テレビ静岡システムクリエイツ株式会社

システム開発会社の、テレビ静岡システムクリエイツ株式会社。静岡市に本拠地を構える、テレビ静岡のグループ企業である。
同社の事業内容としては、①オープン系技術を活用した業務システム／Webシステム開発、②ERPパッケージ導入や長年の経験を活したスクラッチでの基幹システム開発、③特定のクライアントに特化したアウトソーシングの3領域を展開している。

①においては、電力・水処理などの施設の監視や制御をおこなうインフラ分野から、IoT、VRベンダーとの協業等、最新領域まで幅広く手掛けている。
②においては、グローバルERPベンダーとして3本の指に入るInfor社のパートナーとして、プロダクトの特性を活かしたERPパッケージの導入やアドオン開発、周辺システムの開発を主に手掛ける。Infor製品は生産管理に強い関係で、顧客は製造業が主。それだけでなく、独自仕様のスクラッチ開発も手掛けている。
③は、大手出版社の通信教育システムを担う情報システム部門からアウトソーシングを請け、クライアントに常駐する形で通信教育業に特化した開発や保守運用を担っている。

特筆すべき特長は、いずれの案件もほぼ100%、クライアント直取引で行っていることだ。同社はTier1のSIerとして協力会社のエンジニア／プログラマーをアサインし、PMの立場で業務を遂行するSE集団である。その狙いについて、業務推進本部長代理の小杉氏は次のように説明する。
「業務品質の責任は基本的に当社が100%負う形になるので、それだけ厳しい立場に立ちます。そうであるからこそ、前面に立つSEの力量を高めることに直結しますし、お客様の評価をダイレクトに得られます。プライムという立場による利益率の高さも、大きなメリットです」

クライアントは、静岡県内を中心に、東京や大阪、愛知、神奈川等の大都市の企業も少なくない。売り上げのほとんどはテレビ静岡グループ以外からで、業務面ではほぼ完全に独立している点も、もう一つの特色といえるだろう。

同社の設立は、1990年11月。テレビ静岡の情報システム部門が分社化する形で設立された。その当初から、放送事業とは直接関係しないシステム開発会社として“独立独歩”の成長を目標としてきた。

以来、10年以上にわたって県内外の企業をローラー的に開拓する。一定のIT投資を行える大手の企業に絞り、効率化を図りながら直取引にこだわって徐々にクライアントを増やしていった。
「独立独歩とはいえ、テレビ静岡の冠は信頼性の面で有利に働きました。半面、その冠を汚さないよう、受託業務の質の向上にもこだわりましたね」と小杉氏は補足する。

同社は、品質マネジメントシステム規格のISO9001、およびセキュリティー規格のISO27001（ISMS認証）を取得し、その遵守・運用を通じて業務品質の維持向上を図っている。同規格取得に際しての指針として、次の各項目を掲げている。

品質方針：会社は、お客様の立場で考え、お客様のニーズに的確に応えられる高品質の情報技術サービスを提供します。社員は、経営理念と行動指針に則り『お客様第一』の姿勢で業務に取り組みます。

経営理念：
　1．情報技術サービス業である高度な技術力、提案力、信頼性を確保し、システム開発の高付加価値創造を目指します。
　2．企業の発展と競争力の源泉は社員の活力にあり、能力開発と人材重視の経営を目指します。

行動指針：
　1．「顧客満足」のために：お客様の立場で考え、お客様の要望に的確にお応えし、お客様に満足していただけるサービスに努めます。
　2．「顧客信頼」のために：お客様の情報資産の保護、企業機密の漏洩防止に万全を期し、お客様の信頼確保に努めます。
　3．「プロ技術者」として：最新の技術を活用して高品質、短納期、低コストの効率的なシステム開発に努めます。

ISO規格を取得し続けるためには、内部監査を行うと共に、毎年外部機関による監査を受ける必要があり、全社的に業務品質マネジメントを徹底している。

2021年5月現在、社員のうち開発要員は42名。平均年齢38歳という経営豊富なメンバーだ。加えて、外部協力システム開発会社のエンジニアやプログラマーを120名ほど擁してプロジェクトを組成している。1名の社員SEが平均3名の外部スタッフをマネジメントしながらプロジェクトを遂行している形だ。

「おかげさまで多くの案件に恵まれ、かつては遅くまで仕事をして納期に間に合わせるといったハードな働き方をしていました。しかし、最近ではできるだけ早く終わらせて早く帰るという意識改革が進んでいます」と小杉氏は話す。そのために、小杉氏ら上層部がプロジェクトの状況を早めに吸い上げ、今後の展開を予測し手を打つと共に、各SEが自ら考えて組み立てていく取り組みに力を入れている。
「そういったプロジェクトマネジメントに必要なヒューマンスキルを身に付ける外部研修に、会社は定期的に送り出しています。これは大いに役に立っていますね」（小杉氏）。

　できるだけ長く勤めてもらえるよう、社長以下『もっといい会社にしていこう』とステークホルダーのロイヤリティ向上に努めている。その具体策の一つが、年1回、社長による全社員との1on1の面談だ。社長自ら、直接現場の意見や希望をできるだけ吸収し、経営に活かしている。
また、2020年に設立30周年を迎えた際は、社員に記念旅行券を支給。また、勤続20年・30年の永年勤続表彰制度もスタートさせた。

そんな同社が求める人材像は、次のとおり。
●常に顧客の立場に立って物事を考えられる方。
●チームワーク、組織対応能力が高い方。
●能動的に動ける方。
●リーダーシップのある方。

プライムの立場でクライアントにダイレクトに接し、力量を高めていきたいと考える人材にとっては、見逃せない募集といえるだろう。