ｕｇｏ株式会社

ｕｇｏ株式会社は、“人とロボットの融合でサステナブルなワークスタイルを実現するロボティクス・ソリューション・カンパニー”として、独自開発ロボット『ugo』シリーズとロボット統合管理プラットフォーム『ugo Platform』を提供している。

同社のプロダクトのラインアップは、次のとおり。

●『ugo Pro』
フルスペックモデルのロボットとして、顔ディスプレイ、2本のロボットアーム、ボディの高さ調整機能、音声発話機能、全方向移動カートを搭載。物理ボタンによるエレベーターの操作や、カードをかざしての入退室によるフロア移動も可能。

●『ugo mini』
巡回監視に特化した小型モデルロボット。狭小空間での使用を想定したコンパクトさと低価格を実現。セキュリティルーム、開閉困難な扉の内側等、制限された空間での常駐監視や、静粛性や清潔さが求められるホテルや介護施設、精密機器工場等に適している。

●『ugo Ex』
全方向移動が可能で、現場での作業効率を向上させるために設計された拡張性の高いDIYモデルロボット。4Kカメラや3D LiDAR、各種センサー、アンテナ等を自由に搭載できる拡張マウントポールが付けられる。

●『ugo Platform』
クラウド上で複数台のロボットを一元管理するプラットフォーム。ロボットの走行ルートや稼働スケジュールの設定、遠隔操作やノーコードでの自動化プログラム作成/実行、レポート自動生成の設定等を簡単な操作で行うことができる。

ロボットを導入しただけでは、どのように使えばいいか分からないユーザーが多い。そこで同社は、現場で活用するためのソリューションとして、業務の立て付けまでを包括的に提案している。業務別のソリューションには、次のものがある。

●点検ロボットソリューション
様々な現場の巡回・記録・レポート生成・異常検知・駆けつけ・一時対応までを24時間365日、ロボットが完全自動化。身体的負荷の高い長時間歩行や記録作業等を抜け漏れ・バラつきなく行うとともに、異常があれば即座にアラートを発報。

●警備ロボットソリューション
オフィスビルや商業施設等の立哨や巡回業務をロボットが完全自動化。身体的負荷の高い長時間の立ち姿勢や深夜巡回から人を解放し、業務のばらつきを解消し品質を向上。長時間のカメラ映像を記録し、事件・事故の証拠記録として活用。

●案内ロボットソリューション
オフィスビルや商業施設等の案内業務を完全自動化。日・英・中・韓の4カ国語に対応し、外国人利用者に適切に対応。利用者から話しかけられやすい親しみやすい外観と、相手や状況に応じて柔軟にコミュニケーションできるAIによる自動案内機能を活用。

●防犯ロボットソリューション
ロボットが店舗内を縦横無尽に自律移動しつつ、全体をくまなく撮影する“見せつける監視”を行い、万引き等の犯罪を抑止。人を検知し、直接の声かけで犯行を見送らせる。人による長時間の巡回や人的トラブルに発展するリスクによる心理的負担を解消。

なお、同社ではプロダクト/サービスをサブスクリプションで提供する“RaaS（Robot As A Service）”のモデルを採用している。

同社は、2018年2月にMira Robotics株式会社として設立された。なお、社名は2021年5月に「人とロボットが“融合”し、社会のインフラになることを目指す」という意味を込めて、ｕｇｏ株式会社へ変更している。

創業者で代表取締役CEOの松井健氏は、アプリやWebシステム開発のスタートアップを経て、2011年にIoTデバイス開発会社を創業。スマートロックや農業用の定点観測カメラ、ビーコン等を設計し、中国・深圳の工場にOEM生産を依頼するメーカーとして事業を展開する。

その中で、労働人口が減少し人手不足が深刻化する一方の日本では、人に代わる“動くIoT”が求められるようになるだろうと考え、ロボットに着目する。
「人はどこにいてもリモート操作によって業務を効率的に行うことができる“アバターロボット”を提供しようと考えました」と松井氏は話す。

