学校卒業から起業までの経歴を教えてください。
父親が医師で、親族や兄弟も医師が多いという家庭環境で育ちました。その為、医療業界は常に身近に感じていたんです。しかし、思春期特有の反発心のようなものがあって、大学受験では医学部に合格したものの、実際の進学先に選んだのは工学部でした。 工学部には進みましたが、やはり自分の中でのキーワードは「医療」だったんです。そこで、品質管理の考え方を応用した医療安全の研究を行いました。患者の取り違えや手術ミスの背景には、システム的な要因があるだろうと考えて、そこに品質管理の考え方を持ち込んで医療過誤を減らしていこうといった研究です。 就職先は、病院のコンサルティングを行う企業へ。そこで、経営改善・利益改善の為のコンサルティング業務を経験しました。その中で、ドクターとは違った視点を持って医療業界で起業しようという思いが自然と高まっていきました。医師とは違ったアプローチで、人の命を救うということです。
起業に至る経緯を教えてください。
医師とは違ったアプローチで医療に関わっていこうという発想が、起業の始点だということはお伝えした通りなのですが、具体的には、病院へのコンサルティング業務の中で得た感覚が次第にテーマになっていきました。各病院のデータを集めていき、医療を"点"ではなく"面"として捉えられるのではないかという発想です。 これがリーズンホワイの始まりであり、最初のサービスである「リーズンホワイ・ストラテジー」に繋がっていきます。事業計画や診療科別目標値を立てるための戦略分析ツールです。
何故、医療領域で事業を展開しているのか?また、医療分野でビジネスを行う面白さはなんでしょうか?
育った環境としても経験としても、医療業界以外わからないということもありますが(笑) ITの力を使って医療業界でビジネスを展開する。それで、人の命を救うことができるのは、率直に「凄い」「面白い」と感じます。 年間135万人いる良い医療を受けられない患者のうち6%の人が1日長生きすると、全人類の寿命が1秒延びます。我々がリリースした専門医のSNS「Whytlink」では、専門医と患者のミスマッチを防ぐ活用方法も想定しています。 2017年には、患者が専門医に対してセカンドオピニオンを募ることができるサービス「FindMe」もリリース予定です。このようなサービス群は、他にはない画期的なものだと自負しています。医療業界になかった新しい価値観を生み出す面白さは非常に感じています。
今後の展望を教えてください。
1億6000万円の資金調達をもとに、今後は、「Whytlink」におおいに力を注いでいきます。参加ドクターも今以上に増やしていきますし、大学病院や高度急性期病院、さらには製薬メーカー等との連携を一層強化します。 日本国内においてサービスの地位を確固としたものにする他、東南アジアやインド、アフリカといった海外の市場へも積極的に展開をはかっていきます。会社としては、2019年の株式上場を目標にした体制づくりを進めています。
社員に対する想いと社員に求める仕事への取り組み方はどのようなものでしょうか?
社員には、集中力を持って仕事に取り組んでもらいたいと考えています。その為に会社としても働きやすさ、例えば快適なオフィス環境であったり、残業をよしとしない社風、欧米のように長く休める仕組み作りに積極的に取り組んでいます。スキルをブラッシュアップする為の教育制度もあります。それらを積極的に活用してもらいたいです。同時に、人に対して誇れる仕事をしていることも認識してもらいたいですね!