テクノロジーで仕事の「あり方」を変えたい
Salesforceに専門特化して、システム開発を行うSI事業とプロダクト事業を行う株式会社サンブリッジ。2つの事業を通じて、クライアント企業のデジタル・トランスフォーメーションを支援している。
1999年よりSalesforc Japanの立ち上げ及びSalesforceを活用したシステム開発の先駆者として事業をスタート。現在、社員数約120名のベンチャー企業でありながら、Salesforce社の国内トップの開発パートナーである「プラチナパートナー」としてそうそうたる大企業の中に名を連ねている。
SI事業では、Salesforceの導入・定着化支援を軸に、MA、SFA、CRMのそれぞれの分野における最適な開発・コンサルティングを提供することでクライアント企業のデジタル・トランスフォーメーションを支援。また、Salesforceに限らず、Amazon Web Service(AWS)などWebオープン系の仕組みと連動して動けるようなクラウド連携を実現させている点も、他社の追随を許さない大きな特徴だ。
「当社くらいの規模であれば、通常ならMA、SFA、CR等のどれか1つに特化して開発及び営業効率を上げるものですが、当社は全てに対応しています。しかも、それを大企業よりも軽いフットワークでスピーディーに行います。なぜそれにこだわるのかというと、お客様の本質的な課題を解決したいからです」
そう語るのは、代表取締役社長の梶川拓也氏。Salesforceの一番の特徴である、見込み客の獲得から育成、営業活動、アフターフォローに至るまでの「商売に必要なすべて」を事業として網羅することで、顧客の本質的課題を解決。カスタマーサクセスを実現し、お客様に喜んでもらいたいと本気で考えているのだ。
「正直、とても大変な仕事です。でも、これがしっかりできれば、お客様の本質的な課題が解決できるだけでなく、自分たちにとっても貴重な経験・キャリアになります。目指しているのは"単能工"ではなく"多能工"のビジネスで、複数の専門性を活かせる人材を育てること。それをチームワークでやり遂げることで、市場価値は間違いなく上がります」(梶川氏)
クライアントに対してこうしたきめ細かいサポートを行おうとすると、どこかに抜け漏れが見つかったり、「もっとこんなツールがあった方がいいよね」とひらめきが生まれるケースは多い。それに対応するために、もう1つの柱として自社プロダクトの開発にも力を入れている。
代表的なものが、名刺管理サービスの「SmartVisca」だ。Salesforceと連動しているため、売り上げにつながる営業活動のために名刺活用が可能だ。2018年にはSalesforceのAppExchangeで販売された大企業向けアプリケーションとして1位を獲得するなど評判は上々で、さらなる伸びが期待されている。
SaaSやクラウドなどの導入意欲が高まっている今だからこそ、テクノロジーを通じて仕事の「あり方」を変えることをミッションにする同社。この点について、梶川氏は次のように語る。
「Salesforceの多様なツール群のおかげで、多くの企業は仕事の「やり方」を劇的に変えることができています。ただ、表面的なアプローチだけではやはり定着化は難しいのも事実です。だからこそ我々がこだわりたいのは『現場の日常使いに耐えられるシステムやテクノロジーの提供』です。その時には「やり方」よりも前に、「その仕事は何のために、なぜやるのか?」をしっかり提案し、納得していただきたい。それこそが本質的な課題解決につながる道であり、一番のカスタマーサクセスだと考えているんです」
採用と育成を支える「適者生存」という哲学
サンブリッジには、採用と育成に哲学がある。それが、「適者生存」だ。
「最強のものが生き残るのではなく、環境に最も適応したものが生き残る」という考えで、生物学的には「生きとし生けるものは全て、向き・不向き、得意・不得意、得手・不得手がある」ということを表している言葉だ。
「長く生き延びている生物は、自分に向いている環境や得意が生かせる環境を選択する能力が高く、それができない生物は死滅するということで、つまりは、親和性が高い環境を選ぶ能力がとても大事だということです。これはまさに職業選択と一緒ですよね。求職者は自分の向き・不向き、得意・不得意、得手・不得手を言語化するべきだし、会社側も自分たちのビジネスや対象とするお客様から考えて、自社にとっての向き・不向きを言語化できるはず。なのに、『いい会社がわからない』とか『いい人はいない』みたいなことをずっと言っている。これっておかしくないか、と」(梶川氏)
