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インタビュー画像梨木繁之(代表取締役)

社名を「サイバーウェーブ」にした理由について教えてください。

「サイバー」は電脳空間やインターネットをあらわす言葉です。「ウェーブ」は「波」を意味しています。 波の形が好きなんです。自分は節理や法則が好きで、波は本質をあらわした節理だと思っています。波は上がることもあるし下がることもある。仕事や人生で調子のいいときと悪いときがあるのと同じです。 たとえいま調子が悪かったとしても、必ずどこかで上がるときが来ます。波の形の一種であるサインカーブは、プラスの部分の面積とマイナスの部分の面積が等しくなります。調子のいいときと悪いときを合算するとゼロになるというのは、何かの本質のように感じます。 事業では「相手を喜ばせる」という考えを大切にしています。相手やお客様がいて、はじめて自分たちの仕事があります。みんなに喜んでもらいたいです。お金を頂いたとすれば、それ以上の価値を返さなくてはなりません。太陽のようにエネルギーを振りまく。自分が中心になってエネルギーを配って、相手を喜ばせることが必要です。 「自分から行動すること」も大事だと考えています。道端に落ちているゴミを拾ったり、新しいビジネスを起こしたり。受け身でいるよりも、自分から積極的に行動を起こして、価値を発信していきたいです。自分がした行動の結果はすべて自分に返ってきます。 行動の結果がすべて自分に返ってくるのも、波と似ていますね。波を立てたら向こうの壁にぶつかって、自分の方に戻ってきます。行動することも同じで、自分が行動することで価値を波のように発信して、誰かに受け止められて、反射して返ってくる。行動するほどに、返ってくる価値は大きいです。

会社が大事にするバリューやミッションは、どのように決めたのでしょうか。

自分が大切にしている価値観をバリューにしました。今のサイバーウェーブでは「誠実・プロフェッショナル・チャレンジ・普遍的価値」をバリューとしていますが、会社を立ち上げた当時は「アクティブ・ポジティブ・コミュニケーション」でした。 昔の方が抽象的でした。もっと具体的にしたいと思って今のバリューに表現を変えました。大切にしている価値観そのものは変わっていません。 1つ目の「アクティブ」は、自分の思いに素直になることです。思うこと・言うこと・やることの3つを一致させることです。 2つ目の「ポジティブ」は、全てを積極的に受け入れることです。前回お話しした「波」を思い出してください。波を立てたら向かいの壁にぶつかって、自分のもとへ返ってきます。「アクティブ」を実践すると相手から反応が返ってくるのですが、反応がプラスになるかマイナスになるかは分かりません。 ポジティブな反応を受け入れるのは簡単ですが、マイナスな反応を受け入れるのは難しいです。マイナスな反応をそのままにしておくと、心の底に負の感情がたまっていきます。だから自分は、マイナスな出来事もプラスに変えて受け止めています。 例えば、起業したばかりのころに詐欺に遭ったんですよ。何があったかはよく覚えていませんが、とにかく相手の演技や話し方に引き込まれ、5万円くらい渡してしまったことだけを覚えています。 詐欺師は相手を信頼させる技術のプロなんです。プロがわざわざ自分の所に来てくれて、迫真の演技をしてくれる。自分は騙されていることに気付かなくて、お金を払ってしまいました。 どんな話し方をすれば人は引き込まれるのか、実際に見て学ぶことができました。それに、世の中にはお金をだまし取る人が本当にいることを実感できましたし、詐欺にあった経験から胡散臭い話かどうかを嗅ぎ分ける嗅覚を得られました。これらの学びを得られたのは、とても大きいと感じました。 3つ目の「コミュニケ―ション」は、アクティブであることとポジティブであることを繰り返すことで、全ての人と分かり合えようになる、ということです。 アクティブになる、つまり自分の思いを素直に話すことで、相手も本音で話をしてくれます。オープンに話すと、プラスだけでなくマイナスの反応も返ってくるので傷つきやすくなります。そこでマイナスもプラスに変えてポジティブに受け入れる。そうすると、すべての人と分かり合えるようになると考えています。

