エンジニアを志したきっかけをお話し下さい。
大学の研究室がたまたまLinuxを使っていまして、そこでコンピューティングに関心を持ち始めたことがエンジニアを志したきっかけです。オープンソースの世界に魅了されました。 オープンソースの魅力は、世界が開かれていることです。誰でも公開されているプログラムを元にシステムを構築して再配布することが出来ます。また世界中のエンジニアが参画しているので、進化のスピードも早い。常に最先端の技術でシステムを開発出来ることが大きな魅力です。 ただ、新卒で就職した会社には4年間在籍しましたが自分が思ったような仕事をすることは出来ませんでした。そこでオープンソースを使って自社サービスを構築して提供しているITベンチャーに転職しました。そこはまさに自分が思い描いていた世界でした。オープンソースの技術をふんだんに使って開発が出来るだけではなく、一人ひとりが主体的に仕事に取り組むという文化に大きな影響を受け、起業を志すようになりました。
AIシステムやロボットシステムの領域に進出したきっかけをお話し下さい。
今、資本提携を結んでいる神戸の会社からロボットシステムを使った自動選別機械開発の相談を受けたことがきっかけでした。もともとAIやロボットには興味がありましたので、相談を受けて独学で知識を習得しました。 もともと自動化の装置はありましたが、最終的には人間の手で選別しなければならず、完全自動化は出来ていませんでした。独学で一通り知識を身につけた後、ロボットメーカーなど外部の専門会社の協力を得ながらなんとか納品までこぎつけました。 このお客様とはその案件がきっかけとなって信頼関係を深め、その後は販売管理システムや生産管理システムなどの助言などもさせていただくようになりました。今も、営業支援システムの開発をご依頼いただき、開発中です。
髙橋社長がエンジニアとして大切にしていることをお話し下さい。
お客様が必要としているシステムを開発することです。それはお客様自身わかっていないことが多いです。お客様の話を聞くだけではなく、業務フローを確認するなどして要件を紐解き、「実際はこういうものを作りたいのでは?」それではこういった手法やこういった機能を開発したりいうコンサルティング力が求められます。お客様が「これを作りたい」と言っていることは氷山の一角に過ぎません。言われた通りに作っても何も解決出来ないことが多いです。言われたものを作るだけなら誰でも出来ますので、全体を見て課題の本質を見抜いた上で開発していかなければいけません。 また、エンジニアは常に学習していくことが求められる職業だと思っています。技術は日進月歩で進歩していきます。何も学習しなければ置いて行かれるだけです。私はそういう時代から置いて行かれたエンジニアを沢山見てきました。常にアンテナを広く張って、新しい技術を獲得しながら、お客様と一緒に考えて、確認しながらやっていかなければいけません。
エンジニアに優しい会社にしたいという想いの背景にはどのような経験があるのですか。
新卒で入った会社はSIer事業をやっている会社で、4年間客先常駐で開発に携わっていました。“IT土方”という表現がありますが、SIer業界はその典型的な業界です。2社目のベンチャー企業とは正反対の文化でした。2社目の会社は自社サービスでBtoCなので利用者の声がダイレクトに届きます。その評価が売上に直結し、使い易いシステムが出来れば売上が上がりますので、自分が作ったもので会社の売上に貢献出来ている実感が持てます。エンジニアとしての楽しみや仕事のやりがいは、圧倒的に自社サービスの方が高かったです。 IT業界には嫌々仕事をしているようなエンジニアは少なくありません。私はいくら頑張っても報われないような仕事をしている人を沢山見てきました。だからこそ弊社で働く方には、エンジニアとしての幸せや仕事のやりがいを感じながら働いてもらいたいと考え、直契約と自社サービスにこだわって行きたいと考えています。また、システムの仕様も頭ごなしに決めるのではなく、各担当者の意見を尊重する方針です。使う言語やツールなども基本的には自由に選択していただけるようにしたいと考えています。
今後、会社としてどのような事業展開を予定されていますか?
ありがたいことに、当社のシステム受託開発事業は順調に成長を続けています。 現在はこの事業に加え、これまで培ってきたAI開発の経験とシステム開発の知見を活かし、自社サービスとしてAI開発プラットフォーム「ID ZERO(アイディーゼロ)」の開発・運営も行なっています。 AIはすでに企業活動の一部として定着しています。 業務効率化・自動化、意思決定支援、製品・サービスの高度化、セキュリティ・リスク管理、あらゆる領域で活用されています。 しかし、生成AIのような汎用型ではなく、業務や設備に特化した“特化型AI”の開発・運用では、PoC(概念実証)で止まってしまうプロジェクトや、設備との連携に課題を抱える企業は依然として多く存在しています。 ID ZEROは、こうした“導入前の壁“、“導入後の壁”を乗り越えるために設計されたAI開発プラットフォームです。 今後はこの「ID ZERO」のさらなる拡大を計画しており、すでに複数のプロジェクトが進行中です。