業界No.1のコストパフォーマンスなどが強みの『Shopアプリパッケージ』
Web系システム開発会社の、ウェブニクス株式会社。東京(営業・ディレクション)、福岡(SE・設計)、ベトナム(PG・開発)のハイブリッドの拠点体制で、受託開発と自社独自パッケージの両輪で事業を展開している。
受託開発においては、100%直取引にこだわる。勤怠管理や顧客管理といった業務効率化に直結するシステム開発やアプリの開発、および自社サービスを擁してビジネス展開を図るクライアントと共にプロダクトを開発することを得意としている。例えば、ホテルのコンサルティング会社がクライアントに提供する、ホテルの運営管理業務を効率化するパッケージ開発などのケースがある。
自社独自パッケージとして目下力を入れているのは、『Shopアプリパッケージ』。店舗の繁盛に必要な次の7領域の機能を提供する。
●Branding:テンプレートを使わないオリジナルのUI、他者が介在しない独自運用の集客によるブランディングが可能。
●Communication:プッシュ通信無制限配信、タイムライン配信、ニュース配信、1to1チャット機能、マイギャラリーという充実したエンドユーザーとのコミュニケーションチャネル。
●Service:スタンプカード、クーポン配信、ポイントカード、メンバーズカードの各機能によるロイヤルカスタマー創出支援。
●Management:支店用アカウント、自由な店舗プロフィール設定、利用者統計・分析、顧客管理、アンケートの各機能で店舗に応じた顧客動向のチェックと適切な管理を実現。
●Interactive:予約・問い合わせ受付フォーム、自動返答チャットBOT、マイギャラリー、予約管理機能でエンドユーザーとの双方向コミュニケーションによる集客を支援。
●Content:ギャラリー・カタログ、ショップ情報、ウェブビュー、支店検索、Googleマイビジネス連携という豊富な情報提供を実現するコンテンツ機能。
●Innovation:ECビュー、ECクーポン、ECポイント・スタンプ、ECギャラリー、サブスクリプション管理、チケットの各機能によるオムニチャネル化や新たな収益軸を創造。
『Shopアプリパッケージ』は、①これらの豊富な機能が月額1万5,800円で使い放題という業界No.1のコストパフォーマンス、②導入後の顧客獲得や会員管理、アプリ活用、アプリ効果レポート提出、定期サポートといった徹底的なサポートプログラム、そして③徹底したユーザー目線でのUI・UXという3つの強みを持つ。
「2015年にリリース以来、300件ほど導入しましたが、全然少ないと捉えています。しかし、ようやく市場が熟し、大きなビジネスチャンスを迎えています。この『Green』で体制を増強し、2021年3月期で500件、2022年3月期で1000件の導入を目指して取り組んでいきます」と代表取締役の山本茂樹氏は意気込む。
ビジョンは「世界一のワクワクを創造する企業になる」
同社の設立は2007年4月。それまで山本氏が個人で手がけていたメディア運営によるアフィリエイトビジネスを本格化させるべく、法人化した形だ(インタビュータブ参照)。
「最盛期で10人ほどのアルバイトに手伝ってもらいながら、かなり儲けることができましたが、2013年頃になると伸び悩むようになりました。そこで市場や経営の研究をして、これから伸びる分野としてWebシステムに領域に着目し、スマートフォンアプリ開発にテーマをシフトしたのです。そして、受託開発を手がけるとともに、新たに『OWL SOLUTION(アウルソリューション)事業部』を設けて独自のアプリパッケージの開発に乗り出しました。その第1弾が『Shopアプリパッケージ』です」と山本氏は説明する。
この時点で、山本氏は次のビジョンとミッションを定める。
●Vison:世界一のワクワクを創造する企業になる
●Mission:中小企業のITリテラシーを高める
「ITは、人々がワクワクするような未来を見せることができるツールです。これを駆使して、お客様や社員、家族、そして自分自身がワクワクできる環境をつくる会社にしていきたいと思っています。そのためにも、目の前のお客様である日本の中小企業のITリテラシーを高めるお手伝いをしたい。GDPの成長がほぼストップした日本は、海外との競争力に翳りが見えています。特にIT分野は遅れている。アメリカや中国は有力なベンチャーが続出して新陳代謝が活発に起きていますが、日本にはありません。だからこそ、日本の中小企業にITの素晴らしい機能を提供し、リテラシーのレベルを高めること貢献したいのです。特に、クリエイティブな発想力のある人を支援してプロダクトを開発し、世の中を変えていくお手伝いをしたい。また、業務効率化による収益拡大を支援して世の中の活性化に貢献したいと思っています。我々はそんな“縁の下の力持ち”になりたいですね」(山本氏)
なお、『Shopアプリパッケージ』のほかに、団体やサークル活動を管理するアプリもリリースしている。今後、オリジナルのアプリ開発に積極的に取り組んでいくという。さらに、ディレクター職のSESサービスもスタートさせ、3本目の柱に育てていく構えだ。
事業運営の基軸は、“ワクワクの創出=コミュニケーション力×創造力×技術力”
2020年5月現在、国内11名(アルバイト含む)、ベトナムに63名という体制。国内の平均年齢は27歳と若いチームだ。事業運営の基軸は、“ワクワクの創出=コミュニケーション力×創造力×技術力”という公式に置いている。
「コミュニケーションとは、自分の考えを一方的に相手に伝えるのではダメで、相手にとって価値のある情報とは何かを理解し伝えるようにしなければならないとの思いがあります。あるブランドの商品が半額で売られていたという情報も、そのブランドに関心がない人には価値がありません。メンバーには、そこを意識するように仕向けています」(山本氏)
この促進のため、社内のチャットワークでのやり取りで「いいね!」がつけば30円のピアボーナスを支給。半期ごとに集計し、MVPを選出して表彰している。
また、チームビルディングのために、BBQや花見、ゲーム大会、歓送迎会といったイベントも多い。
“創造力”においては、毎月「ワクワク会」というイベントを開催。社員が持ち回りでテーマ設定をし、テーマに沿った研究内容を発表し共有、創造力を養うという内容だ。創造力を競うトーナメント制のゲームも行うこともある。また、イベントの後では懇親会を開催し、メンバー間のコミュニケーションを深める機会もつくっている。
“技術力”においては、基本情報技術者や応用情報技術者の資格取得者には1万円の手当を支給し取得促進している。
そして、仕事に全力投入できるようにするため、ワークライフ・バランスの充実にも力を入れている。山本氏は次のように話す。
「たくさん働いて稼ぎたいというカルチャーが濃いベトナムには多少の残業をしてもらっていますが、国内においては残業はありません。営業とディレクションを手がける東京と、要件定義や設計を手がける福岡、プログラミングを手がけるベトナムと工程を分けて管理運営することで、効率的なワークスタイルを実現させているからです。一般的に、残業の中身は人によってまちまちで、一律の残業代は不公平。ですから、定時内でどれだけ中味のある仕事をしたかというパフォーマンスで評価しています」
そんな同社が求めるのは、同社のビジョンやミッションにワクワクできる、ITやコミュニケーションが好きな人。
「面接の時、当社のビジョンやミッションをじっくりお話しします。その話に目が輝くかどうかが選考基準となりますね。一方、ベンチャーにつき必要な能力は自ら勉強して身につける方を求めているので、当社で学ばせてほしいといった方はご遠慮いただいています」と山本氏は期待を寄せる。