会社経営は起業当初から順調だったのでしょうか。

創業してから5年の間はうまくいきました。ITバブルの追い風もあり利益は毎年増加していましたし、仕事が増えるにつれて社員も増えていました。 6期目には、「中核事業にするポータルサイトを開発してほしい」という依頼をいただきました。依頼者は当時「西のライブドア」とまで呼ばれ、M&Aを繰り返して事業規模を急拡大させており、2006年には900億円にまで年商を伸ばした企業でした。 急成長企業の中核になるシステムの開発という重要な案件で、当時のサイバーウェーブでやりきれる案件かわからず、依頼を受けるか迷いました。最終的には受注することにしました。ところが、この受注がサイバーウェーブ史上最大のミスジャッジになりました。サイバーウェーブが倒産寸前になってしまったんです。 初年度のプロジェクトは、社員の半分をお客様先に常駐させることでどうにか乗り切りました。 プロジェクトが終わった後も、案件が次々に来ました。お客様からは「いくらでもお金を出すのでもっと人手を増やしてほしい」との要望がありました。人手を増やして対応しようとしました。社員をどんどん増やしたので、固定費もどんどん膨らんでいましたが、お客様からは毎月多額の支払いがあったので、大丈夫だと思っていました。 人を増やしても、毎日のように大量の追加案件があり、十分な対応ができませんでした。お客様との意思疎通も上手くいかず、納品するたびに怒られていました。社内には終わりの見えないプロジェクトが溜まっていて、社員に大きな負担がかかっていました。 多くの案件をいただいたためサイバーウェーブの売上は伸びていましたが、社内の空気は決して良くありませんでした。 一方で、当社におけるお客様の売上比率はどんどん大きくなっており、1社に収入を完全に依存するようになっていました。 年商4億6,000万円を達成した翌年でした。ある月末に銀行残高を確認したら、お客様から入金されるはずの4,000万円が入っていませんでした。慌ててお客様に電話するも、連絡がつきません。 お客様が200億円以上の負債を抱えて倒産していたんです。本当の試練はここから始まりました。 当時のサイバーウェーブには7000万円の借金がありました。毎月のオフィス賃料150万円と、社員の給与で100万円。それと、借金の返済のために100万円。入金がなくなり、毎月350万円の支出だけが続く中で、なんとかお金をやりくりしなければなりませんでした。 3期連続で赤字を出し、銀行からも融資を断られ、会社が潰れるあと一歩のところまで来ていました。会社が転落していくなか、60人くらいいた従業員もひとりまたひとりと去っていきました。最終的に残ったのは、自分ともう1人の社員だけでした。 受託開発の失敗と借金7000万円を返す日々は苦しかったのですが、学ぶところは大きかったです。通帳や会社の帳簿を見て減らせそうな支出がないか徹底的に考え、なくても問題なさそうな契約を解除したりしました。Amazonで購入していた技術書が高額だと感じたのですが、お金がない中でも勉強はしたかったので、古本屋で安い本を探して買いました。 切り詰められるところは1円単位で切り詰めていきました。大きな利益も大切ですが、会社のお金は1円の積み重ねの結果ではないでしょうか。1円1円を大切にすることで収益や利益が出ます。1円の大切さを実体験として感じました。 マイナスの出来事をポジティブに変えることは得意です。失敗から何かを学ぶことは大好きですから。

