日本の「もったいない」の心を、海外へ伝える架け橋になりたい
株式会社エコ・アースドットコム(Eco Earth.com)は、生活雑貨をはじめとするリユース品の貿易業務をおこなっている会社だ。日本の高品質な中古品を、海外へ輸出する業務を柱としている。会社設立は2014年7月で、愛知県豊明市西川町に本社があり、ミャンマーとマレーシアに子会社がある。
【事業内容】
1. 家庭用電化製品の販売、卸、修理およびリサイクル、リユース
2. 楽器、自動車用品、玩具、自転車の販売、卸およびリサイクル、リユース
3. 音楽用コンパクトディスク、レーザーディスク、ビデオディスク、レコード、ゲーム用ソフトウエアーの販売、卸およびリサイクル、リユース
4. 衣料品、革製品、家具、インテリア用品、貴金属、宝石、時計、書籍の販売、卸およびリサイクル、リユース
5. パソコン、オーディオ、ビジュアル、楽器、時計、貴金属、革製品、靴、玩具、家具、家電、スポーツ用品、器類、自転車、カメラ、ゲーム機、AVソフト、その他生活用品全般の買取と販売
6. 古物売買、並びにその受託販売
7. 古物の委託販売
8. インターネットによる中古品の買取と販売
9. 古物商品の輸出入
10. 輸出業務に関するフランチャイズ本部業務
11. 広告宣伝の代理業
12. ホームページ制作と管理業務全般
13. 整理収納アドバイザー
14. 前各号の事業の海外展開
15. 前各号に付帯する一切業務
売上高は創業から3年ほどで1億円を超え、それ以来5年連続で増収増益を達成。取引先は主に東南アジアの小売店で、WEBで情報収集し、個別に営業をかけるスタイルだ。対応可能な言語は20カ国にのぼり、タイに30件、ミャンマー10件、マレーシア5件、フィリピン15件、台湾1件、カンボジア3件の固定取引先がある(2020年6月時点)。
代表取締役を務める高橋雅彦氏は、大学卒業後、サラリーマンを経て24歳で独立し、大手リサイクルショップのFC運営をおこなっていた。たまたま訪れたカンボジアで、高橋氏は貴重な体験をする。カップ酒の空き容器に、値段がついて売られていたのだ。日本ではゴミになるものでも、海外には需要がある。このことに気づいた高橋氏は一念発起し、日本の優良なリサイクル品を、海外向けに輸出販売する事業を立ち上げることに決めた。
海外で需要の大きい、高品質な「USED IN JAPAN」のリユース品を買取輸出
エコ・アースドットコムは、日本国内で不要となったものを買取(回収)し、国内向けと海外向けを分別し、海外で需要があると見込んだリユース品については輸出する。どうしても捨てなくてならないものは、できる限り分解してリサイクルする。
海外のバイヤーから最も評価される点は、「USED IN JAPAN」を扱っていることだ。高橋氏は語る。「日本の規格で製造されて、日本で使用されたものには人気があります。例えば鍋などは、中古でも取っ手がグラグラしないんです。丈夫で安心して使えるので、底が少々焦げていても喜んで引き取ってもらえますんですよ。これが他国の規格ならすぐ使えなくなることを、現地の人たちは知っているんですね」。タイからバイヤーが来日して倉庫を見学した際も、商品の質を第一にチェックしていたという。
日本人のリユース意識があまり進んでいない点も、エコ・アースドットコムの「伸びしろ」を示している。環境省が2016年5月に発表した「リユース読本」によると、2015年に不要品をリユースショップに持ち込んだ消費者は、全体の19.0%に過ぎない。ネットオークションやフリマアプリの活用例もあるが、売り買いともにリユースは活用しきれていないのが現状だ。「そもそも不要品の手放し方がわからない」というケースもあれば、リユースショップに持ち込んだ際に引き取りを断られた経験があり、それが嫌で結局ゴミに出してしまうケースも多いという。一口に「USED IN JAPAN」といってもクオリティが維持できなければ淘汰されるが、エコ・アースドットコムは“プロの目利き”による品質管理を徹底し、他社との差別化を図りながら、眠っている「資源」を掘り起こしていく。
エコ・アースドットコムは、これからも「大切に使われたもの」や「まだ使えるもの」を、「次に使ってくれる人々」につないでいく役割を果たしていく方針だ。営業面では、日本国内と海外を含めて100事業所を目指す。日本人が受け継いできた「もったいない」の心で、世界中を笑顔で満たしていく。
世界進出や新業態開発など、チャレンジ精神あふれる前向きな社風
2020年6月時点の従業員数は約100名(連結)で、うち外国人スタッフ(高度人材)が17名在籍している。平均年齢は38歳だ。海外取引が多いため商談などは英語を使う場合が多く、Alibaba.comやSNS、自社サイト経由の問い合わせ対応のために、通関士の有資格者や英語スキルを持つ人材の中途採用などもおこなっている。
エコ・アースドットコムは理念に「スタッフの幸福」を掲げるだけあって、残業は一切ない。入社後は先輩社員によるマンツーマン研修が7日間あり、その後はOJTで実践的なスキルを身につけていく。
今回の採用では、性別は不問。「トライすることがすべて」をモットーとしており、求める人物像は“常勝志向”の人材だ。走りながら問題点を改善していける人にマッチするだろう。自己の能力をもっと伸ばしていきたいという人にも最適だ。
エコ・アースドットコムは、日本の「もったいない」の心を大切に考え、“社会性のある事業”をおこなう会社だ。まだ使えるのに捨てられてしまうモノを引き取ることでゴミや廃棄物を削減し、必要としている海外の人々へ届けることで、モノの価値を見出して再活躍させる。それが、エコ・アースドットコムが中古品の輸出事業をおこなう目的だ。
その一つのカタチとして、エコ・アースドットコムはNGO団体「もったいないボランティアプロジェクト」の活動をサポートしている。これは収益の一部をミャンマーの孤児院に寄付する取り組みで、以前在籍していたミャンマーのスタッフから、現地の貧しい現状を聞いたことが活動のきっかけとなった。今では地道な取り組みの甲斐もあり、使わなくなった家具などを寄付してくれる人がだんだん増えてきているという。日本でゴミとして捨てられていくモノに新しい命を吹き込み、ミャンマーの子どもたちの生活支援、教育支援につなげる。世の中を見つめるあたたかな心とともに、未知の分野であっても積極的にチャレンジしようとする進取の社風を感じさせる取り組みではないだろうか。