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株式会社Kiviaq

  • IT/Web・通信・インターネット系

Amazon流のサプライチェーン思想!薬を自宅へ届ける調剤薬局を運営するスタートアップ

上場を目指す
自社サービス製品あり
カジュアル面談歓迎

企業について

病院で診察を受けた後、なぜ、体調が悪いまま薬局へ移動し、もう一度待たなければならないのか。長く続いてきた医療体験を変えようとしているのが、株式会社Kiviaq(キビヤック)だ。

同社は「必要な薬が、必要なタイミングで、手軽に届く」仕組みを作るため、2025年5月に設立された。最初に立ち上げたのが、薬の配送を前提とする調剤薬局『キビヤックファーマシー』である。

利用者は、医療機関で発行された処方せんをLINEで送り、薬剤師によるオンライン服薬指導を受ける。対応する医療機関では、処方せんが薬局へ直接連携されるため、利用者自身による画像送付も要らない。調剤された薬は、自宅や勤務先等、利用者が指定した場所へ届けられる。

2025年10月、港区芝大門に1号店をオープンした。港区、千代田区、中央区には調剤後最短30分で届ける。東京18区では当日配送に対応しているほか、全国への発送も行っている。平日は21時まで、土日・祝日も処方せんを受け付ける。追加費用は一切かからず、支払いは薬代と調剤技術料のみとなる。通常の薬局を利用する場合と変わらない負担で利用できる。

「配送を外部へ任せ、その費用を患者さんに負担してもらうのではなく、薬局内の業務から自社配送までを一つのオペレーションとしてデザインすることで、コストを抑え、原資を生み、ユーザーへの新しい体験へ投資する。広い商圏から処方せんを集め、在庫や人員配置を効率化すれば、通常の薬局より高い利益率を生み出せます。便利だから高くなるのではなく、便利でありながら、多くの方に使ってもらえる形にしたいんです」(代表取締役CEO:岡田俊氏)。

全国には約6万の調剤薬局があり、その多くは近隣の医療機関で診察を受けた患者を主な利用者としている。皮膚科の隣にある薬局なら皮膚科、眼科の隣なら眼科で処方される薬を中心にそろえる。徒歩圏を商圏とする以上、来局する患者の数や処方せんの種類には限りがある。

使用されるか分からない薬を幅広く持てば、使用期限を迎えて廃棄するリスクが高まる。そのため、薬局は近隣の医療機関でよく処方される薬へ在庫を絞らざるを得ない。患者が処方せんを持って訪れても、必要な薬がなく、別の薬局を探したり、取り寄せを待ったりする場合がある。

「従来の薬局は、隣接する病院から来る患者さんを待つ『点』の商売です。『キビヤックファーマシー』は、配送によって商圏を5~10キロメートルまで広げ、その中にある複数の医療機関から処方せんを受け付ける。点ではなく面で商圏を押さえることで、一つの薬局が扱う処方せんの数を増やし、売上高を伸ばせます。多様な処方せんが集まれば、幅広い薬を置いても使われる可能性が高まり、廃棄リスクを抑えられる。患者さんにとっても、必要な薬を受け取りやすい薬局になります」(岡田氏)。

薬局内のオペレーションも再設計している。薬剤師でなければ担えない調剤や服薬指導と、受付、会計、梱包等の業務を整理し、専門資格が要らない業務まで薬剤師に集中させない。

「調剤後最短30分という速さは、配送員が急ぐだけでは実現できません。商圏、在庫、人員配置、調剤、配送を最初から組み直した結果として生まれました。当社が目指しているのは、薬を早く届けるサービスではなく、患者の利便性と薬局の収益性を同時に高める、調剤薬局の新しいサプライチェーンなんです」(岡田氏)。

調剤後最短30分で薬を届け、薬局の利益率も高める。既存の薬局に配送機能を付け加えるだけでは実現できない。在庫、作業、人員、拠点、配送を一つの流れとして設計できるチームだからこそ、従来の薬局とは異なる事業構造が作れている。

同社は、Amazonの物流を裏側で作ってきたメンバーが立ち上げた会社だ。

創業者の岡田氏は、Amazonで物流拠点の立ち上げや新規事業開発、アジア太平洋地域の物流戦略を歴任。テックリードの金子和正氏は、ソフトウェアエンジニアとして物流センターの在庫管理や機械制御システムを開発してきた。商品の保管から利用者へ届けるラストワンマイルまで、Amazonの物流をビジネスとテクノロジーの両面から支えてきた経験者がKiviaqに集まっている。

岡田氏は米国で公認会計士として働いた後、2013年にAmazonへ入社。当時新設された小田原の大規模物流拠点の立ち上げに財務・戦略面から参加し、その後は1時間配送サービスや生鮮食品事業、独自の全国配送網など複数の物流事業の立ち上げ・展開に携わった。

Amazonが物流網を自ら構築する理由は、配送会社へ任せきりにせず、商品の保管から配送までを管理して費用とサービス品質を継続的に改善するためだ。Kiviaqの創業者たちは、その考え方を調剤薬局の運営へ持ち込んだ。

「Amazonでは大規模拠点から1時間配送まで様々な仕組みを作り、多くの実験を経験しました。どこに拠点を置き、どこへ人を配置し、何をシステム化すれば費用を抑えて品質を上げられるのか。その経験が今の新しい薬局づくりに生きています」(岡田氏)。

岡田氏はAmazonを離れた後、ヘルスケア企業の経営に携わり、医薬品サプライチェーンの非効率さに気づいた。薬局ごとに在庫を持ち個別に運営する構造は、患者の待ち時間や欠品を生むと同時に、薬局経営の負担にもなる。物流の再設計によって患者の利便性と薬局の生産性を同時に変えられると考え、Kiviaqを創業した。

