各モールからの表彰も多数。急成⻑を遂げている総合通販サイト『PREMOA』
家電を中⼼とした総合通販サイト『PREMOA』を運営する株式会社MOA。EC事業と法人販売事業、プライベート・ブランド事業で構成されている。
2004年に誕⽣した同社は、家電サイト『A-PRICE』を運営。設⽴から10年⽬の2014年には総合通販サイト「PREMOA」にリニューアルし、デジタル家電通販から総合通販へと事業領域を拡大した。現在は総合通販サイト『PREMOA』をはじめ、楽天市場、Yahoo!ショッピング、Amazon、Wowma!、ポンパレモール、LOHACOなどの各モールに出店、運営している。
こだわりを持った豊富な“品揃え”。つねに安⼼感を提供する競争⼒のある“価格”。ニーズの変化やトレンドをいち早く読み取った“利便性”と“楽しさ”。つねに顧客の視点に⽴ち、満⾜度の⾼いショップを⽬指してきた。また、“利便性”という観点から、設置が難しい冷蔵庫・洗濯機などの⼤型家電やエアコンについては、設置サービスや設置工事も併せて提供。決済⽅法も種類を増やすなど、販売だけではなく様々な顧客ニーズに応える⼯夫も積み重ねている。
こういった顧客満⾜度の追求は各モールから⾼く評価されている。例えば2018年の受賞歴は以下の通りだ。
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■A-PRICE楽天市場店
・Rakuten SHOP OF THE YEAR2019 総合…1位、⽣活家電ジャンル…⼤賞3年連続受賞
■PREMOA Yahoo!店
・Yahoo Best Store Awards 2018 総合…4位、家電部⾨…2位、テレビ・オーディオ部⾨…2位
■その他
・Wowma! BEST SHOP AWARD 2018 家電カテゴリ…⼤賞
・ポンパレモールグランプリ 家電・カメラ・オーディオ部⾨…2018年1⽉⽉間最優秀賞・5⽉⽉間最優秀賞
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同社のエントランスに並べられた上記各賞の表彰状やトロフィーを⾒ていると、各モールにとって、同社の事業が⽋かせないことが伝わってくる。
また、プライベート・ブランド事業も好調だ。同社が家電販売で培った経験を活かして2013年に⽴ち上げた『maxzen』(マクスゼン)。同ブランドの商品は、「より⾼品質に、より低価格に」をモットーに、余計な機能は省き、本当に必要な機能に絞った⽩物家電および⿊物家電が中⼼だ。
主⼒である液晶テレビは、楽天市場、Yahoo!ショッピング、Amazonなどで購⼊した顧客から⾼い評価を得て、つねに売上の上位にランキングされている。2018年に発売した電気圧⼒鍋は、EC販売だけでなくテレビショッピングやカタログ販売、百貨店などへ展開を開始している。商品全体として、今後60品⽬にまで拡⼤する計画があるそうだ。
同社の売上は、2018年度実績で437億円にのぼった。 “急成⻑を遂げている”という表現は、同社にこそふさわしいと⾔えるだろ
う。
デザイナーでも、デザインだけでは終わらない
同社の急速な成⻑は、商品の仕⼊れ〜販売に携わる営業部⾨、商品を届けるオペレーション部⾨、顧客と直接コミュニケーションを⾏うサービス部⾨…など、様々な部⾨の取り組みによって⽀えられている。今回注⽬したいのは、営業部⾨においてサイト制作を⼀⼿に引き受けているWebマーケティング課だ。
制作実務を⼿がけるデザインチームはマネジャー+デザイナーの7名体制。デザイナーは『PREMOA』『A-PRICE』担当が5名、『maxzen』専任が1名。それら6名のデザイナーのマネジメントを⾏うのが、マネジャーの⻄内進之介⽒だ。ここからは⻄内⽒のコメントと併せ、Webマーケティング課について紹介していく。
同社のデザイナーの最⼤の特徴は、デザインして終わりではない、ということだ。
「デザイナーはWebデザインのみ、コーディング(HTML、CSS、PHP、JavaScript)のみ…ではなく両⽅を担当します。さらに、⾃分が担当したページからサイト全体まで、UXも含めた改善も⾏います。アクセス状況を⾒て解析する、ヒートマップツールを使って、どのように⾒られているかを検証する…というように、デザインして終わりではなく、リリース後も常に改善を続けているのです」(⻄内⽒)
