事故車修理費見積りシステムのパイオニアが見据える第二創業期
コグニビジョン株式会社は、自動車(部品を含む)の価格や修理費見積り関連のデータベース、およびアプリケーションソフトの作成・販売を行っている会社だ。1974年10月、日本アウダテックス株式会社として損害保険会社などの共同出資により設立され、ドイツで開発された事故車の修理費算出システム「アウダテックスシステム」を参考に、日本の環境にあわせた独自の事故車修理費見積りシステムを構築・提供してきた。東京・西新宿に本店、福島県福島市に福島データ開発課を置く。
2019年10月に、コグニビジョンは前身の日本アウダテックスから数えて、創立45周年の節目を迎える。2017年4月に現社名へと変更し、現在を第二創業期として位置付ける。第一創業期では日本における事故車修理費見積りシステムのパイオニアとして、自動車関連業界、損害保険業界に広く受け入れられ、業界の一翼を担うところまで成長を遂げた。第二創業期では、コグニビジョン最大の強みである「事故車修理見積りシステム」を主力の事業ドメインとしつつ、周辺領域へのコンテンツ拡充も急速に進めていく。
社名の「cognivision」は、「認知」や「経験・事実的知識に基づいた」という意味を持つ「cognitive」と、「先端視点」という意味の「vision」を掛けあわせたもの。これまで培ってきた経験とcognitiveな技術を用い、先端的な視点をもって進化していく姿勢を表現している。社名に込めた想いを体現するため、コグニビジョンはユーザーにとってより役立つシステムや、価値の高いデータを提供すべく、新たな技術や分野に果敢に挑戦していく。
自動車業界は、ハイブリッド車や電気自動車の普及、自動運転技術の進展など、大きな転換期に直面している。日本アウダテックスとして日本の自動車社会の発展に大きな影響を与えたように、第二創業期でも新たな時流をつくり出し、「コグニビジョンだからできること」に取り組んでいく。自動車関連業界、損害保険業界、社会全体に貢献し、選ばれ続ける企業を目指す。
数々の強みを活かし、カーアフターマーケットの“ハブ”を目指す
主力製品「コグニセブン」は、国産車向けの自動車修理費見積りシステムだ。コグニビジョンは、「コグニセブン」をはじめとするソフトウェアの企画から開発、販売、アフターサービスまで、すべて自社で手がけている。
「コグニセブン」は、簡単な操作とわかりやすい画面表示、豊富で正確なデータが特徴。誰でも簡単に見積書を作成できる。画面上のボタンを押すと、作成した見積書を画像とともにそのまま保険会社に伝送できる。そのため、車両情報などを再度入力する「データの二重打ち」の必要がない。また、他社の自動車整備業ソフトとも連動し、顧客や車両・売上管理まで一貫して行うことが可能だ。
コグニビジョンは、大きな強みを2つ持っている。1つは、45年間に渡り築き上げてきた強固な関係性、信頼性だ。自動車修理工場や保険会社など、ステークホルダーたちから集まる情報を分析・連携できるのは、システム開発会社として大きな優位性だ。もう1つの強みは、蓄積してきたデータそのものだ。現在、AIを使って部品データや修理データをつなげる研究も進められている。こうしてカーアフターマーケットの“ハブ”的な存在になることが、コグニビジョンの5年後、10年後の未来像だ。
そのために必要なことは、商品とサービスの絶え間ないブラッシュアップである。開発・販売するソフトウェアは、現在進行形でステークホルダーやユーザーの声を取り入れ、レスポンスを速くしたり、情報同士をつなげて効率性を高めたりするなど、日々改良を重ねている。そうした細かい改修に尽力しつつ、最先端のテクノロジーも導入していく。
一方、新しいハードウェアの研究開発も進めていく。画面の見やすさ、ボタンの押しやすさなど、いわゆるUI(ユーザーインターフェース)やUX(ユーザーエクスペリエンス)デザインにおいて、より使い勝手の良いハードウェアの探求も積極的に進めている。また、「人」への投資も重点的におこない、経験豊富な人材を積極的に採用していく。
開発へのこだわりや信念とともに、プライベートも大切にする風土
2019年4月1日時点の従業員数は182名で、男女比は男性:女性=6:4となっている。女性の役職者が2名在籍しており、産休・育休を終えた94%の女性が復帰するなど働きやすい職場だ。月平均の残業時間は19時間(会社全体)で、毎週水曜日と毎月10日・20日にはノー残業DAYが設けられている。休みは完全週休2日制(土日祝)で、年間休日は120日以上。特別連続休暇(5日間)、リフレッシュ休暇、ゆとり休暇、サンキューパパ休暇など、独自の休暇制度も設けられている。
自動車や自動車保険についての知識を1から学べるため、業界知識がなくても選考の不利にはならない。入社初年度には業界知識を基礎から学ぶ集合研修(社内各部署)や、自動車構造の通信研修などがあり、その後も、事故車見積りに関する実地研修(協力会社や損保会社主催)などがおこなわれる。ITスキル面では、社内外のセミナー受講や、展示会への訪問、就業後に勉強会を開催するなど、社員が主体的にスキルアップに取り組んでいる。必要に応じて、SMBCビジネスセミナー(SMBCコンサルティング株式会社)や、ロジカルシンキング、コミュニケーションスキルなど社会人としての基礎力を上げる研修も受けることができるなど、社員の成長への投資は惜しまない。
全社行事としては、進発式(4/1)、創立記念式(10/1)、納会(年末)がある。サークル活動も活発で、野球やフットサル、ナイトマラソン、サバゲー、バンド活動、映画鑑賞、工場見学など、自由に企画し参加できる。社員間のコミュニケーションを支援する目的で、社内交流に対して年間2万円まで補助する制度もある。
今回の採用では、性別は不問。必須の資格はないものの、主体的にスキル獲得に取り組んでいる証として、何かしら持っていると有利になるだろう。求める人物像は、コミュニケーションを取りながらチームで開発したい人。そのほか、自社開発に取り組みたい、業界No.1の企業で働きたい、という人にもフィットするだろう。
残業が少なくメリハリをつけて働けるため、高い技術力や経験があるものの、ブラックな環境に疲れたため今後はライフワークバランス重視で、腰を据えて開発していきたい、そんな人にとっても最適な職場だ。