「1号店は薬の配送ニーズを実証するため、オフィス街に近い芝大門に構えました。次は東京西部の住宅地に2店舗目を計画しており、角度の異なるニーズを検証したいと考えています」(岡田氏)。

その先で同社が構想しているのが、幅広い在庫と調剤機能を集めたセントラル拠点と、各地の小規模薬局を組み合わせる「ハブ・アンド・スポーク型」のネットワークだ。

全ての店舗が同じ薬を個別に抱えるのではなく、使用頻度の低い薬などは中央拠点に集約。小規模店舗に在庫がなくても中央から当日中に届ける。医薬品卸の納品も一つの拠点へまとめられ、受付や在庫管理等の業務も中央で一元化できる。

都市部で自社拠点を広げる一方、地方では既存の地域薬局との協業を構想している。人口減少で薬局が減っても、システム・在庫・調剤・物流の効率化を同社が支え、地域薬局は患者との対話や在宅医療といった人にしかできない仕事に注力できる環境を作る。

「地方で患者さんと関係を築いてきた薬局と役割を分けたい。誰が担っても同じ結果を出せる業務はシステムと物流で効率化し、地域薬局には患者さんとの対話や在宅医療に力を使っていただく。人口が減っても必要な薬が全国に届く仕組みを一緒に作りたいです」(岡田氏)。

エンジニアの描いたシステムで、薬剤師の動きが変わる。在庫の置き場所が変わる。患者へ薬が届く時間が変わる。同社が作るのは、薬局向けのWebサービスだけではない。調剤薬局そのものの動かし方だ。

配送料を自社で吸収しながら、調剤後最短30分で薬を届ける。その事業モデルを成立させるには、処方せんの受付から在庫、調剤、配送までを、一つの流れとして動かさなければならない。どの薬が、いつ、どこで必要になるのか。どの拠点に在庫を置き、誰が調剤し、どの順番で届けるのか。エンジニアの作る仕組みが、利用者の利便性と薬局の収益性を左右する。

開発するのは、利用者がLINEを使って処方せんを送り、オンライン服薬指導を受ける仕組みだけではない。処方せん、在庫、調剤、配送を一つに繋ぎ、Amazon流のサプライチェーン思想を調剤薬局の運営に組み込んでいく。必要なデータを集め、薬局で働く人の動線、在庫を置く棚、薬を取り出す手順、配送スタッフへの指示まで変えていく。ソフトウェアの中で完結せず、調剤薬局のオペレーションそのものを設計する仕事である。

「今の当社には、完成した仕様書があるわけではありません。患者さんのUI/UXも、物流を動かすシステムも、データの集め方も、薬局内のハードウェアも、これから作りたいものが山ほどあります。決められたものを実装するのではなく、薬局の現場を見て、何が必要なのか、何を作るべきなのかという段階から一緒に考えてほしい。当社ではエンジニアが事業をつくる中心にいます」(岡田氏)。

同社は、現時点では利用者向けのスマホアプリを開発する予定がない。高齢者を含む多くの人が使い慣れたLINEを活用する方が、利用者の負担を減らせるからだ。同じ判断は、薬局内のハードウェアにも表れる。最新の機器を導入すること自体を目的にせず、目新しさではなく、投資額に見合う効果があるかで技術を選ぶ。

「最先端の技術を使えば、良いサービスになるとは限りません。数千万円のロボットアームを導入しても、投資を回収するまで何年もかかるなら、薬局の運営には合わない。薬棚を光らせる簡単な仕組みでも、作業を速く、正確にできる場合があります。エンジニアには、技術だけを見てほしくありません。人をどこに配置し、何をソフトウェア化し、どこにハードウェアを入れるのか。薬が患者さんへ届くまでの全体を見て、最適な方法を選んでほしいと思っています」(岡田氏)。

2026年9月現在、同社は正社員10名前後。既に完成したプロダクトへ参加するのではなく、1号店で得た知見をシステムへ変え、次の拠点、さらに全国の薬局ネットワークへ広げていく段階にある。全国からフルリモートで働けて、勤務時間も柔軟に設定できる。

「当社は基本的にフルリモートで、好きな時間に働いてもらって構いません。立派なオフィスを作るために、無駄な固定費を使う必要もないと考えています。仕事は、結果を出してこそ。評価するのは、どれだけ長く働いたかではなく、プロダクトをきちんとリリースできたか、そこへどれだけコミットしたか。働く場所や時間は自由でも、成果にはしっかり向き合ってほしいと思っています」(岡田氏)。

「薬は薬局へ取りに行くもの」という当たり前を変える。患者が薬を受け取る体験、薬剤師が働く現場、全国へ薬を届けるネットワークまでを、Amazon流のサプライチェーン思想で繋ぎ、新しい調剤薬局の仕組みを作る。その設計図を描くのが、同社のエンジニアに求められる役割だ。

企業情報

会社名

株式会社Kiviaq

業界

IT/Web・通信・インターネット系 > インターネット/Webサービス・ASP

企業の特徴
カジュアル面談歓迎、上場を目指す、自社サービス製品あり
資本金

1.2億円

設立年月

2025年05月

代表者氏名

岡田 俊

事業内容

■医薬品SCM事業・調剤薬局運営
■オンライン服薬指導・処方薬配送サービス
■専門特化型ブランドの展開

株式公開(証券取引所)

従業員数

10人

本社住所

東京都港区芝大門1-4-4 ノア芝大門101

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