リスモン・マッスル・データ株式会社は、総合BPO事業会社であり、JASDAQ上場企業であるリスクモンスター株式会社の子会社として、2005年12月に設立された。親会社が与信管理のアウトソーシングサービスを提供するのに対して、同社では、マーケティング関連業務のアウトソーシングサービスを提供している。
同社のサービスは、アナログ情報をデジタルデータ化し、リスクモンスターグループの強みである統計的手法による解析によって付加価値を高めるものだ。デジタルデータ化とは、たとえば通販や小売業者などが扱う手書きの申し込み書類を、コンピュータ上で処理が可能な状態にすることを意味している。大量の受注伝票を、迅速かつ低コストに処理したいといったニーズに応える。大手流通業者などが中元、歳暮などの繁忙期に大量に発生するギフト申込書を、迅速にコストを抑えて処理するなどのケースで利用することが多い。
同社では、独自に開発したデジタルデータ化マネジメントASPシステム「速筋」を導入し、スキャンやHTTPS、FTPなどによる送受信データの暗号化からネットワークに至るまでのオートメーションを実現。顧客はスキャンした画像を指定フォルダに格納するだけで、データの納品までを同社に任せることができる。
このシステムでは、個人情報保護およびコスト削減のための対策が施されている。コスト対策としては、中国海南省に120名体制のオペレータ組織を整備。デジタルデータ化はそこで人件費・システム費などを抑えて行なうことが可能となっている。また、最新の画像分割システムにより、個人情報を分割処理して中国の入力センターに送り、分割されたままデジタルデータ化を行なって日本に送り返す方式で、個人情報を保護している。日本でデータを分割したのと同じサーバ上でのみ再結合が可能なため、個人情報は中国に送られている間も安全に守られるというわけである。
このほかにも、印刷・封入・発送、帳票管理、データベース管理・分析、スキャニングなどのマーケティング関連BPOサービスを提供し、コア業務に集中する顧客に貢献している同社。営業開始から1年で黒字化を果たし、その後も成長を続けている。価格競争力のみならず、パフォーマンスの高さ(クオリティ、納期など)が優れており、またグループ全体として顧客に多角的にアプローチできるという強みがあるのだ。