アクシス株式会社

アクシス株式会社は宇宙開発に関わる会社に勤めていた10名の仲間が立ち上げた会社。現在でも宇宙・航空・防衛を三本柱に事業を展開しており、前身の会社での期間も含めると約30年間に渡って宇宙に関わってきた宇宙通信技術のエキスパート集団である。
これまでに、科学衛星「あけぼの」「ひてん」、海洋観測衛星「もも」、陸域観測技術衛星「だいち」などのプロジェクトに参画しており、日本の宇宙開発事業に大きく貢献している。

宇宙開発に関わる事業としては、主として打上げ前の衛星搭載機器用試験装置の開発、人工衛星から送られてくる画像データをリアルタイムで表示するシステムやデータの蓄積装置の開発を行っている。またそれら装置の制御およびデータ解析のためのソフトウェア開発、地上で使用する受信機などの高周波関連の装置開発も行っており、人工衛星の開発現場において広範囲で開発・設計・製作に携わっている。

人工衛星と一口に言っても、そのミッションはそれぞれ違うため、新しい人工衛星が開発されるたびに、同社にも新しい開発が要求される。長年に渡って宇宙開発に携わってきた同社には様々な開発技術の蓄積があるが、1）人工衛星搭載のセンサーを利用した地球観測用スペース・リモートセンシング技術、2）人工衛星の軌道を監視・制御する衛星追跡管制システムおよびデータ評価解析技術、3）打上げ前の人工衛星の機能性を確認するための衛星チェックアウトシステム技術には定評があり、独自の開発・製品化が日々行われている。

特に高速信号処理技術に強みを持っており、ワークステーションとのインターフェースに欠かすことのできないPCIバスのI／F技術、光通信ネットワークにおける光変換の開発技術等の活用を通し、デジタルからアナログ、またソフトウェアからハードウェアまで通信技術分野で活躍を続けている。
今後については宇宙・航空・防衛の三本柱のさらなる強化はもちろんのこと、現在手がけているデジタル放送関連事業(特に非常時の中継車に搭載する通信機器)をはじめ、同社の技術を活かせるものであれば産業用の開発にも事業を展開していく予定だ。

通信機器開発部に所属する野村氏は2008年4月に入社したばかりだが、もう何年も前からいたような気持ちで働いているという。「入社を決めたポイントの一つが社員の人柄の良さでした。実際に働いてみても人間関係が本当に良く、仕事をやりやすいです」（野村氏）
むろん優しくて良い人というだけではない。「技術だけでなく、志も高い人がたくさんいます。『もっと良いものをつくりたい』という意識をみんなが持っているので、周りの先輩だけでなく、他の部署の人からも『これってこんな風にしてみたら？』というアドバイスをもらうことが多いです。本当にみんな仕事が好きで、本気で仕事をしているのが伝わってくる。刺激的な職場です」（野村氏）

自由度が高く、固定観念に捉われることなく仕事ができるのも面白さの一つだという。「ボールを投げたらちゃんと返ってくる」と野村氏が言うように、上司と部下、社員同士でディスカッションをしながら、常に「より良いもの」を目指して社員一丸となって仕事をしている。

前職ではケーブルテレビ機器メーカーで設計開発に携わっていたという野村氏は、現在人工衛星から送られてくる信号の周波数変換の仕事に携わっている。前職と同じ回路設計の仕事ではあるものの、非常に高い周波数を扱っているため、試行錯誤も多く細かい修正を行いながらの作業だ。「レベルの高い仕事にチャレンジするという不安はありましたが、周りのサポートを受けながら成長感と充実感を感じて仕事をしています」（野村氏）

仕事と会社について、野村氏は正に目を輝かせながら話をしてくれた。家族から「仕事のことばかり」と苦情を受けていると話す野村氏だが、当分その不満は解消されそうにないようだ。

「アクシスの人工衛星を飛ばそう」というのが同社の社是だが、実際社員の多くは宇宙開発に興味があって入社してきたという。

アメリカ合衆国ネバダ州ブラックロック砂漠で行われた、超小型衛星模型を打ち上げてデータを観測するという日米合同のプロジェクト「CANSET」に参加したこともあるという同社だが、きっかけは社員の希望だったという。社是がポーズだけに終わらず、社員全員の間で共有されていることを示すものだと言えるだろう。
「日々の業務として人工衛星をつくっているわけではありませんが、社内には実際にロケットをつくったことのある人もいますし、『地上で使うならこれで良いけど、ロケットに搭載するなら本当はこんな感じになるんだぞ』なんて発言を仕事中にする先輩がいたりして、刺激になりますね」（野村氏）

教育も充実しており、新入社員は入社後1か月かけて全ての部署を周ることで会社に関する知識を深め、その後本人の希望を考慮して配属が決まるという。その他にも年に4回ほど「共育の日」を設け、外部から講師を呼び勉強会などを開催しているという。

和気藹々とした社風だという同社では普段から飲み会も多く、スポーツイベントなども行われている。創立月である6月の前後には毎年社員旅行もあり、3～5年に一度は海外旅行に行っているそうだ。

「好きだという気持ちが大切だと考えています。それが『宇宙』でも『電気』でも構いません。好きな気持ちがあればがんばれますし、一生懸命自発的に仕事のできる人であれば、多少経験が少なくても十分成長していける会社だと思いますよ」そう語るのは採用担当の辛川氏だ。

野村氏も応募者へのメッセージとしてこんな風に答えてくれた。「与えられた仕事で満足する人ではなく、もっとこんなことがしたいと挑戦していける人、自分の仕事をやり遂げようと努力する人にとってやりがいのある会社だし、そんな人が活躍できる会社だと思います。人間関係は充実していますし、何より自分を磨いていける環境ですので、是非チャレンジしてほしいです」

宇宙という無限のフィールドを舞台に、志高く、刺激的に働ける会社。
もっと良いものをつくりたい、もっと技術を磨きたいという成長意欲の高い人には大きなチャンスが広がっている。