株式会社逸品堂

株式会社逸品堂はノベルティグッズの企画・制作・販売を行うスタートアップ企業である。取引先はカーディーラーをはじめ、住宅メーカー、プロスポーツチーム、大学等、名前が知れた大手企業・法人ばかりで、東京と大阪を中心に全国に広がっている。

ノベルティグッズには、夏はうちわ、冬はカレンダー、またポケットティッシュやウェットティッシュ、タオル等の衛生用品から、ボールペン、クリアファイル等の文具、他にも入浴剤や洗剤、台所用品、さらに食品まで、幅広いアイテムをお客様の課題を聞き、企画提案している。

弊社の強みとしては、先に挙げたような有名な大手企業と直接コミュニケーションを取り、企画提案から制作、納品までを一気通貫で行っている点だ。

通常、このような大手企業の場合は広告代理店が一括して受注し、制作はそれぞれ下請けの専門会社が受け持つという構造になっている。ノベルティ会社もその一端に位置し、場合によっては、三次請け、四次請けということも珍しくはない。

このような構造になる最大の理由は、ノベルティ会社が広告代理店のような営業力と提案力を持たないことである。
そこで、同社は営業力と提案力を磨き、他の会社との差別化を図ったというわけだ。2016年創業で2018年頃から本格的にノベルティグッズ市場に参入したばかりの逸品堂が取引先を拡大できていることがそれを証明している。

「客層やマーケットを考慮し、ただアイテムを紹介するだけではなく、具体的にどのように使うかまで提案します。カーディーラー様や住宅会社様の場合、３０代前後のファミリーが店舗に訪れた際にお子様の気を引き付けるような お菓子やおもちゃをプレンゼント、または賑やかしのイベントを店頭で行うことにより、お子様に連れられて意志決定者の足をとめることが出来る。など単純に物を売るだけではなく、ストーリーも提案している会社です。

広告代理店を通さない分、卸値も安い。生産工場との取引もほとんどがダイレクトであるため、適正価格で提供できることも顧客に喜ばれる要因の1つとなっている。

「決して安売りはしていません。ビジネスとして利益の最大化は図ります。ただ、お客様に不審感を抱かれる商売はしたくないというのが大前提にあります」（細谷氏）

細谷氏は香川県出身の33歳（2020年2月現在）。社会人になってからは、大手印刷会社と広告代理店で営業職に従事。広告代理店では東京支店の開設にも携わった。現在、ノベルティ事業でエンドユーザー企業との直取引を可能としているのは、これまでに培った営業と企画提案のスキル、そして生産工場とのネットワークがベースにあるからである。また、直取引と適正価格にこだわるのも、広告代理店時代の経験が根底にある。

「直取引はエンドユーザーの顔が見えて楽しいです。私達が提案して納品したノベルティグッズを使って実際に集客効果が上がった、お客様に喜んでもらえたといった声をダイレクトに聞くことが出来ます。弊社は納品後、そのアイテムを使ったキャンペーンやイベントが終わった後、必ず電話を入れて聞くようにしています。そういったコミュニケーションが、次の提案にも繋がるのです」（細谷氏）

「私達の武器は、お客様とのコミュニケーション力と提案力。ノベルティグッズの相談窓口としてお客様のビジネスに貢献したいと考えています。また、この武器があれば、一気にシェアを伸ばすことが出来ます。業界トップクラスも夢ではありません」（細谷氏）

その目標に向けて現在取り組んでいるのが、ノベルティグッズのECサイトの構築である。外部パートナーと共に2020年4月のオープンに向けて構築を進めているところだが、オープン後の運用は内製化していく予定だ。その運用を担うのがこれから新設するWEB事業部である。サービスの企画からサイトの更新や改善、マーケティングまでを担う同事業部の中心に立つ人材を募集中だ。

「営業活動を通してニーズがあることを確信しました。人力では限界がありますので、WEBを活用して一気に攻めて行きたい。まずはWEB事業部のマネジメントが出来る人材を採用し、立ち上げから関わってもらいます」（細谷氏）

今後数年間は、WEBを含めてノベルティ事業を軌道に乗せることを最優先課題として注力していくが、ある程度軌道に乗せた後は、そこで築いた生産工場とのネットワークや商品開発、WEBマーケティングのスキルを生かした新規事業にも挑戦していく考えだ。

視野に入れているのが貿易事業である。既にノベルティ事業で扱っている商品、特に鰹節や梅干し、うどん等、地域の名産品には、過去に築いてきた海外の人脈を通して引き合いが来ている。数年後には具現化に向けて動き出す予定だが、その際には、海外のバイヤーに向けて多言語サイトを構築する等、WEB事業部の力が必要な場面も出てくるだろう。


「そのような横展開を実現するためにも、一段一段着実に段階を踏んでいきます。社員自身が“こうしたら面白いのでは”と考えるようになることを期待していますし、芽のあることは会社としてもチャレンジしていきたいです。将来的には分社化してホールディングス体制へとシフトしていくことが目標です。それが実現した時には、事業会社を引っ張っていってもらえる人材の輩出にも力を入れていきたいと考えています」（細谷氏）

WEB事業を任せられる人材が集まった後には、WEBからの注文や電話の問い合わせ対応等のオペレーション業務を担う人材や、ノベルティカタログの刷新をスピーディに行うための制作スタッフ等のスタッフも予定している。

「私自身について言えば、バイタリティでは人に負けない自信があります。それで人生を切り開いてきた自負があります。無茶苦茶気が強いとか、とっても几帳面とか、どのようなことでもよいので面白い個性を持った人の参画を待っています」（細谷氏）

今後、貿易事業をスタートする際には外国人も採用する。多様なメンバーが集まって、顧客や社会にユニークな価値を提案・提供しながら成長していく。それが、細谷氏が目指す逸品堂の未来だ。