●【顧客対談】 国際自動車 下山取締役/クロスフォーメーション社長 中田
◆ハイヤー/タクシー/バスの旅客サービス 国際自動車株式会社は、1920年ハイヤー会社としての創設以来、国際の名称、kmのマークで親しまれてきた旅客自動車運送事業のリーディングカンパニーです。 2005年にこの国際自動車の基幹系システム再構築を手がけたのが、前職時代のクロスフォーメーション代表の中田である。
基幹系システムをわずか1年未満で、オープンシステムへ再構築
―お二人の出会いは? 下山:当社のホストコンピューターで外部運用されていた基幹システムのオープン系への再構築を検討していた頃。ちょうど3年前の2005年8月ごろでしたね。 中田:はい、そうですね。当時、私が転職活動していて、私が入社すれば、国際自動車さんの基幹システムの再構築が実現できると言うことで、前職のビジネスコンサルティングベンチャーへ7月に入社し、その翌月の8月には下山さんとお会いして、要件定義とアーキテクチャ設計を開始していましたね。 下山:何しろ時間的な制約があり、ベンダーのおもうがままになっていた既存システムをサービスレベルを維持したまま、先ずはダウンサイジングと言うことで、絶対に失敗は許されないプロジェクトでした。 中田:ええ、国際自動車さんの要となる営業管理・人事・給与・会計の基幹系システム構築プロジェクトでしたしね。オープン系にダウンサイジングすると言っても、大手ベンダーのアプリケーションサーバーを購入してJavaのJ2EEでソフトウェア構築なんて事にすると、逆にホストコンピューターよりコスト高になることもあり、新システムのアーキテクチャ設計には、頭を悩まされました。 最終的にオープン系の基盤技術には、MicrosoftのWindows2003サーバと.NETを採用し、その上に独自のアプリケーションフレームワークを.NET C#で開発しました。 ―どのようなアプローチを行ったのでしょうか? 中田:コスト削減と短期開発が目的でしたので、BPRなどの業務見直しなどは行わなかったのですが、もとのホストコンピュータのレガシーな業務アプリケーションは、4万行ものCOBOLステップからなるソフトウェアで、ドキュメントも無かったのでCOBOLのソースから紐解いて、どのような処理を行っているか?帳票やファイル処理などをひとつひとつ確認して、それを新システムのアプリケーションに移行しました。 下山:そう言えば、もとのホストコンピュータのアプリケーションが間違っていたなんてこともありましたよね。新システムで想定した結果と違う結果が出たなんてこともあって...。 中田:営業管理帳票など、実際の国際自動車さんの業務担当の方に確認したら、元の帳票の数値が間違っていたとかですね。 ―2005年8月から要件定義・設計を開始されて開発期間はどのくらいだったのでしょうか? 中田:開発期間は8ヶ月。2006年の3月末までで新システムのテストを終了しました。 下山:4月から新システムと旧システムを並行稼動させて、2006年の9月には旧システムを停止しました。
基幹システムフレームワーク
―かなり早い期間で稼動させたのですね? 短期間で開発できた秘訣は何ですか? 中田:.NET上に独自のアプリケーションフレームワークを3ヶ月程度で新規開発し、アプリケーション開発の部分を出来るだけ少なくしたと言うのが大きいです。これによって、共通化を図ったり、アプリケーションそのもののプログラミングを不要にしたり、運用の部分もフレームワークで吸収するような仕掛けやアプリケーションを追加しやすい仕掛けをしています。 下山:そう、将来的にもアプリケーションを迅速に追加できる仕掛けなど、しっかりした基盤を構築して頂きました。 中田:ちょうどSOA・WebサービスやXMLなどの新技術が活用できる時期でしたので、フレームワークも短期間で開発することが出来ました。具体的には、新しいアプリケーションを追加するとか、例えば営業所が増えてそのインターフェースを追加するとかがある場合は、XMLの定義ファイルに追加するだけで、あとはフレームワークがコントロールして実際の動作まで行ってくれると言うものです。 XMLに何をしたい、どのようなデータにアクセスしたいとかどのような帳票を出したいと言う定義をするだけで、自動的にフレームワークが処理してくれる仕掛けもあります。プログラムをごりごり書くようなことはいらない。 このフレームワークの考え方や長年のスキル・ノウハウを応用して、現在、当社においてJavaベースで新規開発し、Ruby On Railsなどの画面系の開発部分とSOAにて連携し、Linuxなどでも動作できる仕組みに進化させました。 ―開発の要員は何人ぐらいだったのですか? 中田:最大で10名程度ですね。私のプロジェクト遂行方法は、少数精鋭で通常のプログラマーの3人分ぐらいを1人でこなすような、スペシャリストを集めて実現します。そのようなスペシャリストたちとのコネクションが、当社の強みでもあります。
年間の運用費用を1億2千万円削減
―新システムでの効果は? 下山:ひとつ目は当初の目的であったコスト削減。新システムによってこれまで年間2億円かかっていた運営委託費用が、年間8000万円(保守運用費用)に削減できた。今までは外部のシステム会社に運用・保守を全面的に委託していたため、ブラックボックス化していて、帳票を1枚新たに作るのに1人月、100万円を当たり前に請求されていましたからね。 同時にITの主導権を自社が握ることで、新しいアプリケーション開発が社内ですぐにできるようになった。ITが足かせにならず、新しいことへのハードルが低くなったのが最大のメリットです。 ―クロスフォーメーションへの今後の期待は? 下山:大手のIT会社は、大手の強みとして「組織力」と言う物を持っていますが、企業の抱えている課題に対して、「人」のマンツーマンで対応してくれるのが、クロスフォーメーションさんの強みですね。 「人」としての信頼関係で、親身になって対応して貰えたり、ひとりひとりのコンサル力や技術力が高く、クロスフォーメーションさんは、まさにそういうベンチャー企業のままであって欲しいです。 中田:今後も国際自動車さんやさまざまな顧客企業の課題解決支援を行いながら、ITコンサルのみならず幅広くチャレンジして行きたいと思います。
