株式会社Kompath

株式会社Kompathは、医療現場用の画像処理に特化したプロダクト開発を行うITベンチャー企業だ。

同社と東京大学医学部脳神経外科などとの共同開発による精緻な3D解剖学アトラス『iRis（アイリス）』を皮切りに、DICOMビューワーアプリ『eMma』や、DCOMデータから3DCGを作成するためのUnityベースの開発プラグインなど、医師の視点を取り入れた「医療の現場で本当に使えるプロダクト」をリリースしている。

創業者でありCEOを務める道家　健仁氏は、東京大学工学系研究科の博士課程で手術ナビゲーションに関する研究で工学博士を取得。同年に株式会社Kompathを設立した。

同社が開発においてこだわるのは、最先端の技術を積極的に取り入れていくことと、医師をはじめとするユーザーが日常的に使いたくなるようなUI/UXであること。同社では、プロダクトは医師の課題解決のツールであり、医師のより良いエクスペリエンスとなるべきという考えを絶対としている。どの職種においても、この認識を共有することが必要だ。

「当社のエンジニアは、大学で研究される最先端技術をスクラッチで実装する経験と、医師との密なコミュニケーションによって得た意見をアジャイルにプロダクトへ反映していく開発経験を積むことができます。ユーザーにとって本当に必要なものを実装するというやりがいのある仕事であり、学びを深めて知的好奇心を満たすことが出来る環境でもあります」。
「営業職は、コモディティではない最先端テクノロジーが組み込まれた差別化要素の強い製品を扱えるという利点があります。経理・会計・総務を担当していただくスタッフは、スタートアップのコーポレートサイドの立ち上げにイチから携わるという貴重な経験が可能です。経理としてのキャリアがそこまで長くなかったとしても、顧問税理士がいますので相談しながらご自身のペースで進めていくことができます。キャリアアップにつながるでしょう」と道家氏は、それぞれの職種におけるやりがいを話した。

主なユーザーは医師であり、医療現場の最先端で使われるプロダクトを作り出すため、間接的に人の命を救う社会貢献性の高い仕事ともいえる。そういった意味での医療機器・医療ビジネスに関心があることは望ましいが、入社時点での専門的な知見は必要ないという。

「知識は後からいくらでも勉強して身に着けることができます。知識以上に医療を通じての社会貢献にモチベーションを感じるような方がマッチしているかもしれません。」（道家氏）

少数精鋭で運営しており、外部との打ち合わせ時以外は服装も自由で、ざっくばらんに意見を言い合うフラットな雰囲気である。
実際、組織というよりはそれぞれが大きな裁量を持って自分のペースで仕事を進めていくスタイルなので、個人事業主が集まったような空気感もある。
「出社や退社時間も特に決めていませんし、リモート勤務も可能です。個人の裁量に任せているため、こちらで管理するよりも、管理されないやりやすさを重視しています。」と、道家氏は言う。『自律と責任があっての自由』という考え方を全員が理解しているのだ。

「プロアクティブに動き、なんでもやってみよう！チャレンジしてみよう！という意欲に溢れている人は、伸び伸びと活躍していただける風土です。逆に言えば、新しいことに対して億劫だという人は少し働き辛いのかもしれません。」（道家氏）

前述の通りCEOは工学博士であり大学との共同開発体制が敷かれる同社は、とてもアカデミックな環境だ。実際、特許の文書や論文を読みながら開発を進めることは日常的で、知的好奇心が旺盛な探求型の人物にとっては魅力があるだろう。

医療という緊張感を伴うシビアな領域に関わるものの、CEOの理知的な人柄もあって、社内の雰囲気はフランクで穏やかだ。道家氏は、「意見を押さえつけるようなことだけはしたくありません。働く上で堅苦しさは必要ないと思っていますし、チャレンジしづらい雰囲気は作りたくありません」と言う。主力となるプロダクトを発表し、これから拡販していこうというタイミングだけに、これから参画する人材には中核としての活躍が期待される。仲間に加わる人材の個性が、社風やカルチャーに色濃く反映されていくのは間違いない。

また、道家氏は新たな人材に対して、「ベンチャー企業に参画するリスクは承知していますので、できる限り話し合って要望を聞きたいですし、報酬面での対価をきちんと出したいと思っています」と責任感をにじませる。採用プロセスは簡略にスピード感を持って進めたいとし、レジュメもなくていいのでまずは気軽に会って話をしましょうと呼びかける。

大学との共同研究体制を持ち、政府系機関から向こう数年間の資金調達が決定しているために、ベンチャー企業とはいえ経営基盤は盤石だ。国や大学の医療研究機関から寄せられる期待の大きさを感じる。

ここから展開を加速していく同社は、まさにスタートアップと呼ぶにふさわしい。高い技術力やプロダクトへの関心、産学連携ビジネスの最先端に携わる醍醐味、自己裁量で進めていくワークスタイルなど、どこかにフックがあったならば、CEOが言うようにぜひ気軽にコンタクトを取って欲しい。