株式会社丸辰

株式会社丸辰は、企業向け販促品の開発・販売を行う会社だ。さまざまな販促用プレミアムグッズ、ノベルティグッズを自社開発し、季節ごとにカタログを発行している。自社倉庫には豊富な在庫を備え、急なオーダーでも希望の商品を即納できる体制がとられている。

設立は戦後間もない1946年で、1963年に法人化。当初は陶器の卸売りや輸出を行っていたが、販促品を取り扱うようになってからは30年以上の歴史があり、業界では大きな地位を占める。本社を岐阜県に置き、東京、大阪、九州（久留米）、札幌に営業拠点を置いている。2004年には中国・上海市に100％出資子会社「上海丸辰貿易有限公司」を設立。福建省泉州市・浙江省寧波市にも拠点を設け、広大な中国の地理的事情をカバーするほか、中国の生産工場に対する品質や納期管理も行い、外部委託することなく自社で検品まで完結させている。

社内には開発部、営業部、検品室、仕入企画室、制作室の5部門があり、カタログやWebの制作は制作室が担当する。1989年に制作がスタートしたカタログ「SP SOURCE」はすでに25年以上の歴史を重ね、10月上旬には110号を発刊する。

企業向けの販促品を扱うため、取引はBtoBが主体。販促品という特性上、あらゆる業界・企業が取引先。企業ごとの販促ニーズにマッチした商品を、低価格で提供できることが最大の強みだ。売上構成は特定の顧客に依存することなく、最も多いところでも全体の1％以下。顧客が分散しているため、景気の変動を受けにくく、売上高もここ数年60億～65億円規模で安定傾向だ。一方で、いつまでも業界2位のポジションに甘んじているわけではなく、売上高100億円を目指し、社内の士気も高い。

そのため、新事業にも積極的に取り組んでいる。長年培った経験とネットワークを活かし、従来とはまったく違った市場の開拓に取り組む「チームF事業部」、国内の販促品市場の更なる開拓を目指した「モノトコトノ事業部」などを立ち上げている。

「モノトコトの事業部」は業界の老舗として培ってきたノウハウとネットワークを活かし、顧客とともに「本当に喜ばれる販促品とは何か」という根本から考え抜いた“モノ”をつくり、人と人とを笑顔でつなげていく“コト”がコンセプト。バッグやブランケットをはじめとした、あらゆるアイテムをベースにさまざまな形や柄を自在にチョイスし、他社とはちょっと違ったオリジナリティあふれる販促グッズを提案している。顧客と一緒に図面からデザインを起こすなど、唯一無二のオリジナル商品で「もらってもあげてもウレシイ」グッズに丸辰のこだわりが見られる。

今後の展望としては、関東、関西、中国エリアに営業所を新設を予定し営業部門の拡大を進めて行く為、将来の幹部候補を視野に入れた人材確保が急務となっている。

丸辰の全スタッフが大切にし、意識しているのが「チーム丸辰」というテーマだ。一般的に会社の組織は、役割分担が明確で機能的なほど良いとされているが、それだけでは“チーム”は機能しない。全体と個人のバランス、周囲への気配りや思いやりを大切にすることで、“信頼感”をベースとする強い組織が、丸辰のカラーだ。

企業風土としては、いい意味で“安定”という言葉がピッタリ。誠実、堅実といった言葉を3次元化したようなメンバーが多く集まる。会社の理念としても、「人の役に立つこと」、そして「社員のための会社」を掲げており、業績至上主義ではなく、安定成長を志向している。

社員数は101名（2017年3月現在）で、平均年齢は36.5歳。男性：女性＝2：1の比率だ。定着率が非常に高く、ここ3年以内の離職率は8％ほど。新卒入社の割合は少なく、中途入社がメインの戦力となっている。

組織系統はフラットで、役職名の違いはあるが指示系統や権限に差はなく、社長と管理者、スタッフ間の距離も近い。お花見会や歓迎会などの社内イベントはチーム単位で随時行われ、出席率はほぼ100％。オン・オフを問わず、良好な人間関係が形成されている。社員旅行は、業績によるがおよそ2年に1回のペースで海外へ。そのほか、社販制度や財形貯蓄、持ち株制度などの福利厚生を完備している。未消化の有給休暇の買い取り制度など、ちょっとした気配りもうれしい。女性の役職者（課長）も在籍し、性別によるキャリアアップの区別はない。残業時間は個人によるが、定時の17：30に帰宅可能。19時には、ほとんど社内に人がいなくなる。教育制度は入社半年後に本社で全体研修が行われ、それ以外はOJTが中心だ。

東京営業所は、神田駅から徒歩5分、九州営業所は西鉄久留米駅から徒歩8分、営業活動を通じ真摯に、堅実に、人の役に立ちたいという素朴な動機があれば、温かく迎えられ、会社の安定性やチームの信頼感も、大きな魅力だ。