株式会社ダイヤライフ

診断検査事業や医療関連事業、介護福祉事業、医療系情報システム事業を展開する三菱化学メディエンスグループの一員として誕生したのが株式会社ダイヤライフ。
同社が目指すのは、保険調剤の業務を軸に、在宅医療や訪問介護など複数の機能を併せ持つ“多機能薬局”。この“多機能薬局”の充実・拡大によって、地域社会の人々のQOL（Quality Of Life）向上に貢献していくことこそが、同社のミッションだ。

1995年の設立当初より在宅医療に取り組んできた、業界の先駆者的な存在である同社にとって、主事業である調剤薬局は、単なる薬局ではなく、医療在宅や介護をサポートするための地域の拠点。そのため、急激な店舗拡大はあえて行なわず、量（店舗数）より質にこだわった地道な事業展開を行ってきた。設立から10年以上を経た2009年現在の従業員数は、薬剤師119名、ケアマネージャー14名、介護福祉士6名を含む186名となり、売上も79億円（2008年度3月期）まで成長を遂げた。

現在同社が運営する事業は、基幹事業である「調剤薬局事業」と、「在宅医療サポート」、「介護サービス」の3つだ。

「調剤薬局事業」としては、東京・群馬・茨城・千葉・埼玉・神奈川・静岡・愛知・三重・京都・兵庫・山口で、30店舗の調剤薬局を展開している。在宅医療の患者を担当する薬局や、大学病院などの門前に設けられた大型薬局、医療モール（各科専門医の結集した総合施設）に隣接する薬局など、その種類は様々だ。今後も年に数店舗のペースで着実に店舗数を拡大していく予定だ。

在宅患者と医師とを結ぶ重要なパイプ役を担うのが「在宅医療サポート」。在宅医療をスムーズに開始するため、退院前の患者を訪ね、医師と連携しながら、患者およびその家族の事前トレーニングをサポートすることからサービスはスタートする。その後も、無菌調剤室で調剤した輸液薬剤の宅配、自宅で安心かつ簡単に輸液薬剤を投与するためのポンプのレンタルや、医療器材の提供、薬剤師による訪問服薬指導、24時間オンコール対応などを行い、患者・家族・医師といった関わる人全ての負担を軽減し、かつ安心して在宅医療を実施することができるようサービスを提供している。

自宅での介護に関しての相談受付から、ケアプランの作成、要介護認定の申請・更新手続きの代行、訪問介護サービス（身体介護、生活援助）、介護に必要な用具や器具のレンタル・販売までをトータルにサポートするのが「訪問介護サービス」。ケアマネージャーをはじめ、介護福祉士、ホームヘルパーなどの専門スキルを持ったスタッフが連携し、サービスを提供している。同社の展開する調剤薬局には、ケアマネージャーの資格を持った薬剤師も在籍しており、薬局によっては介護相談窓口を設けているため、気軽に相談することが可能だという。

高齢化、入院日数の短縮化などの環境変化、2000年からスタートした介護保険制度によって進む医療と介護の融合、人生の最期は自宅で迎えたいという根強い考え方などが背景となり、30年後には166万人を超えると予測されている在宅患者数（厚生労働省調べ）。このような状況の中、同社の目指す“多機能薬局”は今後ますます、その重要性を高めることになるだろう。他社に先駆けて在宅医療の分野に取り組んでいた同社だからこそ可能なサービスを、これからも追及していく予定だ。

無理な店舗拡大を行なわず、量より質にこだわった事業運営を行ってきた同社だが、それは同社の薬局で働く薬剤師についても同様だ。同社の言う薬剤師の質は、「調剤や器材を扱うスキル」と「服薬指導やメンタル面でのフォローができるハート」という2つの要素によって成り立っており、このことからも同社の事業姿勢が垣間見えると言えるだろう。
この2つの要素を併せ持つ薬剤師を育成するための、教育・研修制度も整っており、新入社員・中堅社員・管理職という3つの階層に合わせて、経理やマネジメントに関する教育をはじめ、厚生行政勉強会や認定薬剤師取得支援研修などの専門的な教育、eラーニングや通信教育などによる自己啓発支援などを用意し、社員をサポートしている。

意欲あふれる社員が長く働ける環境の整備にも力を入れており、残業量や勤務地についても話し合いを行ない、なるべく希望を考慮した上で配属を行っているという。IUターンや、その他転勤などによって遠地での勤務となった場合には、家賃の8割を会社が負担している。休みに関しても、有休を取得しにくい雰囲気はなく、年間休日も2009年度は117日となっている。
患者により良いサービスを提供するためにも、まずは働く人が笑顔で仕事ができる環境を整備することが大切だという同社の考え方が、表れているといえるだろう。

高齢化などの環境変化の中、在宅医療に力を入れている同社には、さらなる拡大のチャンスが広がっている。働く側にとっても、同社で働くことは、今後の社会で役立つスキルを身に付けられるということを意味することになるはずだ。10年・20年と先を見据えた上で、もっと成長していきたいという意欲あふれる人材に、ぜひチャレンジしてほしい会社だ。