株式会社キュー

東京都は中野区、丸ノ内線新中野駅の出口からすぐの場所に立地する株式会社CUEは、ネット広告に特化した広告代理店である。同社のメイン事業は広告代理業で、Google、Yahoo等のリスティング広告、そして自社制作Webメディアを使っての集客を行っている。特に金融関連に強みを持つ同社は、少数精鋭主義を貫き、現在の社員数は4名のみ。そんなCUEが、新たな「仲間」を求めている。

「当社は以前からリスティング広告等をメインとした事業を展開してまいりましたが、私が代表に就任して以降、『金融関連』に特化することで大きく成長を遂げることができました。金融関連の中でも、現在は『投資助言会社』向けのサービスに集中しており、当社顧客のおよそ9割がその関係企業です。投資助言会社向けの顧客誘導では日本でもトップクラスの実績を出しており、顧客満足度も高く、大手代理店よりも使えるとの評価をいただいております」（同社代表取締役・川口綾広氏）

実際、同社が展開するリスティング広告では、いくつもの投資助言会社関連キーワードでトップランクを取りつづけているなど、かなりの実力を持っていることがわかる。またSEOにも強く、あるキーワードで検索すると、上位1～3位に表示されるのが、すべてCUEの自社制作Webメディア、というケースもある。

「当社は、ネット中心の広告代理店として、SEOがどれだけ『お金』になるのか、リスティング広告の効果がビジネスに繋がるのかを熟知しています。また大手広告代理店や大手金融事業者とネット上で対等に戦うために、さまざまな知恵を用い、工夫を凝らしています。例えば、投資市場のトレンドをとらえ、他社に先んじてキーワードを押さえる。そうした工夫の積み重ねが、クライアントに評価いただけている点だと思います」（川口氏）

もともと自身でも投資に興味があり、株式投資も実践しているという川口氏。自分も投資家だからこそ、クライアントの気持ちも、ネットを活用して情報収集を行う一般投資家たちの気持ちもわかるのだと語る。

「当社の仲間にも投資に興味を持ってもらっているので、皆それなりにやりこんでいるようです。ですから、当社メンバーは『投資家目線』とはどういうものか、身をもってわかっているのです」（川口氏）

現在、それなりに「広告」の分野で成功を収めているCUEだが、川口氏はそれだけに満足してはいない。すでに「次なる一手」のために布石を打っている。

「現在、投資助言業をターゲットとした広告代理店として、相応の実績を出せている当社ですが、新たな事業として『投資家に役立つツールの開発・提供』を行いたいと思っています。実は私、もともとは投資助言業そのものを行うことにも興味があったのです。今は、正直そういう気はないのですが(笑)。投資助言業は、未だにアナログな仕事の部分が多く、例えば顧客に対する投資助言も、レポートを担当が手打ちしているところがほとんどなのです。つまるところ、マンパワー、人間の知恵に頼る比重がかなり大きいのです」（川口氏）

しかし近年、投資を取り巻く事情は大きく変化し続けている。昔では考えられなかった数の個人投資家が流入し、投資手法も投資対象も増える一方。川口氏は、アメリカを中心に流行する「オルタナティブ投資」に注目しているというが、そうした投資家が目を向けるべき、また目を向けたい情報が無限にあるのが現状だ。

「そこで活用したいのがITやネットの情報ですよね。ビッグデータの隆盛でも分かるとおり、まだ分析しきれていない宝の山ともいうべき情報が眠っている。中には投資に役立つ情報も多々あります。それらをITの力で使いやすいように加工できたら、投資家、そして私たちのクライアントである投資助言会社の役に立つはずだと考えたのです」（川口氏）

実は、CUEでは以前から、ベンチャー企業のIR情報をいち早く取り入れるため、Web上のデータを監視・収集するツールを開発していた。それを今回、ビジネスレベルで使えるように、シリコンバレーの企業と協業して、リリースへ向けた準備を進めているのだ。

「日本のマザーズ、JASDAQ市場にはおよそ1000社の企業が上場していますが、これらの企業の動向をいち早く知るためのシステムを現在開発中です。シリコンバレーのベンチャーとタイアップし、アーキテクチャを作り上げ、投資助言会社や投資家に有用なサービスを提供すべく開発を進めています」（川口氏）

広告と、ITを活用した投資情報サービス。その両輪で今後飛躍を目指す株式会社CUE。
もちろん、新事業だけではなく既存の柱である広告事業にも注力し続ける。

「当社では、自社メディアを活用した集客に自信を持っています。次なるターゲットとしては、仮想通貨のマイニング。その分野にも展開させていきたいですね。リスティング広告については、お客様次第というところもあります。今は投資関係のお客様がほとんどですが、ご要望があれば、その他の業界でもお手伝いできることはたくさんあると思いますよ」（川口氏）

さて、少数精鋭を貫いてきたCUEだが、今回メンバーを外部に求めることになった。主に、新しく進めている新規サービスの投資情報システムの開発のためだ。

「少人数でやっているデメリットも理解しています。皆仲間のようにしてやってきたので、最初は入りにくいかもしれません。ただ、それ以上にメリットはあると思っています。まず、皆近い距離で仕事ができること。意見が言いやすいこと。代表である私とも近しい関係になりますし、いろいろ言っていただきたいです」（川口氏）

CUEは現在のところ4人だけの会社だが、もともとはもっと人員がいたという。広告関連の制作部門を数年前に分社化したため、現在の少人数体制になったのだ。ちなみにその関連会社は現在もCUEと同じ場所に同居しており、広告制作の実務はその会社の協力を仰いでいるなど密接な関係にある。そのため厳密には「4人だけ」の場ではない。取材時に感じた雰囲気からも、案外すっと馴染めるのではないだろうか。それに、CUEにはお互いを「プロフェッショナル」としてリスペクトし合う空気がある。その点は協調しておきたい。

では最後に、代表・川口氏から、CUEに今参加することの「面白み」「やりがい」について語ってもらおう。

「何より、金融・投資・資産運用にまつわる『新しいツール』を作れる。そこにつきると思います。金融、株、仮想通貨などに興味を持っている方には天国ですね。もちろん、少数精鋭なのである程度スキルや経験も必要ですが、投資好きにはたまらない環境だと思いますので、ぜひ、当社の門を叩いていただきたいと思います」（川口氏）