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インタビュー画像1969年生まれ。和歌山県出身。ミュージシャンとして活動後、1997年、27歳で転身を図り、株式会社システムイオに入社し関西支社の立ち上げに参画。エンジニアとして主に銀行・金融系のシステム開発に従事し、全国を飛び回る。2004年6月、関西支社の分社化による株式会社NetValue IO設立に伴い役員に就任。2009年12月、ホールディングス制への移行を機に代表取締役社長に就任。“社員が仕事に魂を売れる場所”の実現を目指す

「仕事に魂を売れる場所」にしたいという想いが生まれたきっかけをお話し下さい。

明確にこれがきっかけだと言える何かがあったわけではありませんが、会社を分社化したことが大きな要因でした。 もともと私自身、ステムエンジニアになった時は大志を抱いていたわけではありません。27歳の時にミュージシャンになる夢を諦めて、職業選択をしなければいけないと初めて思った時に、これからはITだと思いました。Windows95が出たばかりの頃でした。 それぐらいの気持ちでエンジニアになりましたが、分社化して会社を運営する側に立った時に、何を知っておくべきなのかが全くわかりませんでした。そこで色々と模索している中で考え方が変わっていきました。 仕事をしてお金が稼げているということは、誰かの役に立っているということですが、仕事で社会に繋がっているということをきちんと理解しないと勿体ないと思います。家から近い、給料が高いなど、入社のきっかけは何でも良いと思いますが、魂を売れる場所がなければ人は全く幸せにはなれないなと思っています。 これは会社に魂を売れと言っているわけではありません。日本には職業選択の自由があります。その制度の下では、会社に入ってしまえば、労働者は一定の権利が確保されます。だからこそだと私は思っているのですが、だからこそそこで働く多くの社員は「仕事は我慢してやるべきもの」だと思っているわけです。一体自分は何を大事にしたいのかということを、あまり考える必要がない世の中の仕組みになってしまっている。でも仕事というものは毎日するものです。仕事をする意味や、自分は一体何をしたいのかということを実感できる場がなければ、ただしんどいだけの場になってしまいます。私は、そういう会社にはしたくはないです。 一緒に仕事をしている社員には、どれだけ仕事に没頭できるか、仕事に魂を売れるかで幸せ度が変わるぞということを伝えたいと思っています。

そのために「意味のある仕事をしよう」ともおっしゃっておられますね。

たまたま仕事があるところに営業に行って、「下さい」と言ったら仕事が取れたというようなことも当然ありますが、その仕事に対する思い入れを持てなければ、それこそ我慢してやるだけのものになってしまいます。 理由付けは何でもいいのですが、プロジェクトチームの中に「この仕事は面白い」と語れる誰かがいるということが重要です。正直に言うと、成長の段階で成長することが最も大事だと考えていた時期もありました。出来る仕事は売上に繋がりますので、全て受注していました。私達がやっていることは、社会インフラを支える仕事です。そこに関われることが私達の誇りでもありますが、発生する案件全てが、そう思えるかというとそうではありません。そうすると中にはやらされ仕事のようなものも混じるわけです。あるとき、それによって痛い目に遭って、自分達は一体なにをやってきたのかなと思うようなこともありました。 システム開発やソフトウェアに携わる職業は、世の中の役に立つ手段の1つです。色々な仕事がある中で、「この仕事はこういう理由があるから面白い、ぜひやりきろう」と熱く語れるメンバーがいることが理想です。そういう仕事に携われるなら、生きている意味があります。「やって良かったな」と思える仕事を持てるか持てないかで幸福度は大きく変わるでしょう。

『スタンプラリー制度』についてお話し下さい。

『スタンプラリー制度』は、社員同士が集まる機会に参加したらスタンプがたまり、そのスタンプを賞与時に1,000円で買い取るという制度です。社員のほとんどがプロジェクトごとに開発現場に常駐しているので、社員同士の交流の機会として実施しています。せっかく社員が集まる場があっても、なかなか来ないとかいうこともありがちです。そのため参加しやすい仕掛けとしてやっています。 私は人間という存在は、様々なコミュニティに属するべきだと思います。自分を知っている、よく知っている人がいればいるほど、人間は幸せだと私は思っています。逆に言えば、そういう人がいなければ不幸でしかありません。人間は一人では生きて行けない社会的な動物だからです。 会社もコミュニティの1つです。同じ社会に貢献する手段を選び、たまたま同じ会社にいる人間同士なので、そのコミュニティは強固でなければもったいないと考えています。だからこそ、社員が集まる機会は大事にしています。

御社はメインフレームからWebへの転換期を乗り越え今があります。劇的な変化に対応するため、エンジニアはどう備えるべきでしょうか。

他のどんな職業とも同じように、開発の仕事がこれから先未来永劫必要なものかどうかも、わからない時代です。自動化やユニット化が進んでいけば、プログラマがどれだけ必要なのかということもわかりません。何年か先を見ると、もしかしたら急激にいらなくなるかも知れません。開発会社は今、慢性的な人手不足が続いていますが、可能性はあると思います。 もちろん今も新しい技術が出てきています。私達はその新しい技術に対応しなければいけないし、出来なければ生きて行けません。ただ、社会インフラのシステムでは確実性が重要ですと言いましたが、そんなことを飛び越すようなことも起こりえる時代です。技術がごっそり変容したことによって、仕事自体をする必要がなくなるかも知れません。だから今はもう「こうなるからこうしとくべきだ」などということは言えなくなっているわけです。その時その時で判断し、対応していくしか方法はないと私は思っています。 まあ、そういうこともひっくるめて、仕事に魂を売れていれば対応できるわけです。それに尽きますよ。

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