そこで、会社を売却した資金でMira Roboticsをスタートさせた。

ロボットづくりには、メカやエレクトロニクス、AI、クラウド等の様々な領域のエンジニアが必要となるが、7年間のIoT関連事業の中で培ったネットワークから確保した。
こうして、オフィスビルや商業施設向けのビルメンテナンスサービスを提供すべく、遠隔操作とAI自動モードを搭載した2本のアーム付きアバターロボット『ugo』を開発。これをもって、2020年に大手SIerが開催するオープンイノベーションコンテストに出場すると、日本代表企業に選出された。『ugo』は2021年に『ugo Pro』としてリリースされ、その第1号が同SIerのデータセンター内の点検ロボットとして採用される。これを機に同SIerグループとの関わりが深まり、2023年には出資を受けるまでになった。

その後、『ugo Ex』『ugo mini』とラインアップを拡充。さらに、『ugo Platform』のOEM提供や、フィジカルAI研究を支援するロボット向け模倣学習キットをリリースする等、事業展開の幅を広げている。

なお、同社はロボットを自社オフィスの一角で組み立てて出荷している“ファブライト”企業である。日本の製造業が生産拠点を海外に移したことで弱体化したことに問題意識を持つとともに、製造まで自社で経験しノウハウを蓄積することが重要との考え方による。

今、アメリカや中国でヒューマノイドが進展している。こうした情勢にあって、同社の製品やサービスの強みについて松井氏は次のように話す。
「ロボットとしての運動性能がどれだけ上がっても、それだけで現場の役に立つとは言い切れません。いかに業務に活用できるかという機能や、ロボットが働きやすいように業務自体を再設計するといったインテグレーションが重要です。その点で、沢山の作業現場でデータを蓄積している当社には、アドバンテージがあると言えるでしょう」

そんな同社が掲げるPurpose、Mission、Visionは次のとおりだ。
●Purpose：テクノロジーで人と社会を支え、豊かな未来をつくる。
●Mission：人とロボティクスの融合で、新しい社会システムを構築し、新しい価値観を創造する。
●Vision 2028：
ロボットをあたりまえの選択肢に。
警備・点検市場で圧倒的シェアNo.1を目指します。

『第8回インフラメンテナンス大賞 総務大臣』や『第11回ロボット大賞優秀賞』、『GMO AI & Robotics Awards 2025』等、数々の受賞に輝く同社は、日本のロボティクスをリードする存在として期待を集めている。さらに、海外展開を視野に市場調査にも着手しているところだ。

同社の社員数は約70名で、平均年齢は38歳、男女比率は9対1、外国人4名（インド、アメリカ）という構成だ。組織としては、開発、製造、セールス、テクニカルサポート、コーポレートに分かれている。
その全体は、次の6項目のValueで束ねられている。

1.ｕｇｏ方程式　1×1×1=∞
2.社会実装ファースト
3.分析的思考
4.やりきる力
5.学びと成長
6.すべては挑戦から

このValueは2024年に策定後、月1回の全社会議の際にワークショップを開催し、中身が身近に感じられるようディスカッションを行っている。「今後、軽食やアルコールも入れて、懇親の機会づくりも兼ねたカジュアルな時間も設ける予定」と管理部人事担当の荒木祥子氏は話す。
それとともに、人事考課の定性指標にも取り入れて浸透・促進を図っている。

人事考課としては、半期ごとに“コミット目標”と“チャレンジ目標”を、Value等と絡めて上長と擦り合わせて設定。適宜1on1で進捗状況を確認し、期末の状況によって昇給・昇格を決めるスタイルを採っている。

人材育成は、プロフェッショナル集団として自己啓発を基本としながらも、書籍購入やセミナー参加等の費用負担やe-ラーニングの提供等を通じて会社が支援。また、推薦図書の読書会も行っている。

働き方としては、オフィスワークとリモートワークを状況に応じて自由に選べるハイブリッド型。ただし、オフィスに工場を併設しているため、製造部門等はオフィスワークとなる。ちなみに、北海道在住としてフルリモートの『ugo Platform』開発メンバーも在籍している。
勤務時間も11～16時がコアタイムのフレックス制で、プライベートの状況に応じて柔軟に働くことができる。
社員のプライベートを尊重するカルチャーがあり、男性社員が半年間の育児休暇を取得した実績もある。

なお、本社オフィスは工場を含めてワンフロアとなっており、社員同士が顔を合わせる機会は多く、社内コミュニケーションも活発だ。

そんな同社が求める人材像について、荒木氏は次のように期待を寄せる。
「相手を尊重して自分の意見が言え、自ら学び実践する意欲があれば大抵の課題はクリアできると思います。そんな方のご応募をお待ちしています」