株式会社エィ・ダブリュ・ソフトウェア

カーナビソフトの研究開発に特化した専門企業である株式会社エイ・ダブリュ・ソフトウェア。トヨタ系自動車部品の大手メーカーであるアイシングループの一員であり、カーナビ世界シェアトップクラスを誇るアイシン・エィ・ダブリュ社(ＡＷ)の１００％出資で、1996年に設立された。
豊かな開発環境を求め、本社を最先端企業が集まる札幌テクノパークに構えた同社。その後、日本の自動車産業の核となる岡崎、名古屋とオフィスを開設。近隣にあるAWグループ企業との連携はもちろんのこと、AWグループのもつ海外拠点とも頻繁にやり取りをしながら、ワールドワイドな開発を進めている。

同社の主な事業軸は、カーナビ用アプリケーションソフトの開発と、地図データベースの開発の二つ。
カーナビ用アプリケーションソフトの開発では、目的地探索・道案内・地図表示・現在地認識・音声認識など、道案内の基本機能のほか、HDDへの音楽の録音やDVD再生などのAV機能、携帯電話通信や交差点のCG描画など快適なドライブ空間を演出する様々な機能の開発に取り組んでいる。
欧州向けにリリースした8ヶ国語の音声に対応したカーナビは、英国の有力なカーオーディオ雑誌でベスト製品に選ばれるなど、その技術は海外でも高い評価を得ている。

もうひとつの柱となる地図データベースの開発では、各メーカーのナビゲーションシステムの仕様に合わせ、膨大な地図情報を効率よくナビデータに変換するソフトウェアの開発や、住所、電話番号、ランドマーク等、メーカーごとのコンテンツに対応する様々な情報の開発を手がけている。
特に、2007年にトヨタが発表した世界初の地図差分配信システム『マップオンデマンド』は、これまで販売店に持ち込まなければならなかったマップ更新を、携帯電話を通じてナビ本体に取り込めるという画期的なシステムで話題を呼んだが、この製品にも同社の技術が大きく貢献している。

現在は、海外でのナビ市場の拡大に向け、日本のみならず、北米・欧州・アジアなど世界各国対応のデータの開発にも力を入れている。

同社が開発したソフトウェアはAWのカーナビに搭載され、トヨタ自動車・三菱自動車・アウディ・フォルクスワーゲン・GMなど世界の自動車メーカーの純正カーナビに使われている。アルパイン・富士通テン・ソニーなど一流ナビメーカーへもOEM供給されるなど、そのシェアは世界トップクラスを誇る。

90年代半ばから国土交通省が推進し、道路交通が抱える事故や渋滞、環境対策などの問題を最先端の技術で解決することを目指すITS（高度道路交通システム）構想。その第一に「カーナビの高度化」が挙げられるなど、カーナビは自動車業界の将来を担う重要な地位を担っている。

交通渋滞・規制情報、駐車場の満空状態等をドライバーにリアルタイムに提供するVICSシステム（Vehicle Information and Communication System；道路交通情報通信システム）や、携帯電話回線を利用したリアルタイムの交通情報やナビゲーションの提供、音楽やゲームコンテンツの提供などカーナビには様々な機能が搭載され、その開発規模も急速に拡大している。その技術要素は多岐にわたり、これらを有機的に機能させるには、非常に高いレベルのスキルが必要となる。

小さなボディに技術分野を超えた様々な機能を搭載しているカーナビは、組み込み技術の最先端といっても決して過言ではないだろう。

国境の無い、付加価値の高い斬新な商品作りをミッションとして掲げ、これまでトップメーカーとして実績を積み上げてきた同社では、機能ごとに分類されたプロフェッショナルチームを編成。その機能ごとにソフトウェア開発を進め、「世界No.1」をコンセプトに、全社一丸となって最先端技術に取り組んでいる。

ソフト開発は「人」そのものがノウハウ・財産と考える同社は、都市部への開発拠点の充実や実力主義の人事考課など、社内環境・制度の改革にも積極的に取り組んでいる。
安定した経営基盤のもと、エンジニア達が積極的に未知なる技術へ挑戦できるよう、しっかりとしたバックアップ体制を整えているのだ。

社員の約1/3が中途採用という同社は、風通しも良く、チームワークも抜群。カーナビは、ハードやデータベース、各種アプリケーションなど、自分の担当だけを突き詰めればよいというのではく、異なる技術分野同士が集結して成り立つ。幅広い知識や技術を経験できる環境で、同社のエンジニア達は大きなやりがいを感じながら働いているという。
また、任された仕事に関しては、自分の考えで自由に進めていける社風やグローバルに活躍できる環境も、同社で働く大きな魅力である。

オートマチックトランスミッションと連携した自動運転の実現やドライバーの好みに応じた情報を提案するエージェント機能など、豊かな車社会の実現に大きな役割を果たす次世代のカーナビの可能性は限りなく広がっている。

まだ世に知られていない情報に触れることができるのも、エンジニアにとっては、非常に楽しみの大きい環境であろう。

求めるのは、「熱い情熱や貪欲な意志をもって憧れに向かって努力する人」、「現状に満足せず、常に改善の意識を持ち、顧客の視点で物事を考え実際に自ら行動できる人」。
カーナビの未来を築く、意欲溢れるエンジニアの参画を期待している。