技術力と実績はグループ内外で高評価。受託開発と自社製品で数々の実績
新宿6丁目の超高層ビル、新宿イーストサイドスクエアに構えるオフィスを訪ねると、広々とした受付では、感情認識ロボット、Pepper(ペッパー)がお出迎えしてくれる。
なぜならこのPepperを動かすアプリケーションを作っているのがM-SOLUTIONS株式会社だからだ。Pepperはソフトバンクの携帯電話のCMで広く知られているように、ソフトバンクグループのロボット事業のプロダクトだ。M-SOLUTIONSは、ソフトバンク・テクノロジーが100%出資するSIer。巨大なソフトバンクグループの中にあって、システム開発の最前線を担っている会社だ。
「グループ内で、本当に開発の最前線を担っている会社というのは、あまりありません。ソフトバンク・テクノロジーはどちらかというとプロジェクトマネジメント的なとりまとめの立場にあります。その点、我々はコンサルティングや要件定義といった上流工程から実際の開発、テスト、運用までを一貫してできる体制を持ち、その技術力と実績は、グループの中でも定評があります。なので、グループ内でシステム開発をしたいというときには、我々に声がかかることが多いですね」。
こう話すのは、M-SOLUTIONSの取締役管理部部長、日野健一氏だ。
現在、グループ内の仕事とグループ外の仕事の比率は概ね7対3。受託でWebシステムやスマートフォンや各種デバイス向けのアプリケーションを開発するほか、自社プロダクトも幅広く手がける。約50人の少数精鋭だ。
この規模のSIerと言えば、人材をプロジェクトに提供するSESサービスを経営の屋台骨に据えている会社が多いが、同社の場合、それはほぼなく、お客様から受注したものを自社内で開発する受託開発がメインだ。豊富な実績とノウハウを持ち、それらを結実させた自社サービスも多数そろえる。
現在、注力している自社サービスが、iPad対応の業務支援アプリケーション『Smart at(スマートアット)』だ。受付、見積もり、イベント対応などのメニューをそろえ、まさにタブレット端末でワークスタイルをスマートにするというもの。
既に大手企業などでの導入が進んでいるほか、問い合わせも多い。受託開発に加えて、このように強力な自社プロダクトも持ち、持続的な成長を狙う。
強みはスピード。クライアントファーストの思想で業界の常識を打ち破る!
M-SOLUTIONSの設立は2000年だ。ソフトバンク・テクノロジーと独立系のSIerの合弁会社として誕生した。ITバブルと言われた当時、ソフトバンクグループも傘下に様々な企業を持ち、業容を拡大していた。
だが、「ソフトバンク・テクノロジーも、当時は開発力がまだあまり強くなく、弱みを補う形で、力のある独立系SIerと一緒に合弁会社を作ることになったのです」と、日野氏は設立時の経緯を語る。言わば高い技術が目に止まった形だ。
その後、ソフトバンク・テクノロジーの100%子会社に。設立から今日までの15年間は、時流を的確に読んで拡大するソフトバンクグループと歩を合わせる形で、インフラ、コンテンツ、モバイルと、常に最先端の領域でプロジェクトに参画し、ノウハウを蓄積してきた。約50名と、決して大きくはないM-SOLUTIONSだが、グループの中でも存在感を発揮しながら、歩んできた。
そんな同社の強みはスピードだ。グループのフィロソフィーである「ソフトバンクバリュー」で、「大至急って楽しい」と謳い、スピードに大きな価値を置く同グループだけに、M-SOLUTIONSもクライアントを第一に考え、圧倒的なスピードで開発を行うという。それを可能にしているのが、サイボウズ社のアプリを自由に作れるクラウドサービス、『kintone』だ。
まだ大々的に普及しているフェーズではないが、M-SOLUTIONSではその先進性にいち早く目をつけ、活用してきた。従来のドキュメントベースで話が進み、逐一プログラミングしては修正し…を繰り返すのではなく、『kintone』はイメージをどんどん形にできるツールだ。クライアントとの間でイメージの齟齬がなく、スピーディーに満足度の高いシステム構築を可能にする。「他の会社だと断るようなスピード感の案件が、『M-SOLUTIONSならできるでしょう』ということで来たりもしますね」とは、現場のエンジニアの話だ。
サイボウズ社のオフィシャルパートナーの表彰式典である「CYBOZU AWARD 2015」にて、『サイボウズ・アワード 部門別賞 ソリューション・SI部門』を受賞するなど、『kintone』に強いというブランディングも進むなか、問い合わせも多い状態だ。「工数で価格を決める従来の業界のやり方を変えたい。本来、スピーディーに完成すれば、むしろ高い価格になってもいいはずなのに、SIの業界ではまだそうではありません。当社は機能に課金し、スピードでお客様満足を上げる。その価値に対してお金をいただくようにしたいと考えています」(日野氏)。そんなクライアントファーストの思想で、業界のあり方をも変えたいと意気込む。
増えている問い合わせに対応すべく、人材を拡充し、事業も拡大していく。今期はまず10人程度増やし、その後もペースを落とすことなく拡大していく考えだ。培ってきた技術と実績に先進性も加わり、M-SOLUTIONSはさらなる成長を目指していく。
「他の会社だと断るようなスピード感の案件が、『M-SOLUTIONSならできるでしょう』ということで来たりもしますね」
世の中を驚かせるものを作るやりがい!キャリア開発など働く環境も充実
「情報革命で人々を幸せに」。これはソフトバンクグループの経営理念だ。M-SOLUTIONSもグループに連なる企業として、その理念の実現を担っている。例えばPepper。この事業に、同社は約50名の社員のうち5人もの人員を割いているという。
「新しいものなので、どう使うかは手探りの状態であり、Pepperがどれだけ収益に貢献するかも未知数です。でも我々はそこに未来を感じるから、積極的にチャレンジするのです。そういう心意気のある会社だと思います」と日野氏は言う。
その姿勢は、メンバー一人ひとりにとって大きなやりがいになる。「やりたいと手を挙げれば任せてもらえるし、その範囲も広い。この会社に入って、思った以上にやりたいことができていると実感します。Pepperのように、世の中を驚かせるものを出す楽しさもありますね。それはBtoBの基幹システムの開発などでは味わえない充実感だと思います。自分が手がけたものが日経新聞に載ったり、『Yahoo!』のトップ画面に出たりすると、やはり嬉しいですね」。こう話すのは、Pepperにも携わるエンジニアだ。
ソフトバンクグループというと、攻めの姿勢のゴリゴリしたイメージがある。だが意外にもと言っては語弊があるが、M-SOLUTIONSは非常に落ち着いた雰囲気の会社だ。そして話してみれば、このエンジニアの言葉のように、その内には静かな闘志があふれている。
働く環境としては、最先端の素晴らしいオフィスに加え、ソフトバンクグループの充実した福利厚生、子育てや介護に配慮した休暇制度など、メンバーが生活と仕事を両立し、力を発揮できるような支援が充実している。キャリアパスもしっかりしており、技術を極める人とマネジメントの道に進みたい人、各々に対応するコースを設けている。固定的な道ではなく、相互に乗換も可能だ。
優秀な人材が集まり、良き環境に恵まれ、最先端の開発で力を発揮しながら成長し、それが会社全体の価値も高めていく。M-SOLUTIONSは、そんな理想的な循環を実現している会社だ。
メンバーが生活と仕事を両立し、力を発揮できる環境である。