株式会社オプテックは、どのような背景から生まれた会社なのでしょうか?
当社は、東海大学の研究室にルーツを持つ会社です。創業者の大原茂之先生は、私が大学時代に所属していた研究室の教授でした。ソフトウェア工学や組み込み技術を専門にされており、その研究室に関わっていたゼミメンバーや大学院生が集まり、歯科向けのシステム開発に取り組んでいったことが、現在のオプテックに繋がっています。 当時、歯科医院では、診療報酬を請求するためのレセプトコンピュータが使われていました。それとは別に、診療記録であるカルテを手書きしている医院が多い時代でした。本来はカルテに記録した診療内容が、そのまま請求に繋がっていくべきですが、ソフトウェア開発の世界では、製品としては別々に扱われることが多かったと思います。大原教授とメンバーは、20年ほど前からその流れに着目し、電子カルテとレセプトを一体で扱えるシステムの開発に取り組んできました。 歯科医院の業務は、診療、会計、請求、予約、患者管理まで、全てが繋がっています。そこを分断せず、一つの流れとして支えることが、当社の製品づくりの出発点にあります。現在の『Opt.one3』やAI機能群『AI SUITE™』も、そうした蓄積の上にあるものです。 私自身も大原研究室出身ですが、私は大学卒業後、別の企業で働いたのち、地元名古屋に戻り父の会社を手伝っていました。名古屋に戻って1年後に大原教授から名古屋エリアの代理店をやってもらいたいと依頼され、オピックスという会社を設立し、そこから約20年、歯科医院の現場に向き合いながら、この会社の歩みを見てきました。
大井会長は、どのようにオプテックと関わってきたのでしょうか?
私自身は、最初からオプテックの中にいたわけではありません。大学時代に大原先生の研究室に所属していた繋がりはありましたが、卒業後は名古屋で父の会社を手伝っていました。当社が立ち上がって間もない頃、大原先生から名古屋エリアの代理店をやってくれないかと声をかけられたのです。 最初はお断りしましたが、改めて事業計画を見たとき、これは可能性があると感じました。歯科医院向けの電子カルテやレセプトコンピュータは、一度導入すれば日々の診療や請求業務に深く関わるシステムです。現場で必要とされるものをきちんと届けられれば、継続的に価値を出せる事業だと思い、オプテック製品の販売代理店を名古屋にて起業しました。 そこから約20年、名古屋エリアを中心にオプテックの製品に関わってきました。歯科医院の先生方がどのようにシステムを使っているのか、どこに困っているのか、どのようなサポートが必要なのか。代理店という立場ではありましたが、現場に近い場所で当社の事業を見てきたと思っています。 その経験があるからこそ、今のオプテックが持っている強みも、これから変えていかなければならない部分も見えています。20年積み上げてきた製品と顧客基盤を大切にしながら、次の成長に繋げていくことが、今の自分の役割だと考えています。
オプテックの会長就任には、どのような背景があったのでしょうか?
今回、大原先生から当社の経営に関わってほしいという話を頂きました。私自身は名古屋を拠点にしていることもあり、東京に常駐して社長として会社を見るのは難しい状況でした。そこで、宮崎に社長を任せ、私が会長として支える形が一番良いと考えました。 宮崎とは、以前から代理店の経営を任せる形で一緒に仕事をしてきました。私が家庭の事情もあって代理店の経営の第一線から少し距離を置こうとしていた時期に、会社を託せる人として出会い、経営を任せてきた経緯があります。その後も月に何度か話をしながら、今後の事業構想や会社の在り方について議論を続けていました。 当社では、新しい開発プロジェクトやAIを活用した事業づくりは宮崎に任せています。電子カルテ市場や既存事業の運営については、私がこれまでの経験を生かして見ています。20年積み上げてきた製品と顧客基盤を大切にしながら、新しい価値づくりへ進んでいくためには、この役割分担が合っていると思っています。
これからのオプテックを、どのような組織にしていきたいですか?
私が当社に来て最初に感じたのは、みんながもっと楽しく仕事をできる会社にしたいということでした。一人ひとりの力はありますし、それぞれが自分で考えて動ける大人の組織でもあります。けれども、個人の力だけで進むのではなく、組織として動ける会社にしていきたいと考えています。 一人で出せる成果には限界があります。チームで動けば、1+1が2ではなく、2.5にも3にもなる。当社には、20年かけて積み上げてきた製品や顧客基盤があります。そこに新しく入る人達の感性や発想が加われば、まだまだ面白いものを生み出せると思っています。 特に、これからは若いエンジニアにも加わってほしいですね。長く製品を支えてきた経験豊富なメンバーがいて、AI開発に関する知見も社内にあります。その中に新しい感性を持った人が入ることで、既存のメンバーにも刺激が生まれる。新しい人が入ることで、会社全体も活性化していくと思っています。 電子カルテやレセプトの領域は、成熟した市場に見えるかもしれません。けれど、AIを活用して歯科医院のホスピタリティを支えるという意味では、これから新しい挑戦が始まります。経験と新しい感性を掛け合わせながら、チームで面白いものを作れる組織にしていきたいですね。
仕事をする上で、大切にしていることは何ですか?
私は、仕事の根幹には遊びがあっていいと思っています。私自身、ゲームが好きで、旅行やダイビング、キャンプも好きです。遊ぶためには時間もお金も必要ですから、そのためにどう働くか、どうすればもっと効率良くできるかを考える。そういう発想は、仕事にも繋がると思っています。 仕事と遊びを、きれいに分けすぎる必要はないと思うんです。遊びの中で夢中になれる人は、仕事の中にも面白さを見つけられる。どうすればもっと楽にできるのか、どうすればもっと面白くなるのか。そういう少しずる賢いくらいの発想が、良い仕組みや新しいプロダクトに繋がることもあります。 仕事と遊びを区別しない、そんな人生の達人になりたいと思っています。 単に楽をしたいだけでは通用しません。AIが進化している今は、言われたことをそのままやるだけではなく、新しい技術を素直に受け入れ、柔軟に使いこなしていく姿勢が必要です。当社には、20年積み上げてきた歯科業務の知見と、AIを活用した新しい挑戦があります。だからこそ、仕事を楽しみながら、歯科医院や患者さんの体験を変えるようなプロダクトを一緒に作っていける人に加わってほしいですね。