同社が掲げる「⾏動原則10箇条」の⼀つに、“オーナーシップ(Ownership)”がある。「私たち⼀⼈ひとりは、ビジネスの”オーナー(所有者)”であり、⽬標にコミットすること、周囲を巻き込むこと、短期だけでなく⻑期の視点で取り組むことを誓います」というのがその中⾝だ。デザイナーの実務に落とし込んだ場合、それは“担当したページやサイトは⾃分の店と捉えること”を意味する。つまりデザイナーは店⻑(オーナー)の側面も持っているのだ。
店の⾒栄えだけを作って終わりでなく、⾃分の店にはどのような顧客に来店してほしいのか。どのように店内を回遊してほしいか。どんな商品を⼿に取り、最終的に何を購⼊したか。購⼊しないで離脱したのは何故か。PDCAを回して、常に売上を伸ばすことに全⼒を尽くす。このような⾏動原則が、Webマーケティング課はもちろんのこと、全社に浸透している。
「ですから当社では、デザイナー⾃ら“こういうページにしたい”と提案してきます。例えば秋に向けて、⾷・芸術・スポーツなどのキーワードから商品を紹介するページを作る。あおり運転が問題になったときには、ドライブレコーダーの特集ページを提案してきたメンバーもいます。外部から集客するためにSEOのアイデアを持ち込んだり、ページの反応を⾒てメルマガを配信する仕掛けを作ったり…と、社内の豊富なツールを組み合わせて実⾏と改善を続け、売上につながったときには⼤きな達成感を味わえます。考えることがいっぱいあり過ぎて⼤変ですが、せっかく作るのですから、顧客の⽬線に⽴って成果を出していきたいですよね」(⻄内⽒)
同社では仕事にオーナーシップを持ち、⽬標へコミットすることを求められるが、その分やりがいも⼤きい。デザインだけでなく、コーディングやアクセス解析、成果改善まで、全てを担当するため、様々な経験を積むことができるだろう。
人事制度を刷新し、より⽬標を定量化。個⼈のさらなる成⻑を促す
2019年7⽉、同社は⼈事制度を刷新し、新制度がスタートした。社員⼀⼈ひとりが明確な定量⽬標を持ち、その⽬標を達成したら待遇にしっかり反映していくというものだ。Webマーケティング課においても、サイトやページのコンバージョン率の改善提案やセミナーや書籍で得た知⾒の共有など、デザイナーのアウトプットに関する⽬標設定が⾏われている。
「どこまでスキルアップしたいかはもちろん本⼈次第ですが、参加したい⼈はセミナーなどにもどんどん参加してもらっています。HTMLやCSSのスキルは必要ですが、⼊社してから様々な知識・スキルを習得した⼈はたくさんいますから。私⾃⾝、⼊社当初は『maxzen』の説明書のデザインを任されましたが、そこで初めてIllustratorを学びましたし。幅広い業務を⾏いながら、学んでいってもらえればと思います」(⻄内⽒)
ちなみに⻄内⽒は、同社に応募するデザイナーのポートフォリオをソースコードまですべて読み込み、書類上の経験だけでなくその⼈の潜在能⼒まできちんと確認しているという。
「その⽅の“やる気”や“向上⼼”は、そういったものをチェックすればある程度つかめます。必ずしも実務経験がなくても、デザインの知識・スキルが備わっていれば、あとは当社で成⻑してもらえればいいと思っていますから」(⻄内⽒)
実際に⽇々のサイト制作では、デザイナーが⻄内⽒にこまめにデザインを提出し、レビューを受けているという。経験の浅いデザイナーの場合、どうしても習得したばかりのスキルをデザインに反映したがる傾向がある。例えば、動きを持たせるスキルを学んだデザイナーは、「こういう動きのあるページはどうでしょう」と持ち込んでくるそうだ。その場合、⻄内⽒は「顧客には逆に⾒づらくなるから、そのアイデアは別の機会のためにストックしておこう」と、顧客視点に⽴ってチューニングを⾏うとか。このように同社ならではの経験値を積むことで、デザイナーとして成⻑していくことができるのだ。
「デザインだけではなく、解析も、集客も…というようにEC全般に関わることによって、デザイナーとして間違いなく成⻑できます。⾃分⾃⾝の成⻑も、会社の成⻑も、ともに楽しめる⼈と⼀緒に働けたら嬉しいですね」(⻄内⽒)
デザインで終わらない、店舗運営までのダイナミックな仕事に携わっているという誇りを持って働くことができる環境だ。