舗を運営する大企業まで使える機能幅の広さが特徴です。また多機能とリーズナブルな価格設定ばかりでなく、スムーズに動く安定性もアピールポイントで、そこに魅力を感じてもらい他社ツールから移行してきたユーザーも少なくありません」とは、製品開発とマーケティングを統括する向井氏の言葉だ。

プロダクトの品質の高さと安定性は、エンジニアの総合的な技術力の高さがあってこそ。同社では一切外注がない、完全内製で開発を行っている。
同社のエンジニアのやりがいとして、上流から経験できること、新しい技術を積極的に取り入れられる自由度の高さ、クライアントのニーズに応えるべく試行錯誤しながら自社プロダクトのブラッシュアップを継続できることが挙がる。
「当社のエンジニアリングは、世にないものを1から形作っていく実感を得られます。自信とプライドを持ってものづくりに取り組めるので、成長意欲の高いエンジニアにはとても良い環境です」と向井氏は力を込める。

島津氏はデジタルマーケティングツールのベンダーとして提供するべきサービス品質をレストランに例える。
「レストランに行くならば、『とても美味しくて、接客もとても丁寧。さらに待たせることなく絶妙なタイミングでお料理が出てくるお店』に行きたくありませんか？どれか一つの要素に特化せず、欠ける要素があっても違う。バランス感覚を保って満足いただけるサービスを提供したいと考えます」
「それはプロダクトの質ばかりでなく、サポート体制も含まれます。当社は導入時や導入後のサポート体制にこだわってきました。今後はお客様に対してより一層適切なタイミングで必要な施策を提供するために、新たにコンサルティングサービスを開始します」

コンサルティングサービスが立ち上がることで、クライアントに適したツールや機能の提案が可能になる。コンサルティング、セールス、カスタマーサクセスが揃うことで、ワンストップのトータルサポート体制が整うのだ。
向井氏は「エンジニアはそれらの部門と密に連携を取って情報を共有しながら、機能のアップデートに努めます。エンジニアチームは当社のコアであり、常に主導していく立場です」と話す。
横串のコミュニケーションを重視するカルチャーで、上下関係のないフラットな意見交換が常だ。個人の裁量を重んじる自由で縛りの少ない風土のため、その分自律と自主性が大切になる。
「メンバーには自分の意見を主張しつつ、他者へのリスペクトを持って接してほしいです。私自身も常にリスペクトの気持ちを念頭に置いてメンバーと接することを意識しています。当社の社員には技術力や経験以上に、コミュニケーションスキルを求めたいですね」（島津氏）。
互いの個性やキャリアを尊重しながら連携することが自然に行われ、新たなメンバーが馴染みやすい風土だ。

緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が実施されていない期間は、週に2日程度出社日を設けて対面でミーティングを行う。それ以外は任意での出社で、エンジニアはフルリモートで業務を行う人も多い。
コラボレーションツールやバーチャルオフィスシステムを取り入れて、リモートでもコミュニケーションロスに陥らないよう配慮しながら業務を進めている。

同社は来期をめどに上場グループ入りすることが決まっている。力強いサポートを受けることで成長速度の加速が見込まれる。その先で目指すのはIPOで、ビジョン実現に向けて事業と組織をより盤石に固めていく方針である。
急成長フェーズに参画できるタイミングは、そうそうない。またとない好機を逃さないでほしい。