株式会社びゅうトラベルサービス

JR東日本グループの旅行会社である株式会社びゅうトラベルサービス。鉄道の利用を主軸に、東北、関東および信越エリアへの観光を誘発することを主なミッションとする会社である。そのために、当該エリアに密着して観光資源を見出し、旅行商品化して地域と“共存共栄”の関係を図るところが特徴的といえる。
同社の主力商品は、「びゅうパッケージツアー」と「JR東日本ダイナミックレールパック」の2つ。
「びゅうパッケージツアー」は、列車と宿などを組み合わせたパッケージ旅行。JR東日本の主要駅にある店舗「びゅうプラザ」や提携先の旅行代理店、およびWebサイトで販売している。
「JR東日本ダイナミックレールパック」は、2015年11月から販売を開始した新商品。Webの特性を活用し、列車や宿泊施設の稼働率に応じて価格が変動するという仕組みで、100％Webサイトで販売している。同じ内容でも、早く申し込めば安くなったり、出発する時間帯によって安くなったりといった特性がある。
「Webによる販売チャネルの拡充とともに、Webの力によって、東京から地方だけでなく地方から東京、地方から地方という旅行客を増やしていくことが主要なテーマとなります。そこで、Webディレクター、Webマーケターを求めています。当社のHPをご覧いただき、ぜひアクセスしてください」と、Web活用のミッションを担うWeb販売戦略部の河村部長は呼びかける。
さらに、当社はJR東日本「大人の休日倶楽部・ジパング倶楽部」の事務局として、「大人の休日倶楽部」会員200万人を超える組織運営を担っている。この会員数は業界トップクラスだ。
なお、会員の中心は旅慣れたシニア層。会員向けの国内旅行商品、「満ち知るべ」というエッジの立った海外旅行企画もリリースし、好評を得ている。カルチャースクール「趣味の会」の運営を通じて旅行需要を喚起する仕組みを作り上げている。
また、日本航空の「ジャルパック」と連携した「びゅうワールド」という海外旅行のパッケージ商品も扱っている。
そのほか、インバウンド観光客の東日本エリアへの誘致にも力を入れている。成田・羽田の両空港と東京・新宿・池袋・渋谷、上野といった首都圏ターミナル駅、東北は仙台駅と計８カ所に「JR東日本訪日旅行センター」（訪日旅行カウンター含む）を設けて、旅行商品や専用パスの販売、および観光案内などを行っている。
最近のトピックスとしては、2017年5月に運行を開始した、JR東日本の豪華列車「TRAIN SUITE 四季島」の商品企画やソフト面の運営を担う組織だ。「TRAIN SUITE 四季島」は今後も大きな話題となることは間違いないだろう。

訪日外国人市場の拡大やオンライン・トラベル・エージェント（OTA）の台頭など旅行業界を取り巻く環境は、大きく変化している。びゅうトラベルサービスは、厳しい外部環境に日々晒されながらも、JR東日本グループの旅行会社として “顔の見える、地域密着型の経営”を踏襲しつつ、新しいビジネスモデル構築を目指している。
「我々は2007年に現社名となって以来掲げている『4つの行動指針』を胸に刻み、国内旅行、訪日旅行、海外旅行の３事業を通じて、『お客さまの人生を豊かに』することを究極の目標としています。2017年3月には会社発足後初めて『中長期戦略』を策定し、その戦略に基づいて毎年事業計画を設定しています。その中に今後重視していく『５つのVision』があります。ぜひこの行動指針とVisionに共感していただける方をお招きしたいと考えています。」（小野常務取締役）

同社の軸となっているのが、次の「4つの行動指針」である。
●お客さま第一
　私たちは、何よりもお客さまを大切にし、旅とサービスを通じてお客さまの人生を豊かにします。
●地域への貢献
　私たちは、旅とサービスを通じて地域の人々の文化を大切に守り、育て、地域の活性化に貢献します。
●グループミッション参画への自覚
　私たちは、JR東日本グループの一員として、安全・環境・コンプライアンスにこだわり続けます。
●自ら挑戦し改善する風土
　私たちは、常に仕事の変革に挑み、旅とサービスに関わるあたらしいビジネスモデルを作ります。

「中長期戦略」の柱となっているのが次の「５つのVision」だ。
■商品力の強化と新たな価値の創造
■当社ならではの強みを活かした販売拡大
■地域創生ビジネスの推進と東日本エリアへの更なるインバウンド誘客
■大人の休日倶楽部を中心としたシニア戦略の推進
■持続的成長に向けた人材育成と企業基盤の整備

今後も、この指針に則り、JR東日本エリアの活性化につながる旅行ビジネスに取り組んでいく。

2019年６月現在、社員数900人を超える組織に成長した同社。2018年9月で会社発足26周年を迎えた企業だ。
以前はJR東日本からの出向者が多かったものの新卒採用にも力を入れ、現在ではプロパー社員が主流を占めるようになっている。今後もますますプロパー社員が屋台骨を支える組織になっていくのは間違いない。

業務改善活動も特徴的だ。これには、「お客さまの人生を豊かにする会」というプロジェクトチームが運営する活動と、社員が自主的に参画する「STEP（ステップ）」という活動の2つがある。
前者は、身の回りで気づいた問題およびその改善行動を「シュート君」という名称のイントラネットコンテンツに入力するというものだ。入力された情報は全社で共有され、水平展開が促進される。
後者は、自分やチームの業務上の問題改善に時間をかけて取り組み、その内容や成果を1年に1回発表し、優秀チームを表彰するというものだ。この活動では、社員の気づきから、お客さまに喜んでいただいたり、仕事の仕組みを変えたりといった地道な取り組みが、会社から評価される仕組みとなっている。普段は見ることのできない、他部署の仕事の様子も垣間見ることができる。加えて毎年発表会の後に行われる″意見交換会”では旅行会社らしく楽しい演出で社員一同大いに盛り上がる。

各部の代表が集まったプロジェクト活動も活発だ。「エコ推進委員会・コミュニケーションPT（プロジェクトチーム）」では社員旅行や花見などの親睦イベントの企画運営を手がけている。そのほか、情報セキュリティ・システム等に関するチームが、業務環境の整備や社内コミュニケーション活性化に一役買っている。
人材育成においては、会社が費用を負担し、社員は“受講し放題”のe-ラーニング制度が好評だ。

同社が求める人材像について、小野氏は次のように言う。
「当社はJR東日本グループの一員としての業務が主体ですので、グループの和が求められます。“報・連・相”を大切にして、自らも発信しコミュニケーションが取れる人なら活躍していただけると思います。業界の変化スピードが速い中にあって、新しい技術や手法に積極的にチャレンジすることも求められます。そこに意欲的に取り組む方ならば、ありがたいですね」（小野常務）
今後、Webを活用した販売に一段と力を入れていく同社。安定した経営環境で力を発揮したいという人には見逃せない募集といえるだろう。