オンラインリフォームサービス「リノコ」と不動産一括査定サイト「イエイ」の運営で急成長中のベンチャー企業

メンバーは20~30代中心で全て自社内開発。社内管理システムやコールセンターシステムも内製化しています。
セカイエ株式会社は、「世の中に唯一のインターネットサービスを通じて一歩先の“セカイ”をつくる」をビジョンとする、不動産・リフォーム業界の常識を覆す不動産一括査定サイト「イエイ」やオンラインリフォームサービス「リノコ」にて急成長中のベンチャー企業だ。
不動産一括査定サイト「イエイ」は、2008年のサービス開始から現在までで利用者数400万人を突破。
オンラインリフォームサービス「リノコ」は、2013年のサービス開始から現在で、ご利用件数は80万件を突破。
ユーザー目線を徹底的に貫くサービスは、ご利用者の満足度も高く、リピーターに繋がるケースが着実に増えている。
また「働きがいのある会社ランキング」でコロナ禍前まで参加していた2019年まで3年連続ベストカンパニーに入賞するなど、
会社の取り組みに関しても高く評価されている。
業界の常識を覆すライフ・イノベーションサービスでビジネスモデルを確立

開発メンバーは約8名。ユーザー分析をしながら分かりやすいサイトの開発に取り組んでいます。

ワンフロアのオフィスにフラットな環境です。ひとり一人が意見を出しやすい雰囲気です。
住宅リフォームの市場規模は、今後もますます伸びることが見込まれている。その背景には、中古住宅の流通を高めようとする国の政策がある。戦後の住宅産業は一貫して新築主体のマーケットだったが、少子高齢化が進行した近年住宅ストックが全世帯数を上回ったことで、"いいものを作って、きちんと手入れして、長く使う社会への移行が重要”として、中古住宅流通・リフォーム市場の環境整備を進める。一般消費者の間でも新築へのこだわりは減少し、中古住宅への抵抗感が少なくなっていることは確か。それは、テレビのリフォーム番組の安定した人気や「リノベーション」という言葉が一般的に使われるようになったことからも察することが出来る。
一方で、施工を担うリフォーム業界側は昔ながらの慣習を維持し続けており、一般消費者からは「料金が不透明」「施工スタッフに不信感を持った」などといった声が今でも聞かれる。代表取締役社長・宮川大佑氏は語る。
「根底にはプレイヤーの質の問題があります。リフォーム業界の80%は地域に根付いた中小零細企業や個人が占めています。地場の小さな工務店が成り立つマーケットが守られてきたことで、全国統一金額や一気通貫でサービスを提供する商習慣が育たず、一般消費者にとって相場がわかりづらいという問題も解消されずに来ました」(宮川氏)。
リフォームをしたい時に気軽に頼める業者がいないということも、一般消費者にとっては精神的なハードル。よくわからない業者を家に上げて調査してもらわないと大ざっぱな金額すらわからない。ごく一部の悪徳業者の存在が社会問題となった過去もある。セカイエ社のビジネスモデルは、このような社会全体の流れと旧態依然とした業界とのギャップを背景として生まれたのである。
「リノコ」はもともと「小さなお葬式」というWebサービスを提供するユニクエスト・オンライン社の一事業として生まれたサービスだ。ユニクエスト・オンライン社は、リフォーム業界と同様の課題を抱えていた葬儀業界にインターネットの活用したことで成長。その第2の柱を作ろうとリサーチをかけ、マーケットサイズとインターネットが介在する余地がある業界であるという判断から受託リフォーム市場への参入を決めた。2012年7月に「リノコ」をテストローンチし、2013年6月に正式オープンを果たすと、順調に実績を積み重ね、現在に至ったのである。
この間、テスト運用、ベンチャーキャピタルからの資金調達、マーケティングの実証、商品やサービスの拡充、オペレーションの確立と着実にステップを重ねてきた。現在では、内装に関してはメニューがほぼ完ぺきに揃い、オペレーションも月6000件の問い合わせに対応できる態勢で質量ともに整備され、外装工事や太陽光発電の設置、白アリ工事などなど家周りのニーズには全て応えられる態勢もできている。
一方、不動産一括査定サイトの「イエイ」は、不動産の売却を検討しているユーザーに無料で最大6社の不動産会社を紹介・案内を行う。ユーザーは同時に複数社から査定見積を取ることができ、自身で査定金額を比較した上で依頼先を決めることのできるというシステムだ。数少ない特定の情報を鵜呑みにせず様々な情報を得られるのも特徴の一つである。
2008年のサービス開始から10年以上が経ち、現在「イエイ」に加盟している法人数は1,200社、利用者は400万人を超えている。問い合わせ件数は1ヶ月に1万件以上発生し、その内約5~10%が成約に至っている。
不動産の売買時には「リフォームの相場を聞いておきたい」というユーザーも多く、「リノコ」のサービスも提供しているとのこと。今後は「イエイ」と「リノコ」によるシナジー効果も期待できるだろう。
今後はさらなる事業拡大ののち上場を目指している。
事業本位が基本姿勢。遠慮なく発言できるフラットな組織作り

オフィスは、落ち着いた空間となっています。

休憩室いには冷蔵庫、電子レンジとオフィスグリコもあります。
2019年6月現在、同社の社員数は全体で60名。そのうちプログラマーとデザイナーで構成される開発チームは10名程度。同社では「リノコ」と「イエイ」の顧客管理システムや「リノコ」のECシステムの他、コールセンターの業務システムまでほぼ全て内製でこなし、常に改善を繰り返している。設立以降、採用計画に基づいた採用を継続的に行ってきた同社だが、常にリソース不足の状態が続く。さらに事業拡大計画に伴うシステムの充実・拡大に取り組む今、増員は緊急の課題だ。
組織作りで大事にしてきたことは“事業本位”の姿勢だ。フラットで遠慮せずに意見が交換できる企業風土の醸成に努めてきた。
「社員には事業本位の姿勢を崩さず、発言すべきことは遠慮せずに発言して欲しいと考えています。むしろ沈黙は罪であると。特に繰り返し話していることは、弊社が出来上がっていない会社だということです。サービス自体が固まっていない。だからこそ改善するだけではなく、大きく方向転換していく考えもありです。今あるモデルが正解ではない。自分たちのビジネスモデルを盲信せずに疑うことが大事だと考えています」(宮川氏)。
同社は30代前半の役員陣はじめ若い会社で、世代的な隔たりは小さく、風通しの良い環境だ。その風通しの良い環境を維持・発展させていくために同社が大切にしているのが、対面によるコミュニケーションだ。解放感のあるオフィスの中には、手軽に集まって話ができるスペースを設けており、普段は黙々と作業に向き合うプログラマーやデザイナーのチームも、定期的にミーティングを開いて意思の疎通を図る。採用においても最も重視されるのがコミュニケーション力であり、それは技術職の採用でも変わらない軸だ。
組織が出来上がっていないことの他、自社サービスを展開している点も同社で働く上での大きな魅力だろう。サービスが拡大する過程で、新たな役割が生まれ、各メンバーの強みに合わせてアサインすることが出来る。
「社内では“下剋上制度”と呼んでいますが、成果を出した人には積極的にポジションを与えています。今後数年内に100名を超える組織になる見込みですが、在籍中または直近で採用する人材には、その際の中核メンバーとして活躍してくれることを期待しています」(宮川氏)。
そのため同社では、職種を問わず売上などの数字に対する意識付けも行っている。執務スペースには業績がリアルタイムで表示されるモニターを設置。自分たちの仕事がいかに成果に結びついているかを実感することが出来るとともに、数字の観念を身につけることで、全社員のビジネススキル向上につなげたい考えだ。
福利厚生などの社内制度も整備され、スタートアップ企業ならではのチャレンジングな環境に加え、安定感を兼ね備える。現時点でセカイエ社に参画することは、じっくり腰を据えて新たなキャリアにチャレンジしたい人にとって絶好の機会となるだろう。
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