借金7000万円がある状況からどう立て直したのでしょうか。

昼は他の会社へ働きに行きました。「何でもやります!」と言い、とある会社経由で、下請けの下請けとしてNTTデータのプロジェクトに出向させてもらいました。社員としてプログラミングをしていました。なんでもしようと思っていたので、雑務も引き受けました。工数見積をするために、プログラムの行数を1行2行……と数えるだけの仕事もしました。 そのうちに「梨木が喋りもプログラミングもできるらしい」という話がでて、不動産サイトのプロジェクトでフロントエンド開発のリーダーになったんですよ。お客さんの所に行って毎週打ち合わせをしていました。 いつ破産してもおかしくないという足元が見えない恐怖の中で、毎月 100万円ずつ借金を返していきました。どうにかお金を工面し、首の皮一枚つながった状態で会社を経営していました。 日中は他社で必死に働きながら、夜には会社の再興にむけて、ひとりで自社プロダクトの開発をはじめました。それが「PJテンプレート」です。いまのサイバーウェーブの中核商材である「VALUE KIT」の前身になったプロダクトです。1年間かけて、コツコツと組み上げていきました。 「PJテンプレート」は、自分がそれまで経験したプロジェクトのノウハウから、どのシステム開発でも必要になる機能の部品セットとして組み上げました。例えば、ビジネスのためにシステムを作るときには「担当者ログイン」や「編集機能」などが必要になります。必要な機能は、どんなプロジェクトでもある程度は共通しているので、事前に部品を作っておくことができます。 「PJテンプレート」を作ろうとしたきっかけは、受託開発の失敗を生かそうとしたことです。会社が倒産寸前になるというマイナスをプラスの出来事に変えようとして、自社プロダクトを作ることを思い立ちました。 製品があれば、1社だけではなく複数の会社に販売できますし、1からシステムを作る必要がないため、納期の遅延もありません。自社製品なので会社の資産になりますし、製品の品質がエンジニアのスキルに依存しにくくなります。 2011年に、大手クレジット会社から頂いた案件で、初めてPJテンプレートを使いました。 7割は既にできていたため、残りの3割を新しく開発するだけで済みました。当時の売り上げはシステム一式で40万円です。少額の案件ではありましたが、自分の開発したプロダクトが本当に売り上げになったことで、大きな感動と自信になりました。予算の中でお客様の要望を満たす製品を作れ、自分から価値を提供できたことが嬉しかったです。 実際にPJテンプレートを使ってみて、手ごたえを感じました。新規開発するコードが少ないので開発に失敗するリスクを減らせましたし、納期も厳守できました。世の中でシステム開発の失敗って意外と多いんですよ。日経ビジネスによると、プロジェクトの47.2%は品質やコスト、納期を守れず失敗しています。 そんな中でもPJテンプレートを使うと、システム開発プロジェクトを確実に成功させられることが分かりました。これでサイバーウェーブを復活させられる! と思いました。 失敗というマイナスの状況から、必死にプラスになるものを探したからです。苦しい状況でしたが、学ぶべきものがここにあると思っていました。マイナスをプラスに変えるのはとても好きなんですよ。 もう1つは、プログラミングが好きだから。得意なプログラミングで物を作り出して、誰かを喜ばせたいという思いが強くあります。大学生で事業を立ち上げてから今に至るまで、ずっと変わらない思いです。

正社員やインターン生の採用では、どのような人材を求めているのでしょうか。

正社員でもインターン生でも同じように求めているのは、「プログラミングが好き」という思いです。システムを作ることは、新しい可能性を作り出すことでもあります。「自分が作っているプログラムが世の中の新しい可能性を作り出す」ということを楽しめるかどうかを最優先に考えています。 「ポジティブな考え方ができるかどうか」も見ています。課題に対してポジティブな受け取り方をする人もいれば、ネガティブな反応をする人もいます。「難しくてできない」と考えるのか「どうすれば解決できるのだろう」と考えるのか。 コード1つ間違えただけでもシステムが動かなくなるといったように、システム開発には論理的な難しさがあります。課題にぶつかったときにポジティブな見方ができる方を求めています。 もう1つ、採用で大切にしている判断基準は「謙虚に学び続けられるかどうか」です。謙虚さがあれば、目の前の出来事や人からの助言を素直に吸収できます。 プログラミングを楽しめる気持ち、謙虚に学ぶ力、誠実にコツコツ仕事をするという3つの要素があると、絶対に成長することができます。サイバーウェーブでインターンをしている学生も、この3つの要素があり、地道に仕事を続けるうちにエンジニアとして求められる力が身につき成長している事を実感しています。 正社員は、インターンに比べて採用基準が厳しくなります。「サイバーウェーブがその人の人生を背負う」という意気込みで雇用しているためです。スキルの面では、例えば、即戦力になってもらえそうかを見ています。何か実績はあるか、システムを作ったことはあるかといったように、採用基準がシビアになります。 第2創業期で目指しているゴールは、エンジニアの価値を社会に還元する場所としてのサイバーウェーブを存続させることです。サイバーウェーブは「エンジニアの価値を最大化できる場所」です。個々が持つ技術や知恵を活用し「自分はこんなことをしたんです」と、胸を張って言える仕事があります。 サイバーウェーブは「エンジニアが育つ場所」でもありたいとも思っています。エンジニアとしての技術力をさらに高められるようにシステム開発の教材やマニュアルを整え、全員で共有して学ぶ機会を作っています。 第2創業期で挑戦しているマーケティングも社員数の拡大も、全てはエンジニアが成長し、大きな価値を創り出せる場所を存続させるためです。サイバーウェーブが存続できるように、スタッフの成長を後押ししつつ、組織を拡充させることを目標にしています。 今後ITはさらに広がって、社会を変化させるでしょう。今は限られた会社がIT化やDX(デジタルトランスフォーメーション)に取り組んでいますが、その取り組みが一般的になると思います。日本中で起こるデジタル化の潮流を支え、大きな価値を社会に生み出せる会社にしたいです。

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