株式会社マーベリックスを立ち上げるまでのキャリアは?
最初の会社では、医療機関向けの薬剤支援システムの開発に携わっていました。C言語でつくられたパッケージをベースに、病院ごとにカスタマイズを行い、導入まで担当していました。6年ほど在籍し、30~40ほどの病院にシステムを導入してきました。現場でのヒアリングから実装、納品まで一通り経験しており、要件を整理して形にする仕事に当時から関わっていたと思います。 ただ、そのシステムは古い技術でつくられており、世の中がWebへと移行していく中で、このまま同じ環境に居続けることへの不安がありました。モダンな技術に触れたいという思いから、Web業界への転職を決めました。 次に入社したのはWeb制作会社で、フロントエンドのコーディングを担当しました。デザインをもとにサイトを実装する業務を通じて、Webの基礎を実務の中で体系的に習得しました。案件数が多くスピード感のある環境だったため、限られた時間の中で品質と効率を両立する力も養われました。結果として、Web業界未経験に近い状態から実務経験を積み、Webエンジニアとしての土台を築く貴重なステップとなりました。
マーベリックスを設立した背景は?
Web制作会社で基礎を身に付けた後、Webシステム開発会社に転職しました。エンジニアとして開発に携わるところからスタートしましたが、当時は上場を目指しているタイミングで組織が大きく変化しており、マネージャー不足という背景もあって、比較的早い段階でマネジメントを任されることになりました。20代後半で部長職を担うことになり、チームの運営やメンバーのアサイン、そして予算策定や戦略立案等にも関わるようになりました。 その後、営業の役割も担うようになり、案件の獲得や顧客との関係構築にも携わるようになりました。エンジニアとして開発に向き合っていた頃とは異なり、どのように仕事を取るのか、どのように価値を伝えるのかといった視点を持つようになり、仕事に対する考え方が大きく変わったと感じています。 結果的に、開発、マネジメント、営業といった一通りの役割を経験することができ、自分一人でも仕事を進めていける感覚を持てるようになりました。そのタイミングで独立し、フリーランスとして働き始めました。仕事は継続的に頂けていたこともあり、「仲間と一緒に仕事ができたらいいな」という思いもあって、半年ほどで法人化。その時に立ち上げたのがマーベリックスです。
起業の際、どんな会社をつくりたいと思っていましたか?
法人化した時に考えていたのは、これまでの経験の中で自分が嫌だと感じてきたことを、できるだけ排除した会社にしたいということでした。 特に強く感じていたのは、コミュニケーションの取りづらさによるストレスです。開発プロジェクトでは、メンバー同士の意思疎通が上手くいかないと、良いものをつくることが難しくなります。また、人数が多い組織では、初めて組むメンバー同士でチームを構成することも多く、技術だけでなく相性も考えながら組み合わせを決める必要があり、その難しさも感じていました。 そうした経験から、できるだけ良いメンバーを集めてチームをつくることを重視するようにしました。ある程度価値観やコミュニケーションの取り方が合う人達であれば、組み合わせによる失敗も起きにくくなると考えています。 また、これまでの経験を通じて、仕事は一人で完結するものではなく、人と関わりながら価値を生み出すものだと実感しています。だからこそ、無駄なストレスに左右されず、建設的なコミュニケーションが取れる環境づくりが重要だと考えています。現在は、周囲と良好な関係性を築きながら、個人にとどまらずチーム全体の成果を最大化することを意識して取り組んでいます。
社名「マーベリックス」の由来、そしてそこにどんな思いを込めましたか?
社名の由来となった「マーベリック」は「焼印のない子牛」や「一匹狼」といった意味があり、枠にとらわれず、それぞれの個性を尊重したいという思いを込めています。チームで価値を出したいという思いも乗せるために、複数形にして「マーベリックス」としました。 当社では社員の入社時、一人ひとりに異なる狼のフィギュアを贈っています。全て違うデザインにしているのは、メンバーそれぞれが異なる個性や強みを持っていることを表現したいという意図があります。狼をモチーフにした当社のロゴも、左右非対称のデザインにしており、多様な人材が集まって一つの組織をつくるという考え方を反映しています。 採用やチームづくりにおいても、単にスキルだけで判断するのではなく、コミュニケーションが取れるかどうかを重視しています。クライアントから評価されるポイントも、技術力だけでなく、やり取りのしやすさや関係性の築き方が大きいと感じています。 エンジニアリングのスキルが高い人は世の中に多くいますが、それだけではなく、相手の立場を理解しながら仕事を進められる人が集まることで、結果としてより良いアウトプットに繋がると考えています。
仕事をする上で、大切にしていることは?
仕事に対して「できる方法を考える」という姿勢を大切にしています。できないと判断してしまうとそこで終わってしまいますが、条件を変えたり、やり方を工夫したりすることで実現できることも多いと感じています。だから、仕事を進める上では、常にできる選択肢を探し続けることを意識しています。 これまでのキャリアで、私はコツコツ積み上げていくことを大事にしてきました。自己評価として、特別な才能があるわけではないと思っているので、一つひとつ積み重ねていくことが結果に繋がると考えていますし、そうした努力がきちんと評価される環境でありたいとも思っています。 仕事は、生きることや人生に近いものだと感じています。日々の多くの時間を仕事に使う以上、仕事が上手くいっているかどうかは、そのまま生活の充実度にも繋がると思っています。だからこそ、どうせやるのであれば前向きに取り組める状態の方が良いですよね。 評価されることや、誰かの役に立っていると実感できることも、仕事の大きなモチベーションになっています。メンバーやお客様、関わる人達にとって意味のある仕事ができていると感じられることが、自分の価値や存在意義にも繋がっています。