世界で活躍するプロスポーツ選手の多くが、小さい頃から10年、15年、20年と「修行」を続けた結果、天職といえるものを自分の手で掴み、プロとしてその道で成功している。それになぞらえて、梶川氏はさらに続ける。
「その修行が新卒時から始まるのが社会人だからこそ、15年、20年経った40代くらいになってようやく自分の天職が何なのかわかるはずです。そのためには、とにかく早いうちから場数を踏むしかありません。その時に、当社と環境親和性が高い人にとっては、サンブリッジは間違いなく「良質な修行の場」となると思います」(梶川氏)
では、同社と環境親和性の高い人とは、どんな考え方の人だろうか。
「当社のお客様は法人なので、合理的な購買意思決定をされます。そうなると、感覚よりはロジカルで合理的な考え方の人の方が環境親和性が高いですね。加えて、ラッキーに期待するよりも地力をつけたい人、一発当てたい人よりは地に足がついている人、雰囲気で仕事がしたい人よりも手に職をつけたい人、そして博打の才能よりも努力の才能の方々が、力を発揮できるでしょう。」(梶川氏)
加えて、梶川氏はサンブリッジの社内文化を「プロ意識が高いこと」と語る。プロ意識を持ってチームプレーに徹し、お客様に喜ばれる存在でありたいと考える社員たちが多数活躍する職場は、まさに「進化し続けるチームプレイヤー」が育つ環境なのだ。
成長を志す人にとって最高の環境へ
梶川氏は今年7月に社長に就任したばかり。2017年にサンブリッジにジョインして以来、CPOとして人と組織の改革を進めてきた。組織づくりについてはどのように考えているのだろうか。
「当社の事業はロジカルにスピーディーにやった方がうまくいくことが多いですが、組織課題の解決は真逆であることが多いですね。人はロボットではありませんし、本人が伸びようと思わなければ成長は無理です。だからこそ、基本は「任せて任せず」。待つことが大事な場面が多いですね。一人一人の強みが発揮できる仕事を設計し、そのためのチームや箱を作り、育成環境を整える。地味で難題も多い仕事ですが、当社としてはとっても大事なことで、それこそが私の仕事だと考えています」
ただし、「当社に入ればどうなれるとか、どんな損得があるかといったことは、基本的には保証しないですね」とも話す。
「なぜなら、会社は個人をどうすることもできないからです。もちろん、成長のための仕組みはたくさん作りますし、すでに当社はその点ですごく充実していると思います。ただ、そこに本質はありません。自らが成長したいか、そのために努力するか、それが全て。自らを律して修行したい人や、自分のキャリアを自ら切り拓きたい人には、最高の環境を用意しています」
その言葉通り、修行するための環境づくりには特に力を入れている。資格取得の費用は全て会社持ちで、報奨金も用意。職種別のラーニングジャーニーも整えてあり、オンボーディングの支援もしっかり整えてある。勉強のための場も豊富で、外部の勉強会にも積極的に参加する風土が根付いているという。
「それでいて、残業はほとんどないですね。当社は基本的に『ちんたらやっているのはダサくない?』という考え方をしていて、時間ではなく結果で評価します。だから頭で汗をかきながら、効率よく働こうとする人が多いんです。皆が有給を積極的にとっていて、オンとオフのメリハリがしっかりしている社員ばかりですよ」
現在はSI事業が売上の7割を占めているが、ゆくゆくはSI事業とプロダクト事業を半々にするところまで持っていきたいと意気込む。理想として目指すのは、「アクセンチュアとアトラシアンが合体したような会社」だと話す。どちらの事業もまだまだ伸び代があるからこそ、「1流の会社を目指して、皆でチャレンジしていく楽しさがありますよ」と梶川氏。
「コロナウイルスの影響もあり、5年間の変化が5週間で来たようなインパクトの中で、私たちはスピード感と変化にさらされています。それはまさに『適者生存』ではないでしょうか。人は必ず、環境親和性の高いものを持っていますから、まずはそれをしっかりと考えて、それに見合った職業選択をすべきです。その流れの中でサンブリッジに興味を感じていただけたのであれば、ぜひお会いしたいですね」