株式会社Grill

株式会社Grillは、情報キュレーションアプリ「グノシー」をはじめとするアプリ群の開発・運営を手掛ける株式会社Gunosyと、マーケティング&コミュニケーションサービスを提供する株式会社サニーサイドアップが出資して2019年12月に設立した企業だ。Gunosyのデジタル・コミュニケーション領域におけるデータ分析力、サニーサイドアップのPRノウハウという両社の強みを活かした事業展開が特徴だ。
Gunosyのメディアサービスを活用したリサーチ事業と動画コンテンツの制作・配信事業を軸にする同社は、動画広告市場が急拡大する中、新サービスを立ち上げる。
第二創業期といえる今、さらなる成長局面を迎え、新規事業の核となるメンバーを募る。

現在の主軸はリサーチ事業と動画マーケティング事業である。
リサーチ事業では、国内累計6,531万ダウンロード（2021年8月時点）を誇る「グノシー」「ニュースパス」「LUCRA(ルクラ)」「auサービスToday」といったGunosy提供のメディアサービス上でアンケートを実施して、幅広い世代のアクティブユーザーから意見を収集する。目的に応じた規模のアンケート結果を短期間かつ低コストで収集できると、顧客から評価が高い。

動画マーケティング事業では、顧客がPRしたい情報を動画コンテンツとして自社制作し、Gunosyメディアサービス上のユーザーへ向けて配信する。Gunosyが培った動画コンテンツ制作のノウハウと独自ネットワークを活用することで、低コストながら高品質な制作・配信を実現した。また広告然とした動画ではなく、ユーザーが楽しめることを念頭に置いたコンテンツづくりも特徴。ニュース番組形式やクイズ形式、インタビュー形式等、動画広告の新しい形に挑戦してきた。

各事業を進める中で同社は、顧客の要望や課題をダイレクトに感じ取ってきた。市場規模が1兆円を超える日も遠くないとされる動画広告市場において、より成長性が高く、顧客の課題を解決するサービスとは何か。
検討と協議を重ね、動画マーケティング事業をより発展させた包括的なSaaSの展開という新たな成長軸を定めた。

代表取締役の岩館大地氏と、動画マーケティング事業を統括する執行役員の鵜飼晃弘氏に話を聞いた。
活況する動画広告市場だが、動画を目にするユーザーと出稿側である事業会社の双方共に、良いイメージばかりを持っていない現状がある。
ユーザーは「興味のない動画広告が多い」「似たような内容が多い」と、食傷気味。事業会社側は認知獲得や興味喚起には効果があるとしつつも、制作・配信コストが高いこともあり、トライ&エラーが難しいとの声を上げる。
具体的にいえば、事業会社は動画広告を制作して配信してもどう効果を上げていけばいいのかが分からない。コマ割りや表示テロップの色等、変えられる要素は非常に多いのだが、何を変えたら効果が上がるのか判断できないという。その背景には、動画広告におけるPDCAを回せていない構造がある。

まず前提として、動画事業の領域は制作、配信、LP、改善の四つに区分される。制作に特化する会社は配信システムを持っていないため、配信結果の数値を取得できない。データ蓄積による改善が進行できないということだ。また、配信ツールのベンダーは制作を請け負っていない。
一方でLP領域に目を向けると、今後伸びると見込まれるにもかかわらず、特化した企業は国内にほぼない。各領域が個別に最適化されてしまっていて、ユーザーと顧客双方のニーズに対応しきれていないのだ。特に改善領域は未開拓な状態だ。
こうした動画市場の現状と課題を踏まえて、同社は新たな成長戦略を打ち立てた。
「ユーザーは動画広告を自然に楽しめ、事業会社は低コストかつ効率的に動画広告を利用できるスキームの構築が必要です。当社は既に制作と配信サービスは行っていますので、そこに未開拓な改善領域と、ユーザー獲得に有効なLP事業を加え、動画広告全体を包括するサービスを作っていこうと構想しました」と鵜飼氏は話す。
目指すのは動画広告市場における「三方よし」。ステークホルダー全員が幸せになる動画広告事業へのチャレンジだ。

同社のロードマップはこうだ。まず初めは、自社の配信サービスを通じて改善に必要なデータを蓄積する。次のステップは、ユーザー獲得に特化したLP事業領域の強化。具体的には、動画上のタップやクリックでストーリーを変えられるインタラクティブ動画の専用プレイヤーや分析のためのヒートマップ、レビュー、ABテストといった機能の開発である。
また素材を投入すると自動で動画が生成されるツール、配信結果をもとにAIが改善案をレコメンドするツール等、4領域にまたがる複数のツール開発を進めて実装し、SaaSとして提供していく。
岩館氏は「蓄積された膨大なデータによる機械学習は、親会社であるGunosyが得意とするところです。Gunosyの豊富なノウハウや知見を活用できますし、優秀なエンジニアとの協業も可能です。また一般的なスタートアップと違い、調達を必要とせず資金面がボトルネックになる不安もありません。そんな優位性を持ちながらゼロからサービスづくりができるのは、当社ならではの醍醐味ではないでしょうか」と話す。
現在の事業形態からSaaSへと徐々に軸足を移し、3年後には5億円、5年後には10億円規模の売上を目指す。

まさに第二創業期と呼ぶのにふさわしいフェーズの同社。エンジニアはもちろんのこと、セールスやカスタマーサクセス等、多くの職種のメンバーが必要な背景だ。では、どのような人物を求めているのだろうか。
「当社のカルチャーとして、考えること以上に様々なパターンを沢山実行して成功の方程式を見つける『PDDDCA』が根付いています。そして、各職種の目線を適宜ヒアリングして取り込み、最適解を目指す『全員目線』も特徴。行動と結果にコミットする意識を持つならば、働く場所も時間も服装も自由です。このカルチャーにフィットする方が望ましいです」と岩館氏。
「エンジニアならば、これまでの経験以上に新しいサービスづくりに強い興味を持つ方。全くのゼロからの開発なので、技術選定や全体のスキーム、アーキテクチャづくりから始めるフェーズです。そのためチャレンジしたい、スキルを広げたいという気持ちを持つ方がいいです」と鵜飼氏が続けた。
自分自身と一緒に会社も成長する。そこにモチベーションを感じてくれたら嬉しいと話す。

組織には深い階層がなく30歳前後の若いメンバーが多いこともあり、フラットなコミュニケーションが常だ。企画会議やブレストの場を設けて悩みや考えを全員で共有する。チャレンジを促進するコミュニケーションを心掛ける。
「Gunosyは『データ、分析』、サニーサイドアップは『エンタメ、楽しい騒ぎ』がキーワード。当社は親会社の持つそれぞれの要素を掛け合わせて、『データを活用したユーザーが楽しめるマーケティング支援』を提供していきたい。我々自身が楽しいことも重要で、チャレンジはとても楽しいことだと思っています。どんどん試そう！チャレンジしよう！がGrillらしさ。だからこそ新しいサービスづくりに興味を持ち、その過程である試行錯誤と振り返りを楽しめる人に加わってもらいたいのです」（岩館氏）。

スタートアップらしく自由闊達でありながら、報酬や福利厚生、評価制度等は、東証1部上場企業のグループ会社としてしっかり整備されている。
同社に大いなる可能性を感じたならば、是非ともコンタクトを取ってほしい。