丸紅テレコム株式会社

丸紅株式会社における、モバイル関連製品の販売事業部が1993年に独立して発足したのが、丸紅テレコム株式会社だ。全通信事業者の商品を取扱う「キャリアフリー」の強みを活かした全国展開で躍進している。その事業スピードと成長の速さが感じられる。<br /><br />ケータイの販売事業である「モバイル事業本部」 と、固定回線の通信関連製品及びサービス、コンテンツなど様々なソリューションを手がける「法人・ソリューション事業本部」を二本柱に立てる同社。2006年3月期の売上高は1,165億700万円、2007年3月期には1,275億8,400万円と順調に推移している。契約者数が9千万人を超えた日本の個人向け ケータイ市場は飽和状態に向かいつつあるというが、次々に新しいサービスがリリースされ、生活と切り離せなくなったツールを取り巻くこの業界は今でもホッ トだ。同社では特に法人を対象とした営業戦略も奏功しており、今後、増強する方針だという。

現在、収益の多くを占めるのが、ケータイの販売事業だ。ドコモ、au、ソフトバンクモバイル、ウィルコムの全てのキャリアを取り扱う60以上の直営店経営を軸に、全国に広がる二次代理店、流通量販店への卸売事業を行っており、昨年度の販売実績は、新規契約、機種変更を合わせて150万台以上に上る。<br /><br />一方のソリューション事業では、NTT、KDDIなどの各回線業者とISP間の取次ぎやセットプランを企画開発し販売するほか、ケータイ公式サイトコンテンツ、音声コンテンツの制作も行われている。また、得意の音声ソリューション技術を活かした電話会議システムの提案なども売上げに貢献している。<br /><br />これらの事業を横断的に網羅し、中小企業から大企業まで、顧客の必要とする通信ソリューションを提案していくのが、法人営業部隊だ。社用ケータイ、内外線併用のケータイソリューションなどの販売はもちろんのこと、サービスを主体としたビジネススキーム（一例として、料金請求代行サービス「MTASSB」など）も構築している。このほか、時代のニーズを捉え、「あらゆるコアな要望に応える、『コミュニケーションサービスプロバイダー』として総合的なサービスを提供できるのが、私達の強みです。」と採用担当者は語る。<br /><br />そんな営業の最前線に立つ者にとって魅力的なのは、商社系列ならではの「キャリアフリー」体制だという。提案の切り口を一つ用意すれば、後は「様々な引き出しの中から最適な商材を組み合わせて提案できる面白さもある。」と同氏は説明する。モバイルだけでなく、固定回線やその他の商材を持つのは、顧客への貢献のしやすさの面で、他の競合他社と比較してもメリットであり、“丸紅”というブランドや、時代の先を読んで生み出される新しいスキームも、同社の強みだ。

今後、ケータイショップのような形態の「固定回線販売ショップ」を展開しようという計画がある。光通信などの固定回線はこれまで量販店や代理店のみでの展開だったが、新しい発想で、直販モデルを導入しようというのだ。今後も、商材を増やし、新しい取り組みをどんどん行っていくという。最先端にキャッチアップしていくためにも、継続的な勉強は欠かせない。<br /><br />当初、契約社員としての採用となるが、正社員登用も積極的に行われており、登用者も多数出ている。また、契約社員独自の制度として、努力しパフォーマンスを発揮する人にきちんと報酬で還元するのが、同社が3年ほど前から運用している成果還元給制度だ。目標粗利額を達成する度合いによって、成果還元給が毎月支給される。それだけに、どんどん成果をあげていく「ポジティブで、アグレッシブな人に向いている。」と人事担当者は語る。実際、中途入社がほとんどで、丸紅からの出向者も少ない同社は、組織の風通しが良く、社内のコンセンサスが取り易い社風だという。それだけに、自分のアイデア次第で実力を発揮していくことが比較的しやすい環境のようだ。<br /><br />法人事業においては、半年に一度、表彰コンテストが行われ、成績の良い営業担当者がノミネートされる。「営業として、そこで勝ち取る栄誉をモチベーションに替えて取組んでいます。」と、人事担当者は語る。<br /><br />今、もっとも成長している分野の一つであり、次の一手が期待されている業界で、トップセールスとして“丸紅”の看板を背負っていきたい、そんな熱い想いを持つ人に、活躍の舞台が用意されている。