1年間で300社が加盟した、独自の不動産売却プラットフォーム
イクラ株式会社(iQra Inc.)は、不動産サービス事業を手がける会社だ。不動産の売り手は費用がかからず、不動産会社側から広告費として利用料金を受ける、というビジネスモデルが特徴。会社設立は2015年9月で、大阪市淀川区に大阪オフィス、東京都品川区に東京オフィスを置く。
不動産取引においては、消費者に潤沢な情報が行き届いているとは言いがたいのが実情だ。消費者側と不動産会社側の情報格差が、「不透明」といわれる不動産業界を形成してきた。しかし、グレーな日本の不動産業界は、インターネット社会の到来により変革を迫られている。
家など不動産の売却は、一生に一度あるかどうかのライフイベントであり、そのため「いざ売る」となっても「何がわからないのかがわからない」という状態になる。イクラは、売り手が何に困っているのか、どうすればよいのかを徹底的に追求し、ITを通じてその答えを提供する。
不動産売却検索サイト「イクラ不動産」は、家や土地を売りたい人が、「自分の家がいくらなのか」、「どこの不動産業者に任せればよいか」、「私の場合はどうすればいいのか」といった情報を提供する。スマホ版の「スマホの不動産屋さん」では、匿名かつ無料で、LINEを使って相談できる。
メディア事業としては、「イクラちゃんねる」を運営している。不動産会社と一般消費者に対して、不動産売買における正しい知識や情報を提供する、プロのための不動産売買専門メディアだ。また、初めて家を売るとき、どうしたらよいのか、その解決方法をQ&Aで簡単にわかりやすく知ることができる「イクラQA」というサイトも運営している。
ITを活用した不動産“購入”サービスはすでに存在する。しかし、不動産の“売却”サービスは、いまだにどの企業も成功していない。イクラが手がける事業は、不動産業界では“未知の世界”だ。そのため失敗はつきものであり、失敗して得た教訓を次に必ず活かし、消費者により良いサービスを提供することを目指す。
ユーザーファーストを最優先し、既存の不動産業界に変革を起こす
個人の売り主と、買い手の不動産会社との情報格差は大きな問題であり、消費者は「適正価格がわからない」、「売却に強い、良い不動産会社がわからない」、「そもそも初めてなので、どうしたらわからない」といった悩みを抱えている。イクラはこのような課題に対し、テクノロジーを駆使して情報格差を解消し、「お家の価値を上げて家族の暮らしをより良くする」をミッションとしている。
競合サービスとしては、不動産会社が撒いているチラシ、もしくは不動産会社が利用する不動産売却一括査定サイトがある。不動産所有者の大部分は30~80代で、チラシによる販促は、今までスマホを持っていなかった高齢者には有効だった。しかしスマホの普及とともに、チラシの影響力は急速に低下している。
不動産売却一括査定サイトにも限界があり、主に以下の2つの問題があるためスケールしていない。前提として、費用対効果が合っていないため、加盟社数が一定規模から増えていないことがある。問題点の1つは、不動産は査定価格で売れるかどうかわからないため、「60秒後に価格がわかる!」などと煽るが意味がないこと。2つ目は、価格がわかっても売るかどうかは別問題、という点だ。例えば、売却価格より住宅ローンの残債が大きければ、売りたくても売れない。また離婚の財産分与の場合、価格がわかって、そこから夫婦の話し合いが始まるため、価格を知る=売る、ではない。
イクラは、顧客の動きを「相談」「価格」「不動産会社」に分類し、他の一括査定サービスが提供していない、相談や不動産会社情報の部分に重きを置いている。また、相談から見込み客を獲得し、「不動産会社を紹介して欲しい」というフェーズになれば、その顧客に不動産会社を紹介することで、不動産会社側にとっては追客時間を減らせる、という効果を生み出す。
今後は、消費者により良い価値を提供するため、圧倒的な情報・サービスの開発に努める。また、将来のIPOも計画している。
大きな裁量が与えられる自社開発サービスのフルスタックエンジニア
2020年8月時点の従業員数は13名で、平均年齢は29歳と若い。男女比は、男性:女性=4:6の比率だ。イクラの代表取締役を務める坂根大介氏は、関西大学文学部を卒業後、野村證券株式会社に入社し国内リテールを担当。その後は三井不動産リアルティ株式会社(三井のリハウス)に移り、不動産売買仲介業務を経験した。金融や不動産の豊富な知識と経験は、ユーザーファースト、情報格差の是正といったイクラのコアバリューの基礎となっている。
今回の採用は、フルスタックエンジニアを想定している。技術はPHP Laravelがメインだ。業務内容は主に「イクラ不動産」の開発で、プロダクトチーム、デザイナー、セールスチームとともに、システム基盤づくりや新機能の設計・開発を担当する。また、ビジネスチームの業務支援機能の開発や、チームの技術力・生産性の向上といった、事業成長を支える仕事も担う。
他に参考となるサービスがないため、イクラは自社開発にこだわっている。そのため、PDCAを能動的に回し、結果を出すまで工夫できる人、問題点や改善点を、さまざまな確度から探ることを楽しめる人を求めている。性格面では、成長意欲が高く、根がまじめでポジティブ、という人が歓迎されるはずだ。フルタイムでの勤務が難しい場合は、副業やフリーランスとして参加することもできる(契約内容は異なる)。
働き方はフレックスタイム(コアタイム10:00~17:00、標準労働時間8時間)を採用しており、会社から残業を求めることはない。休みは完全週休2日制(水・日)で、有給休暇や慶弔休暇の制度もある。リモートワークも取り入れており、1週間に1度のエンジニア会議で、進捗やタスク、方向性を確認。それを1カ月に1度アップデートし、全員で成果を共有する。
不動産の知識がなくてもまったく問題ない。不動産売却の市場はブルーオーシャンであり、生まれたてのチームとともに、個人としても会社としても、最短距離での成長を目指せる場所だ。
イクラ 株式会社の社員の声

30代前半
2019年03月入社

20代後半
2015年10月入社

30代前半
2017年01月入社