シーネットネットワークスジャパン株式会社

めまぐるしく変化するIT・テクノロジー業界に関わる人であれば、常に最新の情報をキャッチアップするために、毎日の情報収集を欠かさないだろう。IT分野 のリファレンスとして欠かせない存在になったCNET JapanおよびZDNet Japan。シリコンバレーを中心に世界各国からのニュースを提供する。<br /><br />運営するのはシーネットネットワークスジャパン株式会社。米国CNET Networks,Inc.出資の日本法人である。設立は2003年1月、ほとんどの外資系メディア企業が淘汰された日本市場において、しっかりと根を下ろした数少ない海外メディア企業のひとつである。<br /><br />米国・日本の他にも、イギリス・フランス・ドイツなどのヨーロッパ各国、中国・台湾・韓国・シンガポール・オーストラリアなどのアジアにも拠点を持つCNET社。各地で編集された記事を、相互に公開し、編集者がピックアップ、翻訳して自国サイトに掲載する。<br /><br />さらに国内では、独自の編集チームが取材を行ってコンテンツを作成している。各国で興味分野・得意分野は異なる。このため、たとえば日本では、イン ターネット関連の情報は米国および韓国のサイトから持ち込まれるのに対し、日本で編集するゲーム・携帯・SNS関連の記事などは他国で関心を集め、現地語 に翻訳されて配信されている。<br /><br />社内は大きく分けて3つの「プロデューサー」集団から成り立っている。コンテンツを編集しユーザーの満足するコンテンツをプロデュースする編成グループ、コンテンツと広告、サービスを駆使して魅力的な商品を企画、立案実行する営業グループ。そしてユーザーにより便利で楽しい機能や、驚きを提供するサービスを開発、デザインする技術制作グループである。

そんな同社が、CNET Japan、ZDNET Japanに加えて、最近立ち上げたのは「CNET Venture View」である。独自のアイデアを持ち、勢いのあるIT系ベンチャー企業に情報発信の場を自社サイト以外に持ってもらい、その価値が正当に評価されるようになって欲しいからだ。<br /><br />ネットビジネスは、いわゆるヒルズ族など社会的に注目を浴びた一部の特別な人達だけがやっているのではない、小さな会社でも将来性と成長性があるのだということを世に知らしめたい、というのが立ち上げの動機だったという。<br /><br />「CNET　Japanは４年あまりですが、ITベンチャー企業の方や、新しいことに興味を持っている方々に読まれています。新聞などでは紙面の都合で載らないような小さなニュースも、広く配信することが可能になります。またそれによって、優良なベンチャー企業が自社の情報発信を行い、価値を上げてくださるとITベンチャー業界の発展につながり私達のようなメディアも広く利用してもらえると思っています。」と、代表取締役社長は語る。<br /><br />そんな同社が目指すのは、「新しいメディアの形を創造すること」。今後は、インターナショナルで海外のコンテンツに強く、新事象・新テクノロジーへ の感度が高いという、現在の優位性に加え、新たな魅力を打ち出す。従来の「配信する」だけの古いメディアのままでは、読者に満足されなくなってしまうからだ。<br /><br />たとえば、CNETを、マーケティングに携わる人たちとのコラボレーションにより、現在のマーケティング手法を変えるようなツールとして提供すること。また、Cの字を「Corporate」に読み替えた「CGM」に取り組むことなどがその一部として考えられているという。

現在、同社の社員は60名。平均年齢は32歳、非常に元気な人が多く、社長以下「よくしゃべる」。設立から3年半、ほとんどが中途入社であり、新しいメンバーだけで構成された、フラットな組織である。<br /><br />社長も大変気さくで、社員ものびのびと仕事をしている様子がうかがわれる。外資系の華やかなイメージがありながら、社内で周囲を駆逐して登りつめるというのではなく、確立されたブランドを守りつつ新しい挑戦をすることで「自分たちの会社」を大きくしていこうという空気がある。<br /><br />「とても元気な会社です。何かを、もしくは自分を変えたい、何かをやってみたいという方には、挑戦すべきことがたくさんあるので、とてもいいと思います。」と、神野氏。ハードなときもあるが、「自分たちが何かしなければ、何も起こらない。」と、フロンティア精神に溢れている。手を挙げる人に、チャンスは与えられる。<br /><br />社長自身が同社に参画した理由は、新しいことにチャレンジさせてくれることにあったからであり、実際、非常に楽しいという。「社長が誰よりも楽しんでいる会社で、『社長より楽しんでやろう』と思ってくれるような人には絶対にお勧めですね。」と語る。<br /><br />守るべき「ブランド」と『新しい形のメディアをつくる』という「使命」がある。この使命を果たせなければ、存在意義を問われ、市場から淘汰されるときが来る。<br /><br />同社のサイトのプレスリリースを閲覧すると、いろいろな試みをしていることが分かるだろう。同社の今後を、我こそはプロデュースしようという応募者に最適である。年齢、学歴、性別はまったく不問である。また、メディア出身でなくても構わない。<br /><br />最後まで逃げないという条件の下であれば、「やったことがないからやってみたいという動機も大歓迎」だと、社長は語る。今後、参画する人物のアイデアと力量次第で、新しいメディアの形が生まれてくるだろう。