税理士法人 チェスター

税理士法人チェスターは、相続税を専門に扱う会計事務所だ。相続税は税理士試験の選択科目の一つだが、実は年間を通して相続税には一件もタッチしない税理士が大半。その中でチェスターは、年間2000件を超える申告手続きを手掛けている。登録税理士一人当たりにすると年間担当件数は約30件弱で、税理士業界の中では屈指の実績を誇る。

チェスターは2008年の設立以来、累計10000件を超える相続税申告を行ってきた。

代表税理士の一人、福留正明氏は大学卒業と同時に公認会計士試験二次試験に合格。監査法人トーマツに入職した。もう一人の代表税理士、荒巻善宏氏はトーマツ時代の同期だ。福留氏は入職時から独立志向が強く、2年で監査法人を辞めるつもりだったという。念願通り2008年に東京駅近くのレンタルオフィスを借りて開業。その後、3坪のレンタルオフィスから20坪のオフィスへ移り、職員数も順調に増えていく。

2010年8月には初の著書『相続はこうしてやりなさい』（ダイヤモンド社）を出版。相続税を専門に扱う税理士が少なかったのに加え、若手会計士2名が運営しているという珍しさもあり、大きな注目を集めた。
この頃から口コミで業界に名前が知れ渡り、業界紙などへ採り上げられることも増えてきた。スタッフを収容しきれなくなったため50坪のオフィスへ移転し、現在は東京本店のほか、大阪、横浜にも進出している。また、相続には不動産に関する要望も多く寄せられるため、不動産会社「株式会社チェスター」を設立し、相続不動産の売却などの事業も行っている。相続税に詳しい税理士がもともと少ないこと、スピーディーで柔軟な対応を行っていること、そして不動産までトータルに相談できることで、順調な成長を遂げている。

高齢化社会や格差社会という社会構造の変化の追い風を受け、成長を続けるチェスター。その最大の強みは、強力な人材力だ。顧客目線で、専門的かつ高度なサービスを提供することができる優秀な人材が集まっている。

チェスターの営業手法は、WEBからの集客が約半分、それ以外は提携先からの紹介による。税理士があまり相続税に手を出さない理由の一つが、相続が「いつどこで起こるか予測できない」ということにあり、案件を安定して確保することが難しいことがある。その点、チェスターは不動産会社や保険会社、金融機関、各種士業など幅広い業界と業務提携することにより、相続が発生した時に即座に紹介してもらえる太いパイプを築いている。

「相続税と言えばチェスター」というブランディングがある程度でき上がっているのも強みだ。人材面や組織にも勢いがあり、セールスにさらに一工夫を加えることで、まだまだ成長できると見込んでいる。

組織体制は、役員下に専門職による6つのチームを編成。そのほか、総務部（IT課、総務課）、人事・経理部、プロフェッショナルサポート部がある。グループ会社として株式会社チェスタービジネスコンサルティングがあり、リスティング運用などのセールス部分については、この会社と一緒に業務を行っている。
チェスターの行動指針は、「誠実」。有言実行、約束は守ることを第一に掲げ、時間厳守、期限厳守の意識も徹底。効率的な業務コントロールが行われているため、原則的に残業はない。また、「一度の人生」をエンジョイし、何事にも全力投球して後悔しない人生を送ることをモットーに、いつもポジティブで前向き考え行動していく姿勢を大切にしている。
スタッフの男女比は5：5で、平均年齢は32.7歳。「お固い」業界にありながら、オフィスは若々しく華やかな雰囲気だ。代表の2人とも1981年生まれで、業界の中では「超」若手の先生と言われる年代だ。スタッフ同士の風通しも良く、IT職と専門職との間のコミュニケーションも良好だ。

チェスターはまだまだ成長途上の組織だが、だからこそメンバー間の自主性を大切にし、意見や声をできる限り採り上げ、実現するようにしている。そのため、新しい提案や、やってみたい仕事がある時には、積極的に手を挙げることを推奨している。この先、相続税の分野で日本一を目指すチェスターで、組織と自分自身の成長を実感できるだろう。「円満に相続を終えたい」と願う依頼者が心から満足できるよう、単なる申告・手続き業務だけでない、「クライアント・ファースト」のサービスを実現している税理士法人だ。