お客様、社員、協力会社に対する「哲学と信念」
独立系のパッケージソフト専門商社である株式会社アシスト。1972年の設立以来、お客様の課題解決のために世界標準の優れたソフトウェアを選定するとともに、お客様が“使いやすく”活用できるための技術支援や研修などのサービスを提供している。特に、Oracleのデータベースソフトを日本に初めて輸入し広めたことでも知られている。
メーカーに縛られない独立系のメリットを活かし、常に最適なソフトを厳選できる点と、170人以上の専任スタッフが常時対応するサポート体制などで、サポートセンターのお客様満足度90%強(2013年度実績)という評価を得ている。
現在、取引先は約6,000社。しかも、あらゆる業界の名だたるリーディングカンパニーが軒並み顔を揃えているのは、評価の高さと信頼の裏付けといえるだろう。
アシストでは、「哲学と信念」が経営理念の軸となっている。その核心は、次の3つの目標に集約される。
①お客様に対して
アシストは、お客様に喜んでいただける製品やサービスを正直かつ適切に販売し、その対価以上の価値を提供することを約束します。
②社員に対して
アシストは、社員に対してやりがいのある仕事を提供すると同時に、社員一人ひとりが心身ともに健全に、楽しく働ける労働環境を提供します。
③協力会社に対して
アシストは、アシストをご支援いただく協力会社に対して、常に誠実で正直に対応します。
これらのことを実践するために、あえて製品の自社開発は手がけず完全なる第三者に徹し、株式非公開を貫いて自立経営を維持し、実績重視型の評価や年3回(うち1回は決算賞与含む)の賞与によって社員に報いている。
「IT業界は、ゲーム会社などB to C型のビジネスと、当社のようなB to B型のビジネスに大別できます。前者は常にトレンドをつくる華やかさはあるものの、浮き沈みの激しいハイリスク・ハイリターン型。当社は、1社のお客様と長きにわたってお付き合いすることを重視し、安定的な運営をベースとしながらも常に最新のテクノロジーを活かしていくビジネスです。じっくり仕事に取り組みながらも新しいテーマにもチャレンジし活躍したいという人には、当社のような環境は向いているのではないかと思います」と執行役員で経営管理本部長兼経営企画室長の林昌洋氏は言う。(役職・所属はヒアリング当時。以降同様)
経営管理本部長 兼 経営企画室長
林昌洋氏
お客様に対するきめ細かく丁寧なサポートが強み
アシストが取り扱うパッケージソフトは、主にデータベース、情報活用、ITサービスマネジメント、セキュリティ、クライアント仮想化、オープンソースの6分野で、その数は60種類以上に及ぶ。そして、データベース、情報活用、ITサービスマネジメントの3分野においては、それぞれ「DODAI(どだい)」「AEBIS(えびす)」「ENISHI(えにし)」という同社独自のソリューションを体系化してお客様に提供している。
「例えば、Oracleのデータベースソフトはハードウェアとの相性が非常に重要なのですが、そこまでケアされずにお客様がお困りになってしまうことも多いのです。そこで、それらの適切な組み合わせをあらかじめ割り出しておき、お客様にすぐご提供できるように準備を整えているのです」と林氏は説明する。
パッケージソフトの営業活動においては、お客様のニーズに基づいて製品をどのように選定し組み合わせるか、という“目利き”の力が重要だ。しかし、「それ以上にお客様が導入したソフトをいかに使いやすいものにするかということが最重要のミッション」であると林氏は言う。いかにお客様に使いこなしてもらうかが導入したソフトの価値をより高めることになるからだ。このために、お客様先で研修を行うオンサイト・トレーニングや、アシストで行うオフサイト・トレーニング、さらに専任のサポートスタッフの設置など、多彩なメニューできめ細かく丁寧なインストラクションを行っている。
「お客様の要請に対して『それはサービスの範疇外』と断る会社が多いといわれる中、当社は『どうすればできるか』を考えてご提案することをモットーとしています。こうした姿勢をご評価いただき、リピーターが多いことも当社の特長です。一つのパッケージソフトの導入が完結後、次に何か必要になっても他社ではなく当社をご指名いただけるのは、何よりのご評価の表れだと自負しています」と林氏は胸を張る。
また、同社には、ユーザーの声を集めてメーカーにフィードバックするという大きな役割もある。1社のユーザーとして要望を製品に反映させることは、特に大手メーカーに対しては、簡単ではないからだ。
「当社は、お取引いただいている約6,000社のお客様からの声を集約し、メーカーに届けることができます。メーカーにとっても、お客様にとっても、極めて重要な役割であると思います」(林氏)
メンバーの主体性・自律性を尊重し、成長する環境をつくる
2015年度からスタートした中期経営計画の目玉となるのが、林氏が管掌する新しい人事制度である。
「一言でいえば、成果を上げた人をより高く処遇する実績主義を強めます。ますます働きがいが高まると思います」と林氏。それとともに、選抜型のリーダー育成や年次ごとのキャリア研修など、人材育成制度を拡充させる。
「若くして成果を上げる人をどんどん前面に引っ張り出し、さらに光を当てていきたいと思っています」(林氏)
そんな同社における人材育成の実情について、3人のマネージャーに話を聞いた。
・データベース技術本部 技術統括部 統括部長 菅藤展延氏
・情報基盤事業部 製品統括部 技術2部 部長 花井正樹氏
・情報基盤事業部 製品統括部 技術3部 部長 田中貴之氏
人材育成の最たる機会は、実際の仕事現場であることは間違いないだろう。では、アシストにおいては、どういった仕事の場面を通じてどんな経験ができるのだろうか。また、そこにはどんなやりがいがあるのか。花井氏は次のように説明する。
「創業40年以上に及ぶ当社は取り引きの長いお客様が多いこともあり、通常ではなかなかお付き合いできないような大手企業のCIOなどに直接提案し、お客様の課題解決について話ができる機会も多くあります。こうした経験は得がたい喜びではないでしょうか」
また、田中氏は次のように言う。
「当社には昔から“全員が営業担当”という企業風土があります。エンジニアもお客様と接し、どうお役に立てるかを考えて仕事をするのが当たり前になっています。特に受注後は、エンジニアがソフトの導入やカスタマイズ、アフターフォローなどお客様と接する機会が増えますので、関係が深まるのです。営業担当が羨ましがるほどです(笑)」
“顧客志向”を貫く同社では、お客様に貢献できる醍醐味を、営業だけでなくエンジニアも強く味わえる。時には、お客様から直接シビアなご意見やご要望をいただくこともあるが、対応力が鍛えられ、自らも成長することができる絶好の機会と捉える社員が多いようだ。
そして、それぞれのメンバーに対するマネジメントスタイルについても聞いた。
「“自律、成長、機嫌よく”というキーワードでマネジメントしています。“機嫌よく”というのは、逆境にあってもそうしていれば自ずと好転するという経験から出た言葉です」と田中氏。
花井氏は、次のように言う。
「細かい指示はしません。基本的には自分のやり方でやってもらって、必要最小限の軌道修正をする、というスタンスです。また、プレーヤーとして自分自身もいい仕事をし、メンバーに背中を見せることも意識しています。メンバーにとっては、上司が活躍するのは嬉しいでしょうから」
「アシストの誰々、という肩書きがなくてもお客様から『○○さんに頼みたい』と言われるような存在になるようサポートします」と菅藤氏。全員に共通するのは、やはりメンバーの主体性・自律性を尊重し、成長する環境をつくろうという姿勢であることがわかる。
統括部長 菅藤展延氏
技術2部 部長 花井正樹氏
提案や意見があったら遠慮なく言える風土
そして、働く環境としての企業風土も気になるところだろう。
「組織の風通しがいいですね。経営層に改善の提案などをすることが推奨されており、上層部は本当に“聞く耳”を持っていると思います。上下関係などノーケアで提言でき、いいものはどんどん採用してもらえます」と菅藤氏は言う。
こうした風土の原点は、ビル・トッテン会長の考え方にある。同社にはロゴがプリントされた半袖シャツの“制服”があるが(着用は自由)、それは「蒸し暑い夏の日本で、ネクタイを締めるのはナンセンス」と感じたビル氏が、いち早く日本のビジネス界に“ノーネクタイ宣言”をして導入したもの。つまり、「慣習に従うのではなく、意見があったら遠慮なく言うべき」という志向が根付いているのである。
また、ある若手社員が「本社は約600人が3フロアに分かれているが、フロアが違うとコミュニケーションが取りづらい」という問題意識を持ち、3フロアを融合するイベントを提案。そして2ヶ月に1回、ロビースペースで「こみゅかふぇ」が行われるようになった。ビールや軽食が用意されるほか、バーテンダー経験のある社員がカクテルをつくったり、サッカーW杯の開催月はシュラスコが振舞われるといった社員のアイデアをたくさん取り入れたイベントである。
「社員は誰でも自由に参加でき、普段顔を合わせない他のフロアの社員とも会話できるいい機会になっていますね」と田中氏は言う。それ以外でも「ことあるごとに、社員同士でよくお酒を飲みに行っている」(菅藤氏)という会社なのだ。
最後に、同社が求める人物像について林氏に聞いた。
「経験やスキルも大事ですが、それ以上に誠実さを重視します。また、“指示待ち”の人では全く面白くないでしょう。“お客様のお役に立ちたい”と自ら仕事をつくり、検証していくような人がいいですね。そして、ぜひいろいろな会社も調べ、じっくり吟味してから当社を選んでいただきたいと思います。そうして心底納得の上、当社で思いきり働いていただきたいですね」
技術3部 部長 田中貴之氏
株式会社 アシストの社員の声

30代前半
2016年05月入社
入社当初は主に現場で製品導入な...続きを読む

30代前半
2012年04月入社
自分のスキルより...続きを読む

20代後半
2015年04月入社
私は個人的な性格として飽きっ